昭和○田賞 落選記念 「応募論文」掲載…

大分前に、昭和○田賞に「応募」してたけど、1月遅れで「通知」が来た。

見事「落選」してた(^^ゞ

「まぁ、学生だからね一応、応募できたけど、本来の目的は“若い英俊の育成”だからね~」

等と、自分を慰めていたりする。

まぁ、この際だから、ココで「発表」しとくかぁ…折角「労力」かけて書いたんだからね。

と言うことで、かなり長文ですけど、気が向いたら読んで見てください。

お題は「日本の針路、この考えはどうだ!」(課題2題の内から選択で、その中の一つ)





日本の針路、この考えはどうだ!

我が国は、バブル崩壊後『不良債権』問題で揺れ、『金融危機』が起こり、その後、『失われた10年』更には『失われた20年』と続き、更にこのトレンドは今も尚、尾を引いている。その間に『オーム真理教』の『地下鉄サリン事件』があり、『阪神淡路大震災』を経験した。更には『酒鬼薔薇事件』に見られるような「異常な殺人事件」、いわゆる「病理的な殺人事件」が増加した。また政・官の腐敗は進行し、それは民も例外では無い。政治は混迷し、無策に財政債務を増やし続け、政権は55年体制の『自民党』独裁体制からついに『民主党』へと移った。しかし野党時代には「明るい未来を公約した」民主党政権も、更に混迷を深め、国民の期待を裏切っている。そこに、『東北地方北陸沖地震』が未曽有の被害をもたらし、『福島原発事故』によって、日本は「深い闇に沈んだ」かに見える。更に、『警察・検察の不祥事』が相次ぎ、検察の権威も地に落ちた。『殺人』『冤罪』『汚職』等のネガティブな「単語」を見ない、聞かない日は無いと言っても良い。そして『不況』『リストラ』『少子高齢化』『財政破綻』『若年層の雇用問題』『年金問題』等々、多くの「問題」は「国・地方の債務」と同様に、「先送り」状態で、全く問題解決に至っていない。バブル崩壊以前、年間2万人程度であった「自殺者」の数はここ10年以上も3万人越えである。なんと、人口30万人の都市が消えたという事になる。
 これは、我が国の『現状』のほんの一部だ。もちろん、我が国の長い歴史を振り返れば、現在以上に『悲惨』な時代はあっただろう。しかしそれは、その時代の世界中で見られた悲惨であり『戦争』『疫病』『貧困』が世界を覆い尽くしていた時代の事だ。確かに、未だに「そういう時代を生きている世界」もある。世界は「同じ時代(時間)経過で進んでいる訳ではない」のだ。だが、世界第3位の経済大国が「このような有様」なのだ。『戦争』に関しては、「戦争を知らない子供たち」どころか「昔、日本が戦争をした事さえ知らない若者が増えて来ている」のだ。
 確かに『戦争』は悲惨であるし、多くの尊い命が奪われていった。『大日本帝国軍』は『腐敗』していたかも知れない。或いは『驕り』が彼らを狂わせ、暴走させたのかも知れない。しかし、『明治維新』『日清戦争』『日露戦争』までの日本人は、『日本軍』は必死で、全員が「命懸け」だった。それは『亡国』と背中合わせである事を国民が認識していたからだと思う。しかし、確かに「戦争に勝ち続け、のめり込むに従って、軍は徐々に腐敗していった」に違いない。そして「国民もそれに酔った」のだ。『軍』と言えども「国民の支持が無ければ動けない」だろう。そしてあの時代は「軍事力」に酔いしれ、狂ったのだ。しかし、それにしても『命掛け』であった事には違いがない。士官でさえ戦闘となれば、何時「命」を落とすか解らないのだ。例え、それが「第一線」から遥かに離れた場所であったとしても。
 わたしは「この時代から終戦を迎え、GHQが日本を実効支配する」時の流れを思うとき、どういう訳か「イエス・キリスト」の最後の晩餐から磔刑されるまでの事を思い出してしまう。イエスは12使徒に「あなたは夜明けまでに3度わたしを否むだろう」と言った。そして、それはその通りになった。GHQは「戦争は軍人(戦犯者)が悪いのだ」と言った。そして、本当は『軍人』以上に「戦争を望んだ」国民は、「その通りだ」と『軍』を否んだ。「イエス・キリスト」と「大日本帝国軍」を比較知ること自体が、冒涜になるのかも知れないが、この「連想」が浮かんで来てしまうのは、どうしようもない。

