P・クルーグマン教授ブログ、「ウォルマートの10年」とそこに込められたモノ

New York Times電子版のP・クルーグマン教授(Paul Krugman)教授のブログから、『ウォルマートの10年』というタイトルでブログがエントリされていました。タイトルは『ウォルマート…』ですが、実際には欧米の『生産能力の成長』についての話を中心として、『景気循環説』や『生産能力の成長は消費の拡大とは別物』と言うようなお話を織り込んだモノで、『欧州の生産能力の伸びはケチャップ生産に支えられていた』等という、本当なのかジョークなのか解らないお話も挟んであって、軽快な口調ながら(相変わらず)辛辣な指摘に充ちたお話です。

『ウォルマート』と言えば、世界最大の大規模小売店舗で、『ウォルマートが急激に伸びたのは1960年代から70年代、この時期には多くの町がウォルマートの新規出店を熱心に誘致した。しかし1996年にウォルマートの店舗数はピークを迎えた後、減少に転じている。この理由として挙げられるのは、ウォルマートの出店が地元にあまり大きなプラスとはならないことが、それまでの各地の経験から明らかになってきたことである。』

そしてさらには、

『具体的には、上記のような地方の小都市の地元の経済を破壊した上での撤退が相次いでいる事、景観や環境の悪化、他の小売店舗の売り上げへの悪影響、新たに創出される雇用の殆どが時給4ドルから7ドルで健康保険も無い低賃金の販売員の仕事であること、にもかかわらずウォルマートから得られる税収はさほど大きくないこと、利益の多くはウォルマート本部に吸い上げられ、地元のキャッシュ・フローが減少することなど。

また米国内の既存店も売上が伸びず、苦戦している。原因は、従業員の士気の低下によってサービスの質が落ち、顧客満足度が低下していることにあるとされる。

顧客満足度に問題があることは経営陣も認識しているものの、改善には到っていない。』(以上Wiki参)

という経営状況。クルーグマン教授の示された『グラフ』の前までは『よき時代』、『グラフ』に示されている期間からは『問題を抱え始めた時代』です。

なぜ『ウォルマートの10年』というタイトルにされたのか? それは恐らく、『生産性の成長と、消費の伸びとは別物』だと言う事(これは古典派経済学派の『要諦』です。古典派経済学では、「需要は供給によって作られる=セイの法則」が信じられていますから)を実証的に示したかったからかもしれません。

まだまだ、お勉強不足で『理解不能』の部分もありますが、少しずつでも理解できればと思っております。尚、また訳は管理人の拙訳ですので、御容赦と訂正部分があればよろしくお願いいたします。


ウォルマートの10年
January 28, 2011, 7:46 pm

わたしは教科書改訂のために多少の材料をまとめていて、私自身がヨーロッパ人対米国の過去の二十年にわたる生産パフォーマンスを見ているのに気がつきました。わたしはちょっとした事実を知っていましたが、バートバンアーク(pdf)によるこの最近のペーパーは特に明らかにわたしのこのポイントを明らかにしてくれているようでした、そして、わたしは、改定の毎に、彼のモノのいくつかも同時に行っていることに気付いたのです。

ポール・クルーグマン教授 
P・クルーグマン教授

生産性傾向のある程度の感触を得るために、ヴァン・アークは、かなり珍しい統計技術(ホドリック-プレスコットフィルタ)を使っています。しかし、単純な5年の移動平均は、景気循環の影響を取り除くために、同様の操作を行います。ここに米国と「欧州」の、1970年以来の平均的な景気の四局面と定義される生産性の成長率を示してみます:

欧州の生産性は1990年代までは、主にケチャップの生産によってですが、米国より大きく成長しましたが、米国は1990年代後期に成長率を伸ばしました。データはその差がその後横ばいになっているので、これはそれ以前の影響の表れであったことを示唆しているのかもしれません。

それは何を意味するのでしょうか? ヴァン・アークのデータは1995年から2004年にかけての米国における生産性の巨大な成長の波を示しているだけで、それらの生産物の消費について示している訳ではありません。そして、わたしたちはそれがどういうことであるのか解っています:ウォルマートやその他の大規模小売店舗にとってと言うことですが。

