続々・国家についての小論考

さて、前回までは、『安全保障』を巡って『国家』について軽く触れてみました。

ところで、『国家』は当然ですが、その“権力者”や“権力構造”によって成り立っていますよね。そして『民主主義国家』においては、その“主権者”は“国民”であり、国の最高決議機関である『国会』の構成員=国会議員(代議士)は、あくまで“国民”から委任された“主権”を、“代理人”として行使しているはずですよね。勿論、彼らには“選挙”と言う“禊(みそぎ)”があるので、余りにも不適格な人は『落選』し、“議員”と言う『代理権』を失い、「普通の人(或いはそれ以下?)」と言われるような“状態”に置かれるはずで、だから、“代議士”さんたちは“国民”とその生活を守ろうと頑張るはずです。

しかし、“現実”はどうなのでしょうね?

確かに、『国家』や『国益』、そして“国民”のために真剣に(それこそ本当に『命がけ』で)頑張ってくれている代議士さんも居ますが、どうも、わたしの目には“主権者”と言う『虚構の権力者』の事などほったらかしで、“権力構造”を構成する『実質的な権力者』の都合に合わせて頑張っている代議士さんたちが多いように思えてなりません。

わたしたちは『独裁政治』の“北朝鮮”などの国の事を、「国民が気の毒」だとか、「将軍様を批判するようなことを言っただけで“射殺”される国なんて恐ろしい」とか「平壌に住む一部エリートだけが贅沢な暮らしをし、国民は貧しく餓えに苦しんでいる」とんでもない国だと感じていますよね。

そして、「何のために『軍事力』を誇示したり、『核開発』に勤しんだりするのか?」
「そんな事をするお金があるなら、国民生活をもう少しどうにかしてあげればいいのに」
とか考えますよね。

どうにも“考えられない国”だと思いますよね。

でも、“金王朝”にとっては、確かに“意味”がある事なのです。
一つは文字通り『外敵から自分たちの“権力”を守るため』
そして、ひょっとしたらこちらの方が重要なのだと思うのですが、
『内なる“敵”から自分達の“権力”を守るため』

これは、全く“他人事”ではありません。
わたしたちは“北朝鮮”などの『独裁国家』を見て、違和感を覚えたり“笑ったり”していますが、実はこれは『民主主義国家』でも歴然と行われている行為です。当然、われわれの国、日本においてでもです。
むしろ、実に“巧妙に”行われている分、
「余計に性質が悪い」
かも知れません。

“内なる敵?”
って思いますけど、具体的に言えば『国家転覆を図ろうとする輩』がまず第一のターゲットでしょうね。さらには『国家の治安を擾乱しようとする者』もそうですよね。まあ、ここまでは“一般市民”としても“歓迎”ですよね(但し、“国家”をどう解釈するかでは意味が変わってきたりしますけど、ここでは“深読み”は辞めておきましょう)。

ところで、日本では『オーム真理教事件』をきっかけにして、破防法、正式には『破壊活動防止法』の適用が検討されましたが、これは見送られ、(オーム事件のために作られた)事後法の『無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律』が適用されています。

さらに、暴対法、『暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律』が制定される時も、色々と意見が出ましたよね。
「この法律だと、本当の暴力団以外の正当な“結社”も、該当とされる恐れがあり、憲法で定める“結社の自由”を脅かすのではないか」
とかですね。

あの、名物弁護士(?)だった、『遠藤誠は、本法の違憲を主張する行政訴訟の弁護に際して、山口組からの12億円余の資金提供の申出を受けたが断り、無償で弁護した』(Wiki 参)そうですね。

確かに、この『暴対法』以後、『本法によって、暴力団員の数は減少し、暴力団事務所の撤去も進んだ。また、対立抗争事件数も減少し、その継続期間も短縮傾向にある。さらに、暴力団員による資金獲得活動も困難になった。しかし、本法の施行の結果、暴力団の活動が法律に触れぬように巧妙になり、一般企業社会への進出(企業舎弟の増加)や組織擬装が増加するなど、組織の不透明化・マフィア化が進んだ。また、組織犯罪の国際化や、暴力団の寡占化や政治的殺害も進む』(Wiki 参)

と言うのが現状で、はっきり言えば『暴力団はよりアンダー・グランド化して、一般人との区別が付きにくい(と言うか「同化」してしまったような)社会状況になっていますよね。まあ、『暴力団』もよりクレバーになったと言うか、そうしなければ『生きていけなくなった』ということですよね。で、本当に“実質の暴力団関係者数”が減ったのかと言えば、どうもそうは思えないですね。