 しかし、第二次世界大戦の敗戦後、日本人は「頑張った」と言って良いだろう。確かに、「世界情勢」にも恵まれていた。それは隣国の不幸ではあっただろうが、「戦後復興」の一つの「スプリング・ボード」になった事は否めないだろう。また米国も日本の復興に対して好意的(もちろん、かれらの「世界戦略上」必要だった事もあるだろうが)で、「ガリオア・エロア資金」と言う「占拠地救済基金」から巨額の援助、しかもその多くは無償援助があった。「ガリオア・エロア資金」とは、外務省のHPには次のようにアップされている。

『第二次世界大戦直後の日本は、まさに灰燼の中にあった。その混乱と疲弊から立ち直り、経済大国への道を歩む上で、アメリカからの資金援助である「ガリオア・エロア資金」(注)の果たした役割は計り知れないものがあった。
 1946年から51年にかけて、約6年間にわたり日本が受けたガリオア・エロア援助の総額は、約18億ドルであり、そのうちの13億ドルは無償援助(贈与)であった。現在の価値に換算すれば、約12兆円(無償は9.5兆円)となる膨大な 援助であった。この援助がなければ日本の復興は考えられなかったのである。
 日本が現在、1年間に1兆5000億円のODAで世界の約160カ国を支援していることと比較すると、アメリカが日本1国に対し援助した今の価値で12兆円(1年では2兆円)がいかに多額な援助であったかが理解できよう。
 日本はこのような援助を受けながら成長を遂げて、援助される立場を卒業し、そして援助する側になり、アメリカを凌ぐ世界一の援助国になったことは、世界的にみても極めてユニークなケースなのである。
 そして早くも1954年には、コロンボ・プランに加盟し、援助する側の一員として南アジアや東南アジアの国々への支援を開始することになったのである。
(注)ガリオア資金:第二次世界大戦後の米政府による占領地救済政府基金(GARIOA:Government Appropriation for Relief in Occupied Area Fund)
エロア資金:占領地経済復興基金(EROA:Economic Rehabilitation in Occupied Areas)
なお、ガリオア資金は米国軍事予算の一部を使って、旧敵国を支援するために設立されたものである。』(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/hanashi/story/1_2.html 参)

 確かに、戦後は「治安も悪く」、犯罪率も高かった。刑法犯の認知件数、犯罪率(人口10万人当たりの認知件数をいう。)の推移を見ると、「今の日本社会がどのような状況になりつつあるのか」が良く解る。『平成11年 警察白書 第3章第1節』によれば、刑法犯の「50年の歩み」と言う事で、解説されている。
(http://www.npa.go.jp/hakusyo/h11/h110301.html 参)

下図の説明としては、『概況』と言う事で、
『刑法犯の認知件数、犯罪率(人口10万人当たりの認知件数をいう。)の推移は、図3-1のとおりである。認知件数は、戦後の混乱を反映して、昭和23年、24年にほぼ160万件に達した後、減少に転じ、48年には120万件を割って底を打ったが、以降は、多少の起伏はあるものの、増加を続け、平成10年には戦後初めて200万件に達した。』
と解説されている。

図1 刑法犯認知件数と犯罪率の推移(昭和22~平成10年)
        図1 刑法犯認知件数と犯罪率の推移(昭和22~平成10年)

