じゃぁ「金」って安全資産? いやいや「この世に安全資産なんて…」

さて、こういう時代(グローバル化した世界同時不況状況)になると、ひとびとは、

「何が安全な資産なの?」

って切実に思うみたい(「みたい」と言うのは、わたしのように「資産」などと言える程のモノを持って居ない人間にとっては、もっと低いレベルの話で「どうしたら、食べていけるの」って話になってしまうから…)。

昔から、良く言われるのは「資産を分けて持ちましょう」ってこと。

つまり「財産は土地、株、現金に分けて持て」とか、その中身が「金」や「骨董」や「絵画」「外貨」になったりするヤツ。

でも、基本的に「安全資産」なんて(特に、お金持ちのひとびとが求めるような、絶対的な「安全資産」なんて特に)ない…だろう。

もしも、そのような「絶対的な安全資産」があれば、(ここは「経済学」的に言えば)「ひとびとは、その絶対的な安全資産で、資産を持とうとするから、その資産の価値は上がり、その資産で持とうと思わないレベルまで資産価値が上昇するだろう」と言う事になる…かな!? 一面的な見方だけどね。要は、今みたいに「リスク」が高いとひとびとが思うような時代には「安全資産」が求められる。その結果、ひとびとが「安全資産」と思った(勘違い?)資産に資金が流れ込んで行く…かも知れない(バブルになる? 後はパンク…)。でも、景気が良くて、ひとびとが「強気」になった時は、ひとびとは「リスク」を負っても「リターン」の高い商品に手を付けるだろう(そもそも「リスク」が高いから「リターン」が大きいのだ。ポートフォリオを組んでリスク・ヘッジして高い収益を得ようと言うのは無理な話だろう。そんな「オイシイ話」は短期的には成立するかも知れないけど、長期的に成立させようとすれば、そこには「情報の非対称性」がある場合だけだろう)…と、「この問題」を考えると、本当に色々と考えられるけど、最終的には「経済は予測不可能」って事になる…と言うのが管理者の考え。

歴史的にみれば、「強制通用力」のあるはずの「法貨」だって「絶対」でないことは直ぐに解る(大体、「デフォルト」したら「強制通用力」って言ったって、通用しないでしょう。戦中・戦後の「バーター取引経済」や「闇経済」なんて最近の事例ですよね)。日本は、昔は「米」が通貨の役割を果たしてた(大名の藩経済が「石高」で表されてたのはそのため…だろう)。面白いのは、日本では「米」から「貨幣」経済になった後、また「米」が貨幣の役割を果たす事になった事があること。日本の「米」文化は「奥が深い」のだ。

さて、今回は「金」を取り上げてみたい。最近の高騰で「金」は資産として注目されてるから。

「金は安全資産か?」

結論から言えば、当然「安全資産」では無い。ただ、「金」を現物で持っていれば、例えば「円」が「紙屑同然」になったとしても、「一定の価値」は有る。だから、「それでお金儲け(投資・投機)しよう」と思わないなら、ある程度の「安全性」はある。

ここに「良いレポート」がある。それは『All About」と言うサイトで、村岡里香さんが書かれている下記の記事。
『金が高値更新!でも本当に「安全資産」なの?』

■ 不安定な時代に金が買われる
 2000年から値上がり基調にある金が、史上最高値を更新して話題になっています。
金は昔から「有事の金買い」と言われ、戦争や金融不安など、世の中が不安定な状態になると安全資産として買われてきました。現在はというと世界経済の先行き不透明感やドルやユーロなど主要通貨にたいする不安感が高まっている状況。各国の金融緩和政策によって大量にあふれたお金の一部が金へと流れ込んでいます。

また、リーマンショック以降、他の資産の値下がりをしり目に値上がりし続けたことで、金の他の資産との相関性のなさが大きくクローズアップされることになりました。株や債券の運用に加え金をポートフォリオに組み入れる動きが広がり、年金基金などの機関投資家や新興国の中央銀行も金の保有を増やしてきています。

■ 金は本当に安全?
 でも、金への投資自体が「安全」か?といえばそういうわけではありません。実際、1980年から2000年にかけて金は20年間にわたり安くなりつづけ、高値から3分の1以下(国内価格では円高も影響して6分の1以下)にまでなってしまいました。預金に金利がつき、株や債券への投資にも妙味がある時代には、実物資産の金は必要とされなかったのです。

 つまり金には、今のように「世界共通の通貨」として脚光をあびる時代もあれば、その存在が色あせて他の金属と同じように「モノ」としての価値にとどまる時代もあるということ。将来、世界経済が回復軌道に乗り、ドルも堅調な動きとなれば金を持つことの重要性が薄れ、価格が大きく下がる可能性があることには注意が必要です。

