「RBC」&「DSGE」モデル学習と実用…これは「強力」な「ツール」になりそう。

今回のエントリは、概ね「退屈」かも知れないが、目下「自分のモノ」にしようと踏ん張ってる「RBCモデル」と「DSGEモデル」。特に「DSGE(動学的確率的一般均衡モデル)」(Dynamic Stochastic General Equilium)は、使えるようにしたい。

と言うのは「業界」では当たり前になってるけど、

「RBC」では、実証的に検証すれば「現実と合っていない」事が解るから(例えば、政府が「政府支出」を増やした時、「RBC」では、「消費が低下する」と言うシミュレーション結果が得られてしまう(それを「どうにかしよう」と言うエコノミストさんもいらっしゃるみたい)。でも、現実には、多くの実証分析で「消費はプラス」に反応している。

だが、確かに「RBC」は、「DSGE」へと繋がる評価すべきモデルである。実際「RBC」を考え出したKydland とPrescott(1982)は、この業績(など)によって、2004年に「ノーベル経済学賞」を受賞している。まぁ、オジサン経済学生のわたしにとっては、ノーベル賞受賞していようがしていまいが、それ程の「違い」は無い。要は「使える」か「使えない」かの方に関心がある。

それで、これらを解説している文献(日本ではまだまだ少ない?)を数冊入手して、お勉強を開始した。しかし、何時もながら、経済数学って元理系のわたしが「聞いたことも」「見たことも」(忘れてしまってたり…)ないような数学を使うのに驚く(と言うか、「電気工学では限られた数学しか使わなかったのだ」と別の意味で感心したりもする)。

「RBC」や「DSGE」モデルの分析は概ね同じ方法を取る。

①動学的最適化問題を解いて家計・企業の1階の最適化条件を求める(要は「経済」は『企業行動』『家計行動』『政府』+「財市場(の均衡条件)」で記述される…と考える。個人的には「若葉マーク経済学徒」としては「本当にそれだけで全ての「経済」が記述出来るの? などと言う疑問を抱いてしまう。ここで、ラグランジュ関数を使う)。

②モデルを定常状態の周りで対数線形近似する(ここで、経済学の「常道」である「対数をとる」と言う手法と、テイラー展開を使う)。

③モデルのディープ・パラメータを設定する(「ディープ・パラメータ」と言うタームで一瞬引くかも知れないけど、実際は、「先行研究」の数字を使ったり、自分で「勝手」に設定したり…ここで「勝手」と書いたけど、現実に合うように、つまりは「実証的」に決めればいい。この作業を「カリブレーション」と言う)。

④得られた線形連立差分方程式を解いて、均衡動学経路を求める(ここでは、十数行×十数行の「行列」を使うが、落ち着いて見れば、これらは②で得られた近似式を「行列」表示しているだけ。但し、ここからが「難物」で、これらの「行列」式を使って、「行列」式の「行列」式を作って解いていく。そして、最終的には

st=Φ1st-1+Φ0εt

と言うDSGEモデルの「合理的期待均衡解」と言う(「行列」)関数に行き着く。

ここで(自分が入手した)文献類の解説が「不親切」(と言うか「中途半端」?)だと思ってしまう。と言うのは、ここまで解説しておきながら、Φ1Φ0の「中身」について、

Φ1およびΦ0の各要素はディープ・パラメータの非常に複雑な関数になる」で終わってるからだ。

ここまで複雑なことも記述して来て(それを苦労して、理解を進めて来たのに)、ここでコレって。

ただ、だからと言って「複雑な行列」を自力で解くとなると、もう可也「道遥か」って感じる。

⑤政策ショックを与えた場合の各変数のインパルス・レスポンスをみる(まぁ、これはシミュレーションの世界の話で、計算式で「解」が出る訳ではないので、数字をいじくって「予測」をし、それを「実証」的に確認して行けば良い)


ところで、文献の筆者さんたちが、④を「端折っている」のも解る。実は、Dynareと言う「DSGE」のシミュレーション・ソフトウエアがあって、③までで得られた「モデル式」を入力すれば、後は自動でSimsのアルゴリズムを用いて、「ショックに対するインパルス・レスポンスを求めてくれる」のだ。つまりは、自動的に「レスポンスのグラフが作成される」。

それから「じゃあ、ココまで書かなくても」とも思うが(思ったが…?)、実際「何も知らずに、勝手に解が出てくる」のと「原理が解って解を得る」のとでは意味が違ってくるだろう。

「実態経済」と「経済学」と「経済理論」「経済理論に基づくシミュレーション」の関係性の問題だと思う。

「経済学」は、行き着くところ「実態経済」なのだ。「実態経済」から乖離した「経済理論」は幾ら「美しい理論」であろうと意味は無い。結局は「現実に使えてナンボ」だろう。

「DSGE」は既に国際レベルで広く実用されている。しかし、実のところ、その評価は今後のパフォーマンス次第なのかも知れない。だが、「DSGE」は今も進化し続けて居るし、非常に強力な「ツール」になると思う。そう言えば、何でも「DSGE」を使うエコノミストを「DSGE経済学者」と呼ぶ人達も居るようだ。

しかし、「計量経済学」の統計的手法も強力な「ツール」だけど、「DSGE」も強力な「ツール」だと思う。そして「ツール」は使いこなせてナンボだとも思う。

そんな「強力」なツールが入手出来るサイトがある。その名もズバリ「Dynare」と言うサイト(英語のサイト)。ココでリンクさせて頂いておく。「実際に使ってみたい」人はアクセスしてみてください。わたし自身、まだ使った事がない(し、サイトを読んでもいません)ので、これ以上は何も言えませんが…。

しかし、「DSGE」は今後も見逃せない「ツール」になりそうで楽しみです。実務家の方にも是非奨めたいです。
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No title

>経済数学って元理系のわたしが「聞いたことも」「見たことも」(忘れてしまってたり…)ないような数学を使うのに驚く

私も、理科系出身(量子力学に関する研究をしてた)ですが、経済学で使用されている数学のレベルは高いと思います。少なくとも、医学部を含めて生物系出身者では太刀打ちできないレベルだと思われます。

オイラー方程式だの変分法だのは量子力学でしばしば使うので、経済学でも使うことがあるのが驚きです。ッキリ言って、大学入試で数学ⅢやCなどを履修しないで文科系として経済学部へ入学しても、ノーベル経済学賞レベルの理論に付いていけるのか疑問です。

むしろ、数学科とか物理学科とか情報工学とか電気工学とか、それなりに数学を使う分野出身の人が、経済学に進む方が良いのではないかとすら思えます。欧米のノーベル賞受賞している経済学者は数学科出身が結構いますし。
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現代の閉塞感のある世界がもう少しだけ住みやすくなれば良いなぁ、などと考えております。今の状況の延長線を自分たちの子供たちや孫たちへバトンを渡すのは余りにも無責任だと思っています。大学は工学系卒。国立K大学の経済学研究科大学院修士。博士課程考慮中…。この国の未来への良きシナリオを描きたいと思いトボトボと歩いてるって感じです。ただ最近は、当方の怠慢のせいでtwitterまとめ、或いは「忘備録」化してます…。しかし、同志さんたち大歓迎です。

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