中国はニクソンへ向かう?

1月20日のニューヨーク・タイムズ電子版の『オピニオン・ページ』で、P・クルーグマン教授が、現在の中国経済について書かれていました。タイトルは『China Goes to Nixon』。
どう言う意味なのか解らなかったのですが、下手糞ながら訳してみて、概ね理解することが出来ました。

クルーグマン教授は、中国経済の状況は『成長過程』だけれども、危険性も孕んでいる。その危険性は『金融混乱』にあり、混乱の原因は『根本の原因はその弱い通貨政策』にあると喝破されています。

米国は、「中国の元切り上げ」を望んでいますが、それは『強い元』は「中国の輸出産業の競争力を弱める=米国への輸出が減る」ので、それは米国の益になる…というような矮小な話では無く、世界経済を見た場合、ここまで大きくなった「中国経済」がもしも本当に経済危機に陥ると、その影響は世界経済を襲い、世界的な経済危機に発展するからであることが理解されます。

クルーグマン教授は、所謂『御用学者』ではないと確信していますから(確かに、大統領経済諮問委員会委員、IMF、世界銀行、EC委員会のエコノミストもされていましたが、内部でもかなり批判的な言動をされていたようで、組織内で『浮いて』いたかも知れません。そう言えば、日本に来日された時のTV番組で、御自分で「わたしは組織のリーダーになるタイプではない」とか、日本に来られる前に中国を訪れられ、どうやら嫌われたようで、「日本でも歓迎されないんだろうなー」等と発言されていたのが印象的でした)、その発言は純粋な『エコノミスト』としての発言と受けとめるべきでしょう。

           『 中国はニクソンへ向かう
by Paul Krugman

現在アメリカ合衆国を訪問している胡錦濤(中国の大統領)と、発達する中国の経済力についての話は、至る所にあります。そして、それらの物語は、まったく真実です:中国はまだ貧困国ですが、その成長は速くなっています、そして、その圧倒的なサイズは、経済超大国としてアメリカに追いつく途中と言ってよいでしょう。

しかし、中国が月を追うごとに悪化しつつある金融混乱に転がり込んだということも真実です。さらに、この問題への中国政府の反応-この政策は特別利益に対する敬意、知的な明快さの欠如とゲームを非難することに頼ることによって一見麻痺させられています-中国のリーダーが決定的に、そして、効果的にどのようなことでも行えることをあてにされるという概念で偽って示されます。実際、中国人は、よく、我々のように見えることを嫌がります。

どれくらい酷い所まで行くのでしょう? 中国が世界的な危機を起こすかもしれないと言う一部のアナリストからの警告は、大袈裟なようです。しかし、人々がそのようなことを言っているという事実は、状況が現在の時点でどれくらい制御できないように見えるかという兆しです。

中国の混乱の根本の原因はその弱い通貨政策です。そして、それは人工的に大きな貿易黒字を供給しています。私が過去に強調して来たように、この政策は残りの世界に悪影響を及ぼします。そして、多くの他の国で失業を増やします。そして、それにはアメリカも含まれます。

しかし、ある政策は中国にとっても良いことではなく、我々にとって良くはありません。実際、中国の通貨政策はlose-lose提案です。そして、同時に雇用をここまで落ち込ませた上に、中国自身にも過熱した、インフレーションを起こしやすい経済を引き起こすでしょう。

何が起こっているのか、1つ考えられるのは、インフレーションは人工的な通貨操作を取り消そうとする市場の力学であるということです。中国は、弱い通貨をその賃金と価格をドルによる決済条件下で低く保つために使っていました;市場の力学はそれらの賃金と価格を上げることによって反応しました。そして、その人工的に作られた競争的利点を侵食しました。私が聞いたいくつかの予想では、現在のインフレ率で、中国の過小評価が2または3年-早すぎることはないけれども多くが予想したよりも早く-でなくなることを示唆しています。