■ 金の本当に安全な値段とは
 そもそも金がなぜ安全かといえば、株や債券、通貨といったペーパー資産と違い、「モノ」なので価値がゼロにならないからです。

金を採掘、精製するには人件費を含め必ずコストがかかります。つまり金の価格が生産コストを大きく割れることは考えにくく、このラインが大きな下支えとなります。

事実、1999年から2000年にかけて金が最安値圏で低迷していたときも、生産コスト250ドルに近づくにつれ多くの鉱山会社が閉鎖して供給が細り、それ以上値段が崩れることはありませんでした。

現在の金の生産コストは?というと、ここ数年で大きく切り上がり、世界平均で1トロイオンスあたり約720ドル(GFMS「Gold Survey 2010」)。1トロイオンスは31.104グラムなので現在の為替相場1ドル=82円で計算すると国内価格で1,898円(=720ドル÷31.104グラム×82円)という値段が出てきます。現在は約倍の価格で推移しており、それだけ需要が価格を押し上げているというわけです。

■ 「この水準まで下がっても大丈夫」と思える投資法で
 金の需要には宝飾品や工業用途といった加工のための需要と、投資による需要の2種類があります。現在盛り上がっているのは、投資需要のほう。よって投資人気に陰りが出れば、生産コストラインに近づくような極端な値下がりはないにしろ、大きな調整は入りやすいということです。長期保有の目的で投資するなら、できるだけそういう調整安の場面で買いたいものです。

もちろん、「押し目待ちに押し目なし」という言葉があるように、安い値段を待っている間にもどんどん値上がりしてしまう可能性もあります。また、あくまで分散投資の目的で保有するのなら値位置にはこだわらなくてもいいという考えもあるでしょう。

いずれにしても金への投資は「最悪この水準まで下がっても大丈夫」と思えるなら買ってもいいのでは。投資する際は純金積立やETFを毎月少額ずつ購入するといった方法で時間分散をこころがけ、資産全体の5~10%の範囲内で上手に組み入れるようにしたいですね
(2010年10月12日)


※下線は管理者

この記事で「面白いな」と思ったのは、金の価値の基準を表すのに、

『金を採掘、精製するには人件費を含め必ずコストがかかります』

『現在の金の生産コストは?というと、ここ数年で大きく切り上がり、世界平均で1トロイオンスあたり約720ドル(GFMS「Gold Survey 2010」)。1トロイオンスは31.104グラムなので現在の為替相場1ドル=82円で計算すると国内価格で1,898円(=720ドル÷31.104グラム×82円)という値段が出てきます』

ってところ。これって、アダム・スミスやカール・マルクスの「労働価値説」だよな~って…

アダム・スミス
  アダム・スミス
カール・マルクス
  カール・マルクス

「労働価値説」とは「人間の労働が価値を生み、労働が商品の価値を決めるという理論」なんだけど、中央公論社の中公文庫の『国富論』の注釈で、

『「国富論」が出現するまでは、富は、もっぱら、金銀や「財宝」のかたちで、とらえられていた。スミスは、このような古い富の理解の仕方を大きく転換させ、人間の日常生活にとっての必需品と便益品こそが国民の富であること、そしてそれらは年々生産され年々消費されるものであるから、富こそは、国民の「年々の労働」によってつくられなければならないものであることをはじめて明らかにした。ここに「国民の富」という近代的概念が確立したのである。』

って言う、言わば「近・現代経済学」の基礎的な考えが記述されてる…ってところ。

でも、管理者は「少々ヘソ曲り」だから、

「でも、金・銀って、1776年に『国富論』が出版される以前から、世界中で(つまり『国富論』なんて知らない世界でも)「富」や「通貨」として通用して来たのではないの」とか思ったりもする(しかし、それも「労働価値の交換手段として使われてたのだろうか…)。

例えば日本でも「慶長6年(1601年)より発行された慶長小判は一両としての額面の計数貨幣」として流通してたんじゃないの? しかも「慶長14年(1609年)に幕府は三貨の御定相場として金一両=銀五十匁=永一貫文=鐚四貫文と定めたが、これは目安とされ実態は変動相場制で市場に委ね、相場が行き過ぎた場合は幕府が介入するというものであった」と言うではないの…とかね(この頃の貨幣基準って「金を採掘、精製する人件費を含んだコスト」だったのだろうか…と言う疑問)。でも、多分この頃って、通貨と「米」の混合経済だったのでは…とかも思うけどね。

慶長小判
    慶長小判

しかし「経済学」で最頻出(?)のGDP(かつてはGNPだった時代もあった)って、スミスの定義に基づいていて、それで「一国経済」を計っているのも確か。

特に「ソ連崩壊」後、否定状態(?)の「マルクス経済学」は完全に「労働価値説」だけど、それなら「マルクス経済学」も見直さなければね…とか考える(やっぱり、カール・ポランニーとかに出てきて貰わなきゃね…と考えたりもする)。

