マンキュー教授の「博士課程教育についての感想」から考える事など

わたしが『経済学』のお勉強を始めるようになってから、注目している経済学者の一人がG・マンキュー博士。現在はハーバード大学教授。マンキュー博士は若手の経済学者ですが、『さらにジョージ・W・ブッシュ大統領の減税政策に早くから支持を表明し、グレン・ハバードの後任として、2003年、米国大統領経済諮問委員会(CEA)委員長に就任』と言う経歴も持っています。

「マンキュー教授は共和党!」

と断定するのは早計です。マンキュー教授は、『古典派とケインズ派』と言う『相反する2つの経済観をひとつに結び付た』と言う経済学全体に対する『大きな貢献』をした学者さんです。
(http://pedia.mapion.co.jp/art/N%E3%83%BBG%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC 参)

でも、確かにP・クルーグマン教授(民主党寄り)に良く『噛み付く』事でも有名ですが…。

そんなG・マンキュー教授はご自身のブログサイトを持たれて、日々『発信』されています(わたしも良く、訪ねさせて頂いております^^)。

そのマンキュー博士のブログに大学教育、特に博士課程教育について書かれているエントリがありました。かなりの長文で、翻訳に手間取りました(その割に稚拙な訳で申し訳ないです。また誤訳もあるかとは思いますが、御容赦とご指摘を頂ければありがたいです)が、「米国の経済学教育、特に、修士、博士教育」に関して、その取り組み方が垣間見られて興味深いので、ここに全文を翻訳して掲載させていただきます。日本と違って「欧米の大学教育は厳しい」とは良く言われますが、その片鱗を感じていただければ…と思います。


博士課程教育についての感想
Sunday, January 23, 2011

わたしはこのブログ読者が、わたしの観るところの経済学博士課程プログラム―そこには私が今月始めにASSAミーティングで行ったいくらかの討論者コメントが含まれます―について書いているのを読んで楽しんでくれていると思っています。まあ、こんな感じでしょうか。

G・マンキュー教授 
G・マンキュー教授

ウェンディAストック、ジョンJ.ジークフリートとT.オールドリッチフィネガンによる「経済学博士プログラムにおける完成率と程度-時間との関係」についてのコメント。

本論文は、1つのこの分野における重要な貢献と言えます。経済学者として、わたしたちはしばしば、政策担当は政策決定にあたって、知られていない仮定よりも、客観的で、経験的な実証分析的研究に基づかなければならない事を思い起すべきです。まだわたしたちが意思決定者であるのであれば、その時こそ、わたしたちは我々自身の教育プログラムを実行する時です、わたしたちは、しばしばほとんどと言って良いほど、わたしたちの判断において基礎をおくべきデータによる分析をしませんから。この種の研究は、時間とともに、より良い教育制度につながらなければなりません。

わたしは、この研究において強調される2つの事実に注意して、とりあえず、それらの事柄が何を意味しているのかと言うことについて議論したい。最初の事実は、学生が経済学の博士号を得ることは非常に長い道のりであるということです。第2の事実は、博士課程プログラムを始めた学生の内の、かなり大きなパーセンテージが博士課程を修めることが出来ずに終わってしまうということです。

これらの事実を解釈すれば、その行き着くところは教育上の失敗の証ということになります。結局、学生たちは博士号を得るために、これらの大学院のプログラムに入ります。もしも成功した学生たちが、修了するのに長期間を要したのであり、そして、その他大勢の学生たちが、まったく彼らの習熟度を上げることが出来ていないのであれば、それは、わたしたちが何かの間違いをしでかしているからだと思われます。

しかし、これらの事実が問題の症状であると言うことは、全くかけ離れたことです。おそらく、修了する者と幾らかの脱落する者にとって、長い時間というのは最適なのでしょう。

完成のための時間を考えてみてください。経済学がまだ若い科学であると言うこと、そして、そこには、わたしたちが知らない事が沢山あるということは疑いのないことです。しかし、研究がわたしたちの知識の蓄積を絶えず増しているという事も疑いのない事実です。おそらく、学生たちは博士号を取得するためにより長い時間を要するでしょう。と言うのも、彼らにはより多くの学ぶべき事柄があるからです。わたしたちが我々の最も高いレベルに達しているという証明を付けて学生たちを世の中に出す前に、5年間よりむしろ6年間を大学院で費やすことはより適切なことでしょう。

もう一つの関連した事実は、彼らが最初のアカデミックな仕事を得るとき、大部分の学生は彼らが博士号を得たところより下のランクの単科大学や総合大学になってしまうということです。なぜ、よりレベルの低い知的環境へ移ることを急ぐ必要があるのでしょうか?
それは専門家としての成長にとって、余分な歳月を費やすのが良いのか大学院に留まるのが良いのかという選択になるでしょう。