中国のリーダーは、しかし、この結果を、輸出者の利益を保護するためではなく、他のどこよりも、中国ではインフレーションが嫌われるので防ごうとしています。1つの大きい理由は、中国がすでに財政的な抑制を通して実質的にその市民を搾取しているからです(他の理由もありますが、ここでは関連していません)。銀行預金の金利はちょうど2.75パーセントに抑えられています。そして、それは公式インフレ率以下にあります-しかも、本当のインフレ率は政府が認めるその率よりも、かなり高いと広く信じられています。

たとえ賃上げによってマッチされるとしても、速く上る価格はこの搾取を非常により悪くするでしょう。中国の市民がインフレーションに怒っていること、そして中国のリーダーがそれを止めたいことは驚きでありません。

しかし、いかなる理由であっても-輸出利益の為であろうと、米国の要求に屈服するように見える如何なることに対しても拒絶以外全く考えることはできないことだけは明らかです-彼らは、根本の原因に対処して、彼らの通貨を上げる気がありません。その代わりに、彼らは金利を上げ、信用を制限することによってインフレーションをコントロールしようとしています。

これは、グローバルな視点から破壊的です:まだ多くの世界経済が落ち込む中で、我々が最も不必要なのは、金融引締政策を進めている一流のプレーヤーです。中国の展望から突っ込んで言えば、しかし、それが働いていないということです。信用制限は実施するのが難しい上に、海外からのホットマネーの流入によって、さらに弱体化されてしまいます。

将来的に値下がりしようとしている経済を冷やす努力で、中国は価格統制-めったにうまくいかない方針-でインフレーションを制限しようとしてきました。特に、それはここ米国で、ニクソン政権の間に、最後に試された時、ぶざまに失敗した政策です。(そして、その通り、これはたった今、中国がニクソンへ向かおうとしていることを意味します。)

それで、何が残されますか? さて、中国は非難遊びの方に目をやりました。そして、連邦準備制度理事会(誤って)をあまりにたくさんのお金を印刷することによって問題を生じさせたとして訴えました。しかし、連邦準備制度理事会を非難している間、中国のリーダーたちは気分が良いかも知れません、がそれは米国の通貨政策を変えませんし、中国のインフレーション怪物を手なずけるようなこともしません。

これの全ては、本当に成熟した危機に変わることができましたか? もしも私が自国の経済史を知らなかったなら、この考えが信じられなかったかも知れません。結局、中国の金融混乱の解決は、単純で明らかです:ちょっと通貨を上げてください、早々に。

しかし、私は自国の経済史を知っています。そして、それは私が政府がどれくらい、時に長年の間、明らかに正常なことをすることを拒否するかについてわかっていることを意味します-そして、特に通貨価値に関する時は。何時も、彼らは人工的に通貨を弱いというよりはむしろ強くしておこうとします;しかし、それはどちらの方法ででも大きい混乱でありえます。

それで、世界全体への副次的損害を伴って、我々の最新経済超大国は、本当に何らかの経済危機へ行く途中にあるかもしれません。我々は、世界経済への波及危機を必要とするでしょうか?』
(http://www.nytimes.com/2011/01/21/opinion/21krugman.html?_r=1&partner=rssnyt&emc=rss 参)

非常に拙い訳で、(自分でも)良く解らない部分がありましたし、かなり「意訳」させて頂きましたので、元の『意味』(教授の書かれていること)と違っている所があると思いますが、概ねの意味が解れば…という事で御容赦してください。また、誤訳があれば、訂正して頂ければありがたいです。

クルーグマン教授は、正しく『中国の過熱経済』、バブル状態の経済を認識されているようです。ニクソンの失敗した『経済政策』が正しくは、どの『経済政策』なのか、良く理解していませんが、恐らくは『ニクソン・ショック』(所謂「金兌換の廃止」によって、プレトンウッズ体制の終了と変動為替相場制への移行)の事だろうと思っています。

『ニクソン・ショックは、その後の1970年代の政策迷走、現代にも残る莫大な貿易赤字という不均衡を生み出すスタート地点となる』(wiki参)からです。
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