P・クルーグマン教授 『PMI指数はどれ位良いのだろうか?』 日本にもピッタリ当てはまる

The New York Times のP・クルーグマン教授の『The Opinion Pages』から。
PMIとGDPの関係の『相関関係』をクルーグマン教授自身で、FREDのデータベースの数字を拾ってきて作図だれていました。

「PMIってなんじゃらほい?」

という事ですが、

『工場サイドが、どのくらい資材などを必要としているのか?その見通しを立てるために、どのくらい生産する計画・意欲があるのか?アンケートを使って指数化したものです。PMIとは(Purchasing Managers' Index)の略です。結果として生産意欲の強さ・弱さ(センチメント)を知ることができます。ファンダメンタルでは、この性質を予測に使います。非常に便利です。』とFXをされている『ファンダメンタルなアウトローのFX』と言うサイトを運営されている『蝦夷守(えぞのかみ)』さんが解説されていた。
(http://ameblo.jp/heenheen/entry-10428020113.html 参)

ところで、

「なぜクルーグマン教授は、PMIとGDP成長率の相関関係を知りたかったのか?」

実は、その答えはクルーグマン教授の著書『良い経済学 悪い経済学』(日経ビジネス文庫)に書かれている(と管理者は勝手に思っている)。

クルーグマン教授は、この著書の中で(更に専門的には『クルーグマンの国際経済学 理論と政策 上貿易篇』M・オブズフェルド共著 ピアソン刊)『国際競争力』という、人口に膾炙されている幻想を否定(ほぼ全面的に)されている。

しかし、世界中の人々、専門家と称するエセエコノミスト、更には経済学者、そして中には優れた経済学者までもが『国際競争力』と言う、民間企業間で問題となる『競争力』を国家間のそれにまで膨れ上がらせて世の中に広めている。

クルーグマン教授は、前掲書の中で『競争力という盲信』(同書 p.23)で、これをばっさりと斬り捨てられています。

「しかし、実際、新興国の興隆によって、先進諸国の経済は空洞化が進み、停滞しているではないか!?」

と言う疑問に関して、教授は、こう答えられます。

『アメリカの国際競争力に関して警鐘をならしている人たちのうち何人かは、立場は二つにひとつしかないと信じているように思える。つまり、アメリカは競争力の問題にぶつかっているのか、そうでなければ、アメリカ経済には特に問題はないのか、どちらかだと言うわけだ。アメリカ経済に問題があることは同意見だが、国際競争ではそれをほとんど説明できないというのが、以上の結論である。
 アメリカ経済がぶつかっている問題は大部分が国内要因によるものであり、グローバル市場が現在のように統合されていなかったとしても、アメリカ経済の苦境にはほとんど変わりがなかっただろう。GDPに占める製造業の比率が低下しているのは、工業製品に対する支出が相対的に減少してきたからである。雇用に占める製造業の比率が低下するのは、企業が労働者に代えて機械を導入しており、残った労働者を以前より効率的に使っているからである。賃金が停滞しているのは、経済全体の生産性の伸び率が低下してきたからである。そして非熟練労働者が特に打撃を受けているのは、ハイテク経済では非熟練労働力に対する需要が減っているからである。いずれの場合にも、貿易は小さな要因でしかない。』
(前掲書 p.78)(下線部は管理者)

さらに、クルーグマン教授は、一国の経済状況の良し悪しは、単に、『国内生産性(の成長)』の問題であるとし、『国内の生産性の向上』に注目されています。

『「生産性」
 生産性の高さが重要なのは、それによって他国との競争に勝てるようになるからではなく。国内の生産を増やし、消費を増やせるようになるからであることを学生は学ぶべきだ。閉鎖された経済ではまさにそうだし、開放された経済でも、これが真実であることに変わりはない。』(前掲書 p.173)

このコンテキストから、クルーグマン教授は『PMIとGDPの増加率』の関係を確認したかったのだろうと(管理人は自分勝手に)考えています。

さて、P・クルーグマン教授の『The Opinion Pages』の本文ですが、今回も管理者の拙訳ですので、よろしくお願いいたします。




PMI(購買者担当指数)指数はどれ位良いのだろうか?
February 1, 2011, 4:55 pm

良い調査結果です。
主として、わたし自身の啓発のために、わたしは自分自身がその指数が本当にどれくらい良いのか知りたいと思ったのです。それで、FRED(連邦準備制度理事会経済データ)を用いて — それで、今では毎月のデータを使って簡単に四半期の平均値を知ることができます-散布図はまだ全く作られていないのですが-わたしたちは、GDPの成長率に対するPMI(購買者担当数値)をプロットすることができます:

アメリカのPMIとGDP成長率 

少しノイズが多い相関関係ですが、PMIがわたしたちの基づくべき要素の全てであったとすれば、それは6パーセントの経済成長を示していることになります。

わたしは、それを本当には信じていません;と言うのは、もしも本当にそんな事が起こっているならば、わたしたちが産業界からもっと歓喜している声を聞いているでしょう。しかし、本当に、これは良い指数でした。
(http://krugman.blogs.nytimes.com/ 参)




この『相関図』からは弱いながらも『企業の生産意欲の強さ』と『GDPの成長率』の間に相関関係があると思われます(だから教授はノイジイと言われたのだと思います。強い相関関係があるのであれば、6%のGDP成長率はほぼ確定になるでしょうね)。

しかし、今、アメリカは『企業の生産意欲』も落ちているのでしょうね。それを(ある程度)示すことが出来たにので、クルーグマン教授は『良い調査結果です』と言われたのだと思います。

しかし、それにしても、これはピッタリ(それ以上に?)、現在の日本の状況に合致していますね。そう、日本の『長引く経済不振』の原因の一つは『企業の生産意欲がガタガタに落ちてきてしまっている』ことなのだと思います。
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