それと、『暴力団』の肩を持つ訳ではないですけど、歴史的に見れば、この『日本』という国家は随分と『ヤクザ』や『右翼』に助けられてきた面もありますよね(岸内閣の時の、60年安保騒動の時には、『新条約の承認をめぐる国会審議は、安保廃棄を掲げる社会党の抵抗により紛糾。5月19日には日本社会党議員を国会会議場に入れないようにして新条約案を強行採決するが、国会外での安保闘争も次第に激化の一途をたどった。警察と右翼の支援団体だけではデモ隊を抑えられないと判断し、児玉誉士夫を頼り、自民党内の「アイク歓迎実行委員会」委員長の橋本登美三郎を使者に立て、暗黒街の親分衆(=暴力団組長)の会合に派遣。錦政会会長稲川角二、住吉会会長磧上義光やテキヤ大連合のリーダーで関東尾津組組長・尾津喜之助ら全員が手を貸すことに合意。さらに3つの右翼連合組織にも行動部隊になるよう要請。ひとつは岸自身が1958年に組織した木村篤太郎率いる新日本協議会、右翼の連合体である全日本愛国者団体会議、戦時中の超国家主義者もいる日本郷友会である。「博徒、暴力団、恐喝屋、テキヤ、暗黒街のリーダー達を説得し、アイゼンハワーの安全を守るため『効果的な反対勢力』を組織した。最終計画によると1万8千人の博徒、1万人のテキヤ、1万人の旧軍人と右翼宗教団体会員の動員が必要であった。彼らは政府提供のヘリコプター、セスナ機、トラック、車両、食料、司令部や救急隊の支援を受け、さらに約8億円(約230万ドル)の『活動資金』が支給されていた』【ファーイースタン・エコノミック・レビュー】」(Wiki 参)。とかですね。板垣退助の『自由民権運動』のときにも“ヤクザ”さんが随分活躍した。いまお騒がせ中のハマコーこと浜田幸一氏は自ら“ヤクザ”だった事をカミング・アウトされていますよね。歴史的にみれば、国会議員でヤクザの人たちっていっぱい居たようですし(小泉元首相の祖父の小泉又次郎氏も“顔役”と呼ばれる親分で、『一肌脱げば倶利伽羅紋々の凄い人』(Wiki 参)だったそうです。

それに、今のマフィア化した暴力団はいささか考え物ですけど、ある意味『ヤクザ』社会は、社会的な不適合者の“セーフティ・ネット”の役割も果たしてきた。さらには、日本の『ヤクザ』社会が壊滅すると、外国のマフィアが跋扈しますよね。ある意味、日本の伝統的な『ヤクザ』は“白い粉=覚せい剤”はダメとか、彼らなりの一定の“規律”がありましたよね。勿論、そういう“良き伝統的ヤクザ”は絶滅種でしょうけどね。

ちょっと、話が“アウト・ロー”の方に行ってしまったのですけど、話しを元に戻すと、わたしたちが『変な国』『怖い国』と思っている北朝鮮だけではなく、民主主義の国も“内なる敵”を監視するシステムを着々と構築しているという事が言いたかったのですけどね。

本当は、こちらの方が恐ろしいと思いますよ。

例えば、今、放送の世界(総務省管轄)で、『地上波デジタル』化が決定し、もう2011年7月24日をもってアナログ放送は停止になります。この『地上波デジタル』化は世界中で進行中です。この『デジタル放送化』ですけど、なんか、匂うな~って思っていたんですよね。まあ、最初は単純に、
「世界不況の中で、家電メーカーのデジタルTV販売による、業績回復」
かなぁ、なんて思っていたのですけど、どうやらそんな『単純』な動機付けによるものではないようですね。