多くの学生たちが博士号を取得することなく大学院を中退するという事実を考えてみてください。これらの学生たちの多くがこの結果に失望する一方で、多くの場合、中退を選んだ方が最適であると言うことはありそうです。学生たちは、それが一体どのようなものなのか、それは彼らにお似合いであるのかどうか、完全に理解することなく大学院に入学しました。二年後に、彼らはそこが自分が思い描いていたものではなかったことを悟りました。人生における経路を選ぶとき、固有の不確実性を考慮して、少しくらいの実験はやった方が良いのです。

わたしの人生自体がその適例です。わたしが大学を出たとき、わたしは一体自分がどのような道を選択したいのか、全く何の確信もありませんでした。それで、わたしは二つの大学院プログラムに参加しました-一つはMITの経済学博士課程プログラム、もう一つはハーヴァード・ロー・スクールの法学プログラム-でしたが、或いは両方とも修了しようかとも考えていました。しかし、結局は、わたしは三学期後、ロースクールを中退しました。振り返って、ロースクールに入って見て、そして中退するという決定は、正しい選択でした。わたしは法律家への道が、わたしにとって最高の道であるかもしれないと思って始めましたが、学んでいるうちに、それが自分にとってそうではないということが解り、わたしはその道を進むのを止めたのです。

わたしたちが教育プログラムのデザイナーとして直面するのは、博士号取得までの長い期間と、プログラムを始めた一部の学生たちが、理性的に途中で止めることを選ぶかも知れないという事実を考慮して、どのように教育プログラムを構築するのかという問題です。答えは、現在の博士課程プログラムを2つの塊に分けることになるのかもしれません。最初の塊は、上級コースに進むことを目的とする2年の修士号課程です。2番目の塊-修士の学生さんの中の一部だけが該当する-は、博士号に達することが出来る研究学位のそれになるでしょう。

活動中の多くのプログラムは、すでにそうなっています。しかし、修士号は、あまりにしばしば、博士課程をドロップアウトした学生さんのための敢闘賞として見られています。おそらく、わたしたちは経済修士号が十分に立派な修了程度であるのだと認められるように、人々の見方を変えるようにしなければなりません。さらに、修士号を終えた博士号候補者たちはプロ-最も下級の教職員以下であり、最も上級の学生さん以上としてですが-として扱われるべきでしょう。

大学を離れて行く多くの学生さんたちの多くは、もう少し経済学を学びたがっています。しかし、博士号は彼らのキャリアにとって、欲しがるべきものでも無ければ、必要とするものでもありません。米国の経済学部での修士課程プログラムの拡大は、多くの学生さんに彼らが必要とする踏み石を提供するかもしれません。』
(http://gregmankiw.blogspot.com/ 参)


わたし自身、マンキュー博士ご自身の体験も書かれていて、興味深く読ませていただきました。

日本は『教育改革』『教育改革』(兎に角、日本人は『改革』と言う言葉が好きですが、本当に『改革』が始まると、とたんに『保守派』体質に変質するような気がします。どうも『本気度』が疑われますね)と、叫んでいますが、諸外国の『教育』から学ぶべき事は多いと思います。

日本の教育の『良い所は残し』、諸外国の教育の『良い所を吸収』させて貰う。しかし、教育に限らずですが、何故か日本(政府・官僚)がやると、『つぎはぎだらけの良いトコ取り』になって、

「これなら、やらなかった方が良かった」

と言う結果になってしまいますよね。それは、十分にこなして『自家薬籠中』のものになるところまでシステムとして完成させずに、或いは『(都合の)良いところだけ』真似て、『本当に肝心な所』をすっ飛ばした『改革』(改悪?!)を行うからだと思います。

このような『状況』を許しているのは、やはり突き詰めると「日本国民のお勉強不足」が原因だと思いますが、皆さんはどうお考えになられますか?
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Author:Yasutomo-Araki
現代の閉塞感のある世界がもう少しだけ住みやすくなれば良いなぁ、などと考えております。今の状況の延長線を自分たちの子供たちや孫たちへバトンを渡すのは余りにも無責任だと思っています。大学は工学系卒。国立K大学の経済学研究科大学院修士。博士課程考慮中…。この国の未来への良きシナリオを描きたいと思いトボトボと歩いてるって感じです。ただ最近は、当方の怠慢のせいでtwitterまとめ、或いは「忘備録」化してます…。しかし、同志さんたち大歓迎です。

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