とうとうココまで来てしまったのですね

日本の長引く不況、「リストラ」「失われた10年、20年、そして30年目」「勝ち組、負け組」「格差社会」等々。今回の『大不況』は、この国が過去に経験した『大不況』とは様相を異にしていると言っていいのではないでしょうか。過去の『大不況』は『戦争』による不況と『バブル崩壊』に伴う不況。今回の不況は、本当は日本の土地『バブル』が膨らむ以前からその芽はあったのだと思います。
確かにそれは一面では「歴史的必然」なのかも知れません。単純化して言えば『経済は高いところから低いところへと移動して行く』のでしょう。つまり、経済繁栄した国は人件費が上昇し、物価が上がる。それで、人々は豊かな暮らしができる訳ですが、経済繁栄を支える企業は、「より多くの利益」を求めて、その基盤を賃金の安い外国へと生産拠点を移す。すると、繁栄を謳歌していた豊かな国は、企業が外国へと移る事で「産業の空洞化」を起し、何もしなければ、やがて衰退への道を辿る。残るのは『移動』出来ない産業……つまりは第一次産業。これも、既に人件費が高いため「国際競争力」は無い。

ここで、日本の第一次産業従事者たちが出してきた論理が『食料安保』。それで、国家は国内産業が空洞化して、税収が減っていくにも関わらず、政治的(権益的?)判断で、衰退産業に補助金をばら撒く。すると、当然「資金」が不足するので、「借金」を重ねることになる。確かに『食料安保』と言う考えはあって良いと思います。しかし、食料自給率はカロリーベースで40%(と農水省は公表しています
〈農水省HPhttp://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/anpo/100810.html参〉
が、カロリーベースで食料自給率を計算する国は日本以外では無く、そこには「数字のトリックを使ってますよ」と書いているのと同じことです)の日本が使える論理では無い事はあきらかですね。『食料安保』を言うのであれば、本来の『安全保障』はもちろん、『エネルギー安保』『資源安保』等々、全ての面での『安全保障』を担保しなくてはなりませんし、実際、担保しなければその国はその存亡さえ危ういでしょう。『安保』は「独立国家」としての当然の存続条件です。だからと言って、特定の(得票の)産業にだけ『安保』問題を持ち出すのはいかがなものかと思います。それなら「生存権を守れ」とか言った方が解り易くて良いような気がします。ただ、それを言い出すと第二次や第三次産業で起こっている「リストラ」によって「生存権」を奪われた人たちも救わなくてはなりませんね。「年々増え続ける自殺者問題をどうするのか!」って言いたいですね。もちろん最悪「全てを失って、生活保護を受ける」と言う『手』はある訳ですが、これもここまで「財政悪化」し「福祉費用」が膨れ上がり、まだ更に今後も「少子高齢化」で膨れ上がる事が予測されるこの国で、いつまで『現行制度』が維持出来るかは「もう時間の問題」でしょう。国が財政破綻しているのに、国民の面倒なんて見ることが出来ない事は事実を正面から見ればすぐに解ることです。実際、もうそういう『動き』は出てきていますよね。働ける間は真面目に一所懸命働いて、高齢になったらそれまで(強制的に)徴収されてきた年金で“普通の生活”が出来る……なんて『夢』はもう崩壊していますね。現状でも『高齢者の負担』を増やして(例えば、「医療」の自己負担は現状70歳未満は自己負担率30%、70歳から74歳未満は事故負担率10%(※現役並みの所得の人は30%)、75歳以上(又は65歳以上で寝た切り等の状態の方)は『後期高齢者医療制度』に基づく負担を(ITS HP http://www.its-kenpo.or.jp/html_main/h_b.html 等参)と言う制度に変わっています。現役世代の自己負担率は、確かバブル崩壊前は10%負担だったように記憶しています(しかも、月数千円―確か三千円位を超えると、その一部が申請すれば『還付』されていましたよね)。いまは随分と様変わりして、『後期高齢者』にまで負担を強いている(そもそも、増えない(むしろ減る可能性の濃厚な)『年金』から負担をさせると言うのは、「実質の年金額の減」ですよね。つまり、この国の『社会保障制度』自体が崩壊しつつある。その一方で、『勝ち組』と称される“リッチ層”は、その負担を『相対的に軽くしつつある』ように思います。本来『税』の一つの目的は『再分配』。だから「累進的」であるのが自然な形でしょう。これらの問題は、詳細に調査してみた方が良いと思います。わたしは現状はそこまでの「数字の調査&分析」が出来ていませんから、今回はこれ以上深く追求しません(と言うか出来ません)。

ところで、話を元に戻しますが、一方、貧しかった国は、賃金が安いので、生産物も安価で供給。つまりは「国際競争力」を得ることができる。確かに最初は、国内の「技術力」が無いので、“外資”の下請けor「合同企業」から出発する事になります。しかし、工場で働く内に彼らは“スキルアップ”し、海外企業の技術を習得し、また国家が『技術移転』や『技術習得教育』に力を入れ始め、少し経済力がついてくれば国費留学などもさせる。やがて、貧しかった国は『技術力』を高め、独自技術さえも獲得し始める。そして「国際競争力」のある商品を世界に売り、国は豊かになってゆく。しかし、ここでもまた同様の事が起き始める。企業はより易い労力を求め「外国」を目指す。