この“デジタル放送”化ですけど、
イギリスは放送開始が1998年9月、アナログ停波は1012年(予定)、方式はDVB/T。
アメリカは放送開始が1998年11月、アナログ停波は2009年6月12日。方式はATSC.
スゥエーデンは放送開始が1999年、アナログ停波は2005年~2009年7月。方式はDVB/T。
スペインは放送開始が2000年、アナログ停波は2010年(予定)、方式はDVB/T。
オーストラリアが放送開始が2001年、アナログ停波はしないか不明。方式はDVB/T。
フィンランドは放送開始が2001年、アナログ停波は2009年7月。方式はDVB/T。
韓国は放送開始が2001年、アナログ停波は2012年(予定)。方式はATSC。
日本は放送開始が2003年、アナログ停波は2011年7月24日。方式はISDB-T。
台湾は放送開始が2004年、アナログ停波は2010年(予定)。方式はDVB/T。
オーストリアは放送開始が2006年10月、アナログ停波はしないか不明。方式はDVB/T。
ブラジルは放送開始が2007年12月、アナログ停波はしないか不明。方式はSBTVD-T。
中国は放送開始が2008年、アナログ停波は2015年(予定)。方式はCDMB-T。
オランダは放送開始が2008年、アナログ停波は2009年7月。方式はDVB/T。
ドイツは放送開始が2008年、アナログ停波は2010年(予定)。方式はDVB/T。
フランスは放送開始が2008年、アナログ停波は2010年(予定)。方式はDVB/T。
イタリアは放送開始が2008年、アナログ停波は2012年(予定)、なおイタリアは当初アナログ停波は2006年の予定だった。方式はDVB/T。
ペルーは放送開始が2010年3月、アナログ停波はしないか不明。方式はSBTVD-T。
アルゼンチンは放送開始が2010年4月、アナログ停波はしないか不明。方式はSBTVD-T。

さらに、ここでは放送方式として、ATSC、DVB/T、ISDB-T、SBTVD-T等を列挙しましたが、実は基本はMPEG-2かMPEG-4です。

なんか、意味が無いような事を列挙したようですが、実はここに非常に重要な意味があります。

まず、皆さんは、『デジタル放送』が始まると、“時報”が無くなるのをご存知でしたか?

実は、わたしは知りませんでした。当然『実況生中継』も実質的には無くなります。

最近苫米地英人博士の『フリー経済学入門』(フォレスト出版 刊)と言う書籍をよんだのですが、そこで、苫米地博士が色々と“この問題”について指摘されています。

デジタル放送では、3秒程度の“タイム・ラグ”が生じるそうです。このMPEGと言うアメリカの民間会社が持っている『国際基準』のライセンスを使うと、どういう訳か3秒程度のタイム・ラグが生じる。しかも、MPEGのライセンスは『2011年までは無償』ということですが、それ以降は有料になるかも知れません。

さらに問題なのは、MPEGを使って開発したライセンスは全てMPEGLA(MPEGライセンス・エージェンシー)と言うアメリカの民間団体のモノになるそうです。日本ではドコモやNEC、富士通、ソニー、日立などが自社の資金で開発していますが、これらは全てMPEGLAのモノになると言う訳です。

まさに『タダ程高いモノは無い』ですね。

さらに怖いのは、この遅延時間がアメリカでは最大7秒にまでなっている事で、この遅延時間が延びた切っ掛けは、あの『ジャネット・ジャクソンのオッパイポロリ事件』以降だそうです。で、苫米地博士が気にしているのは、何も『オッパイポロリ事件』の事などでは無い事はもちろんの事で、この7秒と言う遅延時間の間に、『国民に見せたくない情報はカット出来る』と言う事です。もちろん、第一義的には『テロリストの電波ジャック』による“情報テロ防止”が目的なのかも知れませんが、使い方によれば、『情報操作』に使えるという訳です。

まあ、アメリカはもうすでに“エシュロン”と言う世界最大の“盗聴システム”を持って居る訳ですけど、本当に、ジョージ・オーウェルの『一九八四年』のような世界が構築されつつあるのかと思わずには居られません。

民主主義と言いながら、“真の権力者”は民衆を監視し、情報操作し、自分の思うような方向に世界が動くようなシステムの構築を望み、そして実際に着々と実行しているのかも知れませんよ。まるでSFみたいなはなしですけどね。
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Yasutomo-Araki

Author:Yasutomo-Araki
現代の閉塞感のある世界がもう少しだけ住みやすくなれば良いなぁ、などと考えております。今の状況の延長線を自分たちの子供たちや孫たちへバトンを渡すのは余りにも無責任だと思っています。大学は工学系卒。国立K大学の経済学研究科大学院修士。博士課程考慮中…。この国の未来への良きシナリオを描きたいと思いトボトボと歩いてるって感じです。ただ最近は、当方の怠慢のせいでtwitterまとめ、或いは「忘備録」化してます…。しかし、同志さんたち大歓迎です。

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