TPPは「平成の日米修好通商条約」か?

今、TPP議論がまた再燃しているようだ。

政府、民主党も大きく割れているみたい。経済界・産業界は概ね「賛成」、農林水産業界は殆ど「反対」という状況だろう。

「経済学」の視点から言えば、学部生でも(教科書的に言えば)、

「比較優位則から言えば、両国ともWIN-WINの関係になる(両国とも得)ので、賛成」

と言う答えになる。ただ、「WIN-WINの関係」と言えども、「競争力のある(比較優位の)業種の人々は得になるので賛成」だけど「競争力の劣る(比較劣位の)業種の人々は潰れるので反対」と言う事になるのは、これは「経済学」でも認めるところ。だから「痛みを伴うWIN-WIN関係」で、潰れることになる産業の従事者の方々は、生活が掛っているのだから「当然、反対」…と言う事になる。

実際「経済学」徒の間でも賛否が分かれる…と言うのが実際のところ。

うちの甥っ子(わたしが今、行ってる大学の経済学部卒)と、TPP問題を話してたら、甥っ子は「TPP反対」だった。

ところで現在、「世界同時不況」で、世界各国は「緊張状態」にある…と思う。1929~33年の「大恐慌」後、世界経済は収縮し、各国はブロック化し、それが益々「人々の生活を苦しく」させ、ナチス・ドイツを生みだし、第二次世界大戦に突入した…とも言われている。

そう言う「観点」から言えば、現状の世界経済の状況の中では「自国だけの利益」を追求するべきでは無いのかも知れない。世界不況からの脱出は、世界中が協調して行うべきだと思う。

ところで、TPPだけど、本当に「WIN-WINの関係」を成立させるものであれば…つまり本当に「比較優位則」が健全に「機能」するのであれば、一概に「否定」するべきではないと思う。ただ、その場合でも「生活を破壊されかねない産業の人々への手当」はするべきである事は言うまでもない。

でも、それは「当該産業を保護(補助金をばら撒いて、単に生きながらえさせる)する」と言うことではあってはならない。それは「比較優位則」を歪める行為だから。もしも、当該産業が「破壊」されるというのであれば、当該産業者は「生産性」を上げ「競争力」を上げると言うのが正統なやり方。

ただ(例えば)「農家」は、国策として「減反政策」と引き換えに「補助金漬け」にされてきた(「米」が日本人にとって「特別な食べ物」と言うのであれば、その時点で「減反政策」に反対するべきだっただろう…特に、この国は「地方」(票)が強い…政治的に強いのだから)。

「食糧安保」議論がすぐに持ち上がるけど、現状でも「平成22年度の食料自給率は、カロリーベースは前年度から1ポイント低下し39%」(農林水産省HPより)。しかし、そもそも「カロリーベース」で計算する時点で、実際の食糧自給率はもっと低い…つまり、現状でも我が国は「食糧確保のリスク分散」を考えるべきだと思う。

次に出てくるのは「食は文化なり」。「米」は日本人にとって「特別」な物…これは確かにそうだと思う。

一時、「輸入米」(長米)が輸入され、「ブレンド米」が“強制”された時期があったけど、「本当に美味しくなかった」記憶がある。味覚が敏感な日本人は、日本の「ブランド米」(ブレンドでは無い)を、少々価格が高くても嗜好する。

ところで、TPPに関しては、TPPの規定が「比較優位則」を機能させないモノであるのであれば、それは、まず「それを指摘し、比較優位則が満たされない限りは参加するべきではない」だろう。ただ、もしも、「規定」が比較優位則を歪ませるようなものであるならば、まず「是正するように要求」し、我が国としては(自国経済のためにも、世界経済のためにも)参加したいのであるが、それが是正されない限りは、「特定の企業の利益誘導」になるだけで、我が国の経済の為にも、世界経済のためにもならない…と、まずは公の場で「主張」するべきだろう。

TPPについては、京都大学大学院工学研究科准教授の中野剛志先生が「激怒?」されています(米国丸儲けの米韓FTAからなぜ日本は学ばないのか 「TPP亡国論」著者が最後の警告!(ダイヤモンド社 書籍オンラインHP 参)

中野剛志先生は「ISD条項」を問題視されています。

「ISD条項とは、各国が自国民の安全、健康、福祉、環境を、自分たちの国の基準で決められなくする「治外法権」規定なのである」

「ISD条項に基づく紛争の件数は、1990年代以降激増し、その累積件数は200を越えている。このため、ヨーク大学のスティーブン・ギルやロンドン大学のガス・ヴァン・ハーテンなど多くの識者が、このISD条項は、グローバル企業が各国の主権そして民主主義を侵害することを認めるものだ、と問題視している」

等々と書かれています。TPPを考える上で、中野剛志先生の『TPP亡国論』は一読するべきだと思います(と、言いながら、わたしは読んでません(^^ゞ

ひょっとしたら、TPPは「平成の日米修好通商条約」かも知れませんね。そうなると、現状「賛成派」の経済界・産業界も「こんなはずではなかった」って事になるかも知れませんよ。

カナダ、豪州、韓国は「ISD条項」を飲まされているようです。日本は、これらの諸国以上に「米国の言いなり」で「国富」を貢いで来た(最近の「為替介入」も、日本政府のポーズとしては「日本の国益を守るため」ですけど、過去の為替介入データを見れば、その「効果」は非常に「短期」なものであって、結局は、日本が米国に貢いでいるとしか思えませんね…為替介入=ドル債権の購入は辞めた方が良い、なぜなら「費用対効果」が殆ど無いから。「為替」市場は「別の力学」で動いている様に思います)例えば「巨額の米国債購入」「年次改革要望書」(と言う名の「指令書」)「思いやり予算」等々。

確かに日本は「第二次大戦」で負けましたが、「何故、ここまで米国に弱腰なの?」とか考えちゃいますね。確かに「米国経済」が傾くと、日本への影響は計り知れない事は確かですけど。でも、ここまでグローバル化した経済下では、経済規模が比較的小さな国が「破綻」しても、世界中に波及するでしょう。

もしも、日本が同盟国として「アメリカ経済を支援」するのであれば、もっと「見える形」「残る形」で行う方が良いと思います(アメリカの「大国意識」が、日本の「弱腰外交」を粉砕するでしょうね)。

今回取り上げた「諸問題」は非常にデリケートなので、日本の国民は、もう少し「お勉強」して、「生き馬の目を抜く」世界で生き残りを考えるべきでしょうね。「大きな問題」ですけど、「明日の自分たちや子供や子孫の生活がかかっています」から。

それと、今回取り上げた幾つかの「問題」を深く追って行くと「キリがない」ので、浅く取り上げさせて頂きましたm(_ _)m
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現代の閉塞感のある世界がもう少しだけ住みやすくなれば良いなぁ、などと考えております。今の状況の延長線を自分たちの子供たちや孫たちへバトンを渡すのは余りにも無責任だと思っています。大学は工学系卒。国立K大学の経済学研究科大学院修士。博士課程考慮中…。この国の未来への良きシナリオを描きたいと思いトボトボと歩いてるって感じです。ただ最近は、当方の怠慢のせいでtwitterまとめ、或いは「忘備録」化してます…。しかし、同志さんたち大歓迎です。

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