そもそも「資産」や「価値」を哲学して行くと、それだけでも「行き着かないんじゃないの?」とか思ってしまう。

さて、ここで近年(約40年間の長期)の「金価格の推移データ」をグラフにして見てみよう。元データは「田中貴金属工業」のデータを使わせて頂いた。

金価格推移(長期)
               金価格の推移グラフ(長期)

ちなみに、「田中貴金属工業」のデータ(単位:円)もあったのだけど、ここは「ロンドン市場」のデータを使わせていただいた。だから単位は「米ドル/トロイオンス」ね。トロイオンスは「1トロイオンス = 正確に 31.103 4768グラム」(wiki)。それと、米ドルは為替相場が変動してるから、それを計算すると、「少し違ったグラフ」になると思うけど、概ね金価格は「こういう変動をしてる」と一応の理解はできると思う。

なるほど1980年辺りに一度「ピーク」があった後、金価格は「安定」かむしろ「低下」してるのが解る。2001年辺りを底にして、徐々に「上昇」し、2005年辺りから「上昇」が徐々に急激になっている。一度、2007年から2008年にかけて「価格低下」してるけど、そこからまた「急激に上昇」。2010年辺りから「高値でもみ合っている」のが解る。

その間に小さな「ピーク」が1982年、1988年辺りにあったことも見て取れる。

後は「どう解釈するか」だけど…いろんなエコノミストや評論家が、これまたいろんな事を言うのだろうなぁ…とか思う。

1980年の出来事って、国際的に目立つのは「第21回オリンピック【開催地】モスクワ(ソ連)、【期間】7月19日~8月12日 ソ連のアルガニスタン侵攻に抗議して日本、アメリカ、西ドイツなど、IOC加盟148カ国中67カ国が不参加」くらいかなぁ。この時、ちょっと「米ソ間で緊張状態」があったかも知れない。いや、むしろ急激に上がり始めた前年1979年の出来事を見るべきかも…「アメリカのスリーマイル島原子力発電所で放射能漏れ事故」ってのがあるし「ソビエト連邦のアフガニスタン侵攻」ってのもある…。

1982年は「フォークランド紛争( 4月2日、アルゼンチンのフォークランド諸島侵攻に対して、イギリスが宣戦布告。領有をめぐる英国とアルゼンチンの2ヵ月半に及ぶ戦争は、1982年(昭和57年)6月14日、アルゼンチンが実質的に“降伏”の形で停戦が成立した。 フォークランド諸島(アルゼンチン名でマルビナス諸島)は南米大陸ホーン岬の北東770キロにあり、東、西島を中心に約200の島から成る。 1833年以来、英国が実効支配していたが、アルゼンチンは1816年のスペインからの独立時に領有権を継承したと主張し対立していた。)」かな。

1988年、は「イラン・イラク戦争( 7月3日、米艦がペルシャ湾で、イラン旅客着を撃墜、290人全員死亡。7月18日、イラン、対イラク戦争の即時停戦を求めた国連決議受け入れを発表)」かな。後は「米ソ首脳会談、14年ぶりのモスクワ開催」と「米大統領選でブッシュ当選」位。

意外にも、日本のバブル期(1980年代終盤から1990年代初期まで)は、むしろ「金価格は低下傾向」にある。だから「バブル紳士」たちは「金」には魅力を感じなかった…のかも知れない。「土地バブル」だったからなぁ。

しかし「金価格」が急激に上昇し始めた2005年辺りには「何があったのだろう?」

この年は色々とある。

「北朝鮮が6者協議参加の無期限中断と核兵器の製造・保有を公式に宣言」「京都議定書が発効」「スマトラ島沖地震が再び発生。死者1,000人以上」「ロンドンで、地下鉄3ヶ所とバス1台で爆破事件が発生。死者56人、負傷者は約700人以上。 アルカイダの仕業であると発表されたが、関与は認められなかった」「ハリケーン「カトリーナ」がフロリダ州に上陸」「イラク・アフガニスタン侵攻について、ブッシュ大統領は、大量破壊兵器に関する機密情報は間違いで、開戦の責任について自分にあることを認めた」等々。

どうも、「戦時のドル」と言われてたけど「戦時のゴールド」もあてはまるような気がする。

今の高値は「世界同時不況」や「行き場を失った巨額の投資(投機?)マネーが金に向かっている」のかも知れない。
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現代の閉塞感のある世界がもう少しだけ住みやすくなれば良いなぁ、などと考えております。今の状況の延長線を自分たちの子供たちや孫たちへバトンを渡すのは余りにも無責任だと思っています。大学は工学系卒。国立K大学の経済学研究科大学院修士。博士課程考慮中…。この国の未来への良きシナリオを描きたいと思いトボトボと歩いてるって感じです。ただ最近は、当方の怠慢のせいでtwitterまとめ、或いは「忘備録」化してます…。しかし、同志さんたち大歓迎です。

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