日本は、戦中戦後の「治安の悪い」時代を経て、その後「犯罪率」は激減したが、昭和55年辺りから徐々に増加傾向にあり、近年の「刑法犯」の犯罪率は戦後の混乱期に近い状況になっている。これは「個人的な実感」としても感じるところである。そこには「様々な要因」があるのではあろうけれども、「戦後の衣食住もままならない」時代とは違い、ある意味「豊かであるが故の頽廃現象」、或いは「行き過ぎた個人主義」「権威の堕落と腐敗」、更に近年では、むしろ「戦後型」の「格差による生活困窮者の増加」等が問題であるのかもしれないと予測される(また一方で、福祉制度の「制度悪用者」が増加しているとも聞かれる)。つまりは人々の『道徳観』が欠如してきているのである。

 ところで、同時期の日本の「GDP成長率と一人当たりGDP成長率」を見てみたい。

図2 日本のGDP成長率&一人当たりGDP成長率(昭和23年~平成10年)
     図2 日本のGDP成長率&一人当たりGDP成長率(昭和23年~平成10年)

本来は内閣府の「国民経済計算」のデータを使うべきであるが、このような「長期のデータ」が無いので、Angus MaddisonのHP(http://www.ggdc.net/maddison/)のデータを使った。
1945年9月2日:日本政府が、ポツダム宣言の履行等を定めた降伏文書(休戦協定)に調印し。1952年(昭和27年)4月28日:日本国との平和条約(サンフランシスコ平和条約)の発効により、国際法上、連合国各国(ソ連等共産主義諸国を除く)と日本の戦争状態が終結したので、概ね昭和20年から昭和27年が「終戦処理にかかった期間」である。終戦直後1947年(昭和22年)の実質GDPは約1,200億ドルで、1998年(昭和10年)の実質GDPは2兆5,600億ドルであるから、50年ほどの間に、日本の実質GDPは21倍以上も増加している。ただ、図2で見れば解るように、「その道は平坦では無かった」事が解る。
 しかしそれにしても、「GDP成長率」や「一人当たりGDP成長率」は戦後から概ね低下していることが見て取れる。特に1990年の「バブル崩壊」以降は「悲惨な状況」と言わざるを得ない。「刑法犯罪率」が低かった1973年(昭和48年)から1980年(昭和55年)は1974年(昭和49年)の落ち込みはあったものの、概ね4%程度の経済成長を維持している。ちなみに、1974年の落ち込みは、中東の「オイル・ショック」によるものであった。あの時、「トイレット・ペーパー」が異常な品薄となり、人々は「買いだめ」に走ったが、それが益々の品薄を呼び、トイレット・ペーパーは高騰した。しかし「一夜明けてみれば」、今度は「トイレット・ペーパー」は供給過剰になり、中には「物置一杯」買いだめした人も居たようだが、それは丸で「トイレット・ペーパーの残骸小屋」(汚れて、溶けたりし他状態で放置されている小屋を筆者は見た事がある)と化していた。
 しかし、「意外」なのは、あの「バブル景気」である。「地価&株価バブル」によって、土地さえ持っていれば銀行が「幾らでも貸し手」となり、「地上げ屋」が暗躍し、膨らみ続けた土地資産によって、人々は「国民総資産家」状態になった…と思える、あの時代でさえ、GDPの実質成長率は、戦後から1970年代の「高度経済成長」に届いていなかったのだ。つまりはストックの価格高騰によるGDPの押し上げ効果は、それ程でもない…と言う事だろう。
 