わたしは、これらの生産性増加を中傷しているわけではありません。それでも面白のは、あなたが1995年から最近までと比較できるような米国での同じような話をさがしているとして、それはそれ程かけ離れたものではなく、つまりいかなる観点からみても、一つの目新しい物語りと言うよりは、どこにでもある経済的な話だと言うことです — 土地使用規則?— ヨーロッパは、模倣するのが遅かったです。』
(http://krugman.blogs.nytimes.com/ 参)
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catchup

catchup(巻き返し)を「ケチャップの生産」と訳しているのは冗談でしょうか。クルーグマンの記事の趣旨は、最近10年のアメリカの生産性の伸びは、ウォルマートのような巨大ショッピングセンターの生産性が上がったからだ、ということだと思います。

No title

うわぁ、凄く昔のエントリですね。検索してみましたが「原文」が見つかりませんでした。でも恐らく、ご指摘の通り「主に生産力の巻き返しによって…」が正解だと思います。ご指摘ありがとうございます。この頃は、「学校へ行こうかな…」って、迷いながら、お勉強の積りで「経済」のお勉強を兼ねて「英語のお勉強」をしてた頃ですね。えっと、どこかの「翻訳者養成(?)」サイトで「翻訳者としては…」とか「評価」されてましたけど…翻訳者になるなんて全く考えておりません(それなら英文科に行きますよね)。なにはともあれ、「ご指摘」ありがとうございました。また気が付いたところがあれば「ご指摘」&「御指導」宜しくお願いいたしますm(_ _)m

ウォルマート

http://krugman.blogs.nytimes.com/2011/01/28/the-wal-mart-decade/
が原文です。この内容は、セイの法則とも、ウォルマートの出店が地元にあまり大きなプラスとはならないこととも関係がないと思います.

Re: No title

ケチャップの生産さんへ

これは、わたしが今の学校に入って「経済学」を学ぶ前のエントリですが、

まず1点目「セイの法則とは関係無い」ですが、クルーグマン教授は、ご存知の通り「ケインジアン」ですから、もちろん「セイの法則」は信じておられないでしょう。そして、わたしもここで言ってるのは「古典派が信じているセイの法則は関係無い」よといっているのです。

そして二点目「ウォルマートの出店が地元にあまり大きなプラスとはならない」ですが、これもWikiも結論的には「関係ない」よと言ってますし、クルーグマン教授も「どこにでもある経済の話」である、つまり「米国における生産性の巨大な成長の波を示しているだけで」ある(景気循環の中の動きにしか過ぎない)と言って居ますね。

それから、この記事のタイトル「The Wal-Mart Decade」を付けられたのは、クルーグマン教授であるので、(「セイの法則」はともかくとして、「ウォルマートやその他の大規模小売店舗にとって」クルーグマン教授は「わたしたちはそれがどういうことであるのか解っています」と言っています。)それが、この記事とは全く関係が無い…と言う事は無い(或いは、「関係ないよ」と言いたいがために付けられたのかも知れませんが)とは思います。

何故、クルーグマン教授が、「ウォルマートの10年」と言うタイトルを付けられたのかは、恐らくヴァン・アーク氏の論文を読まなければ解らないだろうと思います、どうも彼の「計量経済学」の手法が、「かなり珍しい統計技術」(「ホドリック-プレスコットフィルタ」ですが、かなり珍しいとまで言えるのか…いま、そう言うところをお勉強中ですから…)を使っており、そのような事を示唆するような記述がされているのかも知れませんね。ただ、わたしもそこまで(ヴァン・アーク氏の論文)読んでおりませんので、これ以上の事は解りません。

ですから、ケチャップの生産さんが仰る通り、「この内容は、セイの法則とも、ウォルマートの出店が地元にあまり大きなプラスとはならないこととも関係がない」と書いて居る訳です(それはあくまで「景気循環」の中で起こった「事象」に過ぎない…のだと、教授は指摘したかったのでしょう)。

まぁ、今ならもう少し「経済学」に基づいたエントリになっていたのではないかと思いますが、当時は「経済のお話」レベルの知識しかなかったので、理解しずらい文章になっている事は確かですね。
プロフィール

Yasutomo-Araki

Author:Yasutomo-Araki
現代の閉塞感のある世界がもう少しだけ住みやすくなれば良いなぁ、などと考えております。今の状況の延長線を自分たちの子供たちや孫たちへバトンを渡すのは余りにも無責任だと思っています。大学は工学系卒。国立K大学の経済学研究科大学院修士。博士課程考慮中…。この国の未来への良きシナリオを描きたいと思いトボトボと歩いてるって感じです。ただ最近は、当方の怠慢のせいでtwitterまとめ、或いは「忘備録」化してます…。しかし、同志さんたち大歓迎です。

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