 ところで、わたしは先程『何もしなければ、やがて衰退への道を辿る』と言いました。「何もしなければ」です。つまりはそう言う『時系列的には不可避な流れ』も、知恵を絞れば、「違う生き残り方」が可能であると言うことです。つまりは『国家戦略』です。『戦略』と言っても何も「戦争」をしようと言う訳では決してありません。与えられた条件の中で「如何に国家の生き残りを図るか」と言うことです。英国は『覇権』を捨てましたが、『情報』『諜報』『金融』で生き残りを図りました。それは現在も“進行形”です。アメリカは『金融』『資源』『合理的農業』『先端ビジネスモデルの構築』等々と言う「小さな実体経済」と「巨大なフィクション」、更には『覇権国家』として“国際決済通貨”を最大限に利用し、輪転機を回し続けています。そして、彼らにはそういう「巨大なフィクション」を構築する強力なスキルがある。
 さて、振り返って我が国『日本』ですが、誰の眼から見ても「迷走状態」は否めないと思います。「国際的な潮流」を読む事も「国際的な駆け引き(外交です)」がそれ程出来る訳でもない。『国際金融』のような「巨大なフィクション」を描ける訳でもない。唯一、未だに(実質)「世界最高」があるとすれば、『物造りの技術』でしょう。しかし、折角「最高品質の品物」を作っても、なかなか買ってくれる人(国)が無い。世界のマーケットは本当は『金余り状態』で有望な“投資先”(投資物件)を常に求めている。だから、現在あちこちで『バブル』を発生させては潰している。一時、『原油バブル』で、日本でもガソリンがビックリするくらい「高騰」しましたよね。
 日本は『国家戦略』(「生き残り戦略」です)無き国家と言えるのではないでしょうか?今や、GDPは世界20位。バブルの絶頂期は瞬間、米国を抜いて世界一位になったのではなかったでしょうか? 『国家戦略』無きこの国の現状は、「とうとうココまで来てしまったのですね」と思わざるを得ないです。朝日新聞電子版の記事によれば、

「千円で治して」…お金足りず治療中断も 医療機関調査
患者の経済的な理由から治療を中断したことがあるという病院や診療所が4割にのぼることが、全国保険医団体連合会(保団連)の全国調査でわかり、11日発表した。患者が検査や薬を断ることもあり、保団連では「国民生活の困窮が第一線の医療にあらわれている」とみている。
 今年5~10月、歯科を含む会員の病院・診療所に調査票を送り、9677カ所から回答を得た。「この半年間に主に患者の経済的理由で治療を中断または中止した事例がある」という医療機関は38.7%。「医療費負担を理由に検査や治療、投薬を断られたことがある」は43.1%。患者の負担分について「未収金がある」は48.2%だった。
 治療中止は糖尿病、高血圧、気管支ぜんそく、うつ病など継続した治療が必要な病気で起きていた。「原因不明の体重減少で病院を紹介したが受診せず死亡」とか「脳梗塞(こうそく)の後遺症で寝たきりだったが金銭的に大変なので往診を月1回だけにと言われ、今夏に熱中症で死亡」などの事態も起きていた。
 「いくらかかりますかと診察中にたびたび聞かれる。5年前は全くなかった」「千円以内でお願いしますと言われた」という回答もあった。
 保団連の住江憲勇会長は「必要なときに十分な医療が受けられることが求められる。患者の窓口負担の大幅軽減が必要だ」と語る。(編集委員・浅井文和)2010年11月11日』
(http://www.asahi.com/health/news/TKY201011110529.html 参)

もう、「病気にもなれない」「重病になったら後は死ぬだけ」と言う状態が進行しているようです。しかも記事を読む限りではかなりの所まで来ていますね。20年ほど前なら、
「どこの国の事? 悲惨だよね~」
「何時の時代の話?」
と言うところでしょうけど、「国民生活のクオリティ」はここまで低下しているのが『現実』です。いつまでも「海外援助」で国際舞台で「良い格好」してる場合ではないですよ。国家がデフォルト(先進国では無いレベルまで落ち込んだら)したら、「良い格好」したくても出来ないですよ。
本当に『政府』にお願したいです。
「真剣に、どうにかして下さいよ!!」
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現代の閉塞感のある世界がもう少しだけ住みやすくなれば良いなぁ、などと考えております。今の状況の延長線を自分たちの子供たちや孫たちへバトンを渡すのは余りにも無責任だと思っています。大学は工学系卒。国立K大学の経済学研究科大学院修士。博士課程考慮中…。この国の未来への良きシナリオを描きたいと思いトボトボと歩いてるって感じです。ただ最近は、当方の怠慢のせいでtwitterまとめ、或いは「忘備録」化してます…。しかし、同志さんたち大歓迎です。

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