さて、戦後の混乱期の刑法犯罪は「高い経済成長率」とまだまだグロスで低い「個人所得」の下で、その犯罪率が高かった。しかし、現在の「刑法犯罪の増加」は、「低い(時にマイナスの)経済成長率」と、グロスでは高い「個人所得」の下で増加してきている。特に平成9年から平成10年の「刑法犯罪率」の高い増加率は気になるところである。実際には「刑法犯罪の中身」を分析する必要があるだろう。
 同『白書』によれば、主要罪種の情勢の推移において、次のように記述されている。
『認知件数を包括罪種別でみると、凶悪犯、粗暴犯、知能犯、風俗犯は、戦後一時期、高水準に達した後、以後、減少又は横ばいの状態にあり、認知件数の増加は、窃盗犯、その他の刑法犯(占有離脱物横領、器物損壊)の増加によるところが大きい』
つまりは、「窃盗犯、その他の刑法犯(占有離脱物横領、器物損壊)の増加」が見られると言うのである。また毎日のように報道されている「殺人事件」であるが、「殺人の認知件数は、昭和29年の3,081件をピークに減少傾向にあり、平成10年には1,388件となっている」のであり、減少の一途をたどってはいるのである。ただ、殺人の質が変化してきており「すなわち、多額の保険に加入した上で、計画的に犯行を行う保険金目的殺人事件や犯行の発覚を避ける目的で死体をバラバラにして隠蔽(ぺい)するバラバラ殺人事件等がみられるようになったほか、近年では、オウム真理教による地下鉄サリン事件や相次ぐ毒物等混入事件の発生等、不特定多数の者を対象とする事件も発生している」のである。強盗については「強盗の認知件数は、昭和23年の1万854件をピークに減少し、平成元年には1,586件と戦後最低となったが、以降増加に転じ、10年には3,426件となっている」。また窃盗犯は「刑法犯の認知件数の大半を占める窃盗犯の認知件数は、戦後しばらくの間100万件前後で横ばいの状態が続いたが、昭和40年代後半から増加に転じ、平成10年には178万9,049件に達した」と言う状況になっている。
 つまりは「不特定多数の者を対象とする異常な殺人事件」が増えている事と、金品目的の窃盗が非常に増加している…と言う事ができると思われる。日本はかなりの「格差社会」になりつつあるのだろう。「格差」を計る指標に「ジニ係数」がある。総務省統計局の「ジニ係数の国際比較」は次のグラフの通り。グラフは2009年までしか無いが、15年間、徐々に格差が広がりつつあるのが見て取れる。より長期のデータ(特に最近のデータ)が欲しいところではあるが、2009年ではまだ「世界基準」で見れば中の下位だが、直線的に格差が進行しているのが見てとれる。

図3 等価可処分所得のジニ係数の国際比較(総世帯)
         図3 等価可処分所得のジニ係数の国際比較(総世帯)

(http://www.stat.go.jp/data/zensho/2009/keisu/yoyaku.htm 参)

