fc2ブログ

TPPの「正体」が一部垣間見れる事などと米国の戦略と日本が考えなければならない事など

TPPの「正体」が一部垣間見れる記事が掲載されてた。

「【速報】米韓FTAのISD条項ついに発動!! アメリカの投資ファンド、なんと「韓国政府」を提訴へ!!! 賠償総額数千億か!!! 朝鮮民族はケツの毛まで毟られる!!!」
( http://bit.ly/UhkNNc )

やっぱり「ISD条項」が曲者だね。米国と韓国の場合はFTAなんだけど、ここにきっちりと「ISD条項」が入ってる。

更に「米国の経済戦略」に「ACTA(Anti Counterfeit Trade Agreement)条約」がある。
( http://bit.ly/Rmjs6t )

ACTA条約は、簡単に言えば「国際的に著作権・知的所有権を厳守しましょう」って言う、聞こえが良い、そして「否定しきれない」決め事なんだけど、難しいのは「知的所有権」「著作権」の定義の問題。そして「承認」の問題。だって、「知的所有権」「著作権」と言ったって、人間が「全くの無」から作り上げた事って、殆ど、或いは全くと言っても良いけど「無い」でしょ。人間は「自然から学び」それを先人が切り開き、そしてその「先人が切り開いたモノ」を土台にして、誰かが「発展」させて来た。で、現代の「知的所有権法」では概ね「先願主義」になってる。でも米国だけは「先発明主義」だった(この間まで、そうだったけど、今は「国際基準」に合わせてるのかな?)。

で、言いたいのは、米国は「金融戦略」「法戦略」において「優位者」「強者」である事。国際政治力において「スーパーパワー」である事。だから「アメリカンルール」で事を運べるように戦略を組む事が出来る…って事。

TPPとATCAは一応「別分野」の話なんだけど、「米国主導の(経済を中心とした)戦略」と言う面では通じていると思っている。もちろん、米国内でも「色々な考え」がある訳だけど。

TPPに関して言えば、純粋に経済学の観点から言えば「比較優位」で交易国は「Win-Win」の関係になる。でも、アカデミックな経済学の世界でも、実はそんなに単純には考えては居ない。つまりそこに「情報の非対称性」がある場合は、そう単純には言えない…って事。

これはケネス・アローが言い出し、ショージ・アカロフやジョセフ・スティグリッツはこの研究でノーベル賞を獲った。確立された経済理論です。だから、一見公平に見える取引でも、そこに「情報の非対称性」があれば、経済学でいう「モラル・ハザード」が起こり、契約は決して公平なものでは無くなる。

また単純に「経済合理的存在」としての人間を仮定し、情報の非対称性が無いとしても、「マクロ的にはWin-Winの関係」なんだけど、「ミクロ的」に見れば、「比較優位」にある業種の利得は大きくなるけど、「比較劣位」にある業種(日本では「農業」と言われてますね)は潰れるでしょうね。その時、農家の人々を誰が養うのか…国が福祉で面倒を見る(税金です)か農家の人たちに「比較優位」の仕事について貰う…と言う事になるんだろうと思う。でも、日本の「雇用環境」から言えば、農家の方々の「比較優位」産業への就職は難しいだろう。これは日本にとっても大きな「雇用問題」になると思う。

日本は実際は内需国ですが、諸外国との交易無しでは生きて行けないのが現実だよね。だって「食料」「エネルギー」だけを考えて見ても、外国に頼らなければ生きていけない。日本はもう既に相当な「開放的市場」になっていると思う。

未だに残っているとすれば、しぶとい役人の構築した「非関税障壁」くらいなんじゃないかなぁ? これが「国益」のために築かれてきたのか、或いは「役人」ために構築されてきたのかが問題だけど、そして現在の財政理論によれば、それは「後者」になる(これを「新官僚主義」と言う)。

だけど、それも今後「どんどん切り崩されて行く」と思う。ただ、「利害が一致した部分」は残るだろうね。

TPPに関して、わたしが一貫して主張してきたのは「純粋に(現実には殆ど有り得ない)比較優位則に立つならば、TPPを推進しても良いが、そこに情報の非対称性が存在するなら日本の国益の観点から良く考えるべき」という事。で、実際の動きを見ていると「日本は、米国の経済戦略の手の中で転がされている」感が強い。

TPPにせよ、ATCAにせよ「米国主導の米国益のための戦略」と言う面が強いと考える。日本は「年次改革要望書」を粛々と実施し、それを「日本の経済戦略」として来たもんね。

安全保障の面から見れば、「日本が自給体制を取れるのであれば」「日本が自国を自国で守れるのであれば」と言う前提条件が整うならば、「日本の国際的な発言力」は強くなって、各国ともっと対等の交渉も可能だと思うけど、現状「取れる訳が無い」…ここで「食料安保」や「エネルギー安保」等