「グローバル化」は1970年頃から言われ始め、1991年から広く広まって来たが、日本は「一億総中流」から、「グローバリゼーション」の流れを受けて「格差社会化」が進行してきたと言えるだろう。ここでは「所得再配分後」の数字が使われているが、「所得再配分前」の数字だと、平成16年で0.391、平成21年には0.406にもなっている。しかし「本当に所得格差を是正する所得再配分」が適切に機能しているのか、疑問も残る。また、日本の「ジニ係数」だけが「全国消費実態調査結果」からのデータであり、日本以外はLSIのデータを使っているのも気になる(LISで“To see the Ginis for all LIS datasets online, go to http://www.lisproject.org/key-figures/key-figures.htm.と書かれてあったが、そのページは存在していなかった)。
 「税の負担原則」から言って、「格差社会」は好ましいものでは無い。なぜなら「応能負担原理」の観点から「税負担出来る」中間層が厚い方が好ましいからだ。「富裕層」と「貧困層」に分かれてしまうと、「富裕層」は社会的に声が大きく「逃税」に走るだろうし、「貧困層」は、「税負担」どころか「福祉」が「補助」しなければならない。つまり「福祉財源」である「税収」は増えない(むしろ減る)が、「福祉依存」の「貧困層」は増えるので、「福祉財源」は枯渇する。
 こう言う「依存体質」は良くない。だが、我が国は「社会主義」に近いのではと思われる程、国民の「依存体質」が根付いてしまっている。政・官・財もそうであるし、銀行はかって「護送船団方式」と言われていた。また農業を始めとする第一次産業も同様で、政府は「金と許認可」で中央集権化を維持してきたが(今もだろう)、それは本来「競争力」を付けるべき産業の競争力を阻害してきてしまった。現在、世界レベルで「競争力」があるのは「電気・電子」と「自動車」産業位ではないだろうか? と言って、本当は日本の多くの産業は「国際競争力」を持っているのだ。多くの産業で「比較優位」を持っている。しかし、それを育てずに「甘やかして来た」ために、「依存体質」が膏肓に入ってしまっている。
 現在の「いつまでも抜け出せない不況」「赤字国債の乱発による財政の悪化」は元々「同根」の原因からなっている。それは「一億総依存症体質」(違法体質と言えるかも知れない)である。最初の方で、「刑法犯罪」に触れたのは、一つは「生活困窮者」が起こす生活のための犯罪が増加している事を示すためでもあり、「格差社会」の犯罪リスクの増加を示したいためでもあったが、本質的には「人々の間の道徳が失われている、特にリーダーの道徳が失われている」事に警鐘を鳴らすためであった。
 ところで「依存体質」は政治家と官僚に極まっている。彼らは(もちろん全員ではないが)「本来すべき仕事を歪め」自分たちの「利権」や「権力」を得るのに汲々としている。最早「自分たちが依存症であることさえも不覚」の状態であると言えよう。それを言い換えれば「腐朽官僚制」(ロトン・ビューロクラシー)と言う。これはマックス・ウエーバーが言った事である。或いはジョン・アクトン卿が言った「.権力は腐敗する、専制的権力は徹底的に腐敗する」と同じ事である。そして、「腐敗した権力」の下では経済もまた腐敗するだろう。「腐敗した権力」は「市場を歪める」からである。そして国民、市民は「政府」や「市場」への信頼を失うだろう。ただ、逆説的ではあるけれども、残念な事に最早「自らも依存症」である国民・市民は「積極的に信頼を失う」かも知れない。
 最近、「検察」までもが「腐敗」し、その「威信」を失墜する事態となっている。「立法」「行政」そして「司法」までもが「同じ病に侵されている」のだ。権力バランスと徹底的に腐敗する「専制的権力」…と言う事態にならないように三権は分立されているはずであるが、それを政治家や官僚が「調整し、まとめてしまっている」のだ。
 市民・国民もまた「一方ではばら撒かれる目先の金に目が眩んでいる」にも関わらず、それが招いている「不確実性」「将来不安」の前では「財布の紐を固く括り」、「腐敗した権力」へ「お金(税金)を納めるのは、穴の開いたボトルに水を注ぐのと同じである」事は強く認識している。つまりは「増税して国にお金が入ると、政府や官僚はそれを本来の目的である、震災復興や財政再建や年金制度の持続可能な改革に使わずに(当然、ある程度は使うだろうが)、また無駄遣いに走るだろうと思っている」のだ。そして、それを止める事が出来ずに国の債務は第二次大戦後の「新円切り替え」や「悪性インフレ」を招いた水準まで(GDPの200%)膨れ上がってしまっている。そして、これが「不安要因」となって(つまり将来の大幅増税を…漠然とでも…予測して)、消費が冷え込み、経済はマイナスのスパイラルにからめ捕られ、女性たちは「子供を産む」のを(通常でも先進国は出生率が低下するが)ますます躊躇う事になる。
 一言で言ってしまえば、「今は政府、役人が信用されていない」ので、市民・国民は将来の「不確実性」を確実に危惧し、財布の紐を締める行動をとらざるを得ないのだ。「阪神・淡路大震災」や「東北地方太平洋沖地震」や「福島原発事故」を政府や役人が「増税の良い機会」と言う風に考えているとすれば、それは市民・国民を愚弄することである。被災した市民・国民は或る点で「非常に冷静に政府や役人を見る」ようになる。それは「いざと言うときも何もしてくれない」「対応も遅すぎるし、規模も小さすぎる」事を身をもって知るからだ。そして、一方では「心が荒む」部分も否定できない。ちなみにわたしは「阪神・淡路大震災」の被災者である。
 まず政府や官僚が行わなくてはならない事は、ウエーバー的な「ピユリタニズム」的道徳、或いは、石田梅岩的「心学」的道徳を自らに持つ事だと思う。これは言うまでもなく「資本主義の精神」でもある。健全な「資本主義」が機能するためには「道徳」と言う基盤が必要なのだ。そうして、まず「自らが身を切って」既得権益を手放すことである。そして、その手放した「既得権益」のストック部分を整理し、国庫に納め、まずは「財政健全化への一歩」を自ら切ることだ。もちろん「本当に必要な部分は切ってはならない」が、こう言うと「これは必要です」「これも必要です」となるので、「ゼロ・ベース」で始める事だ。しかし、恐らくは「自ら切ることなど出来ない」であろうから、全てをオープンにして、手弁当の第三者機関がそれを行うのが最善だろう。
 ここまでの事をやれば、国民も「それでも財源が不足しているのであれば増税に反対はしない」だろう。この国の財政をここまで悪化させた責任は「経営者」である政府、政治家、官僚にまず有る。「民で出来る事は民で」或いは「民間並み」が好きな政治家、官僚であるのだから、ここは「破綻」(民なら倒産)の責任は、まず「経営者」たる政府、政治家、官僚が取らずして誰が取るのか。痛みだけは市民・国民に押し付けるのは、最終的には「自殺行為」であることを認識し直すべきだ。
 そして増税にあたっては「消費税」一律課税方式ではなく、やはり欧米諸国が行っているように(確かに死荷重は増えるだろうが)、生活必需品はゼロ課税、高級品、嗜好品は高率課税方式を採用するべきだろう。
 今のような「不況」下では、本来は増税すべきでないことは「経済学」の基本である。増税したは良いが、余計に不況になり、税収も殆ど増えない…と言う事も有り得る。更には、かえって「福祉費用が増大」する可能性もある。だから、生活必需品は課税対象から外すと言うのは、増税に対する「セイフティ・ネット」の役目も果たすだろう。GDPギャップが問題なのであるから、このような「最低限の消費の安定」は需要を減らさないために必要な措置だと思う。
 さて、最後に述べておきたいのは「この国の将来像」である。誰でも「人口ピラミッド」は見たことがあると思うが、これを現代から将来に渡って並べて見てみると「慄然」とする。

2010年

2020年

2030年

2040年

           図4 人口ピラミッド(2010~2040年)

上の「人口ピラミッド」群は、総務省統計局のHPのものであるが(総務省統計局の人口ピラミッドは、1930年から2055年のものまである。 http://www.ipss.go.jp/site-ad/TopPageData/pyra.html 参)

もうこれは「ピラミッド」と呼べるようなものではない。2040年の人口ピラミッドは、もう足元がやせ細って扱けてしまいそうである。これらを見て何が「恐ろしい」かと言えば、下のやせ細った若い人たちが、上方の「高齢者」を養わなければならないことである。恐らくここまで来ると、1人の若い労働者が、1人の高齢者を養わなければならなくなるだろうことである。それは現時点では「殆ど無理」であるとしか思えない。しかも、更に追い打ちをかけるように恐ろしいのは、今、「若年層の労働問題」が発生していることだ。正規に就職したくても出来ない若者が増えていることである。年寄が会社を引退しないために、若年層(新卒者)が押し出されているのだ。彼らは「ニート」とか「アルバイト」とか「派遣社員」「契約社員」等の不安定な就職形態で働いている人が多い。

 図5 入職者に占めるパートタイム労働者の割合
         図5 入職者に占めるパートタイム労働者の割合

厚生労働省HPより
(http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/11-1/kekka.html#03 参)

図5はその一例で、年齢別の「パートタイム労働者の割合」である。図から明らかなことは、新卒者19歳以下で男性の64.3%、女性の68.3%が、20~24歳で男性の34.7%、女性の35.3%がパートタイムで働いていると言う事だ。これは男性について言えば30歳~59歳のパートタイム労働者の倍近い数字である。30年後彼らが40歳から50歳のころ、そして、これから産まれてきてその頃、入社年齢を迎える人たちは、果たして1人で1人の高齢者を養う事ができるだろうか? かれらの「雇用形態」から考えれば、かれらは「高いスキル」や「高度な知識」「経営ノウハウ」を身に付けているだろうか? 答えは「ノー」に近いだろう。「高いスキル」や「高度な知識」「経営ノウハウ」等は、経済学で言う「技術項」にあたる。これが生産性の向上や、経済成長のカギとなる。本当ならば、彼らこそ、今の中堅や高齢労働者よりも高い生産性を身に付けなければならないのだ。でなければ、彼らも後期高齢者も共倒れになってしまうだろう。日本は先進国ではなく、貧しい国になるかも知れない。インフラも財政がガタガタでは、維持管理が出来ず、これがまた生産性を落とす事になるだろう。もちろん、人口が減少しているので、不要なインフラは整理して行かなければならない。
今、とりあえず出来る事は、少子化対策になっていない「子供手当」を廃止し、若年層の雇用援助、或いは「高度な教育を受ける若年層への無償奨学金」「技術を身に付けるための補助金」等に回すことだ。その方が、結局は「少子化対策」にもなる。
発展途上国の若者に日本で働いて貰うという案があるようだが、日本人の若者が、今の日本の高度な技術を継承すべきであるし、あらたな技術を開発出来る能力を養成するべきだろう。でなければ、この国に「未来」は無い。




以上、長文ですが「落選作品」でした(^O^)

でも「本当に、どうにかしなくちゃならない」と思う。

この「原稿」応募してから、「経済再建の手がかり」みたいなモノ(経済は不確実ですからね)を、自分なりに「見つけた」(積もり…あくまで“積もり”)ので、「早くやってくんないかな~」なんて思ったりしてたりする。

それから、この「論文」の中には「今なら(この頃はまだまだ「理解不十分だった」)書かない」ような部分も含まれては居るけれども、あえて「訂正」はしなかった…でも、ある意味「僅か(?)1年未満でも、少しは進歩してるんだ」と言う「自己確認」にもなった…と思う。

それから「理解不十分」と思えるけれども、「概ねの考えは(今のところ)変わっていない」。今やるべきは「経済成長(景気回復)」であり、それはまずは「量的緩和政策」をすべきだと思っている。「経済成長」が例え数%でも、その分は確実に「国民負担」は軽減する。それに「景気が良くなれば、雇用、税収からプラスのスパイラル」に入る事ができるだろう。クルーグマン教授ではないが「さっさと不況を終わらせろ!」(早川書房 (2012/7/20) )って言いたくなるよね。

とりあえず、今回は「落選記念」と言う事で…。
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No title

これは結局何が言いたかった論文なんですか。
問題提起もよく分からないし、結論も漠然としていて読んだ後に残るものがありませんでした。
来年、同懸賞論文に応募しようと考えているのですが、他がこのレベルであるならば入賞は簡単そうですね。笑
プロフィール

Yasutomo-Araki

Author:Yasutomo-Araki
現代の閉塞感のある世界がもう少しだけ住みやすくなれば良いなぁ、などと考えております。今の状況の延長線を自分たちの子供たちや孫たちへバトンを渡すのは余りにも無責任だと思っています。大学は工学系卒。国立K大学の経済学研究科大学院修士。博士課程考慮中…。この国の未来への良きシナリオを描きたいと思いトボトボと歩いてるって感じです。ただ最近は、当方の怠慢のせいでtwitterまとめ、或いは「忘備録」化してます…。しかし、同志さんたち大歓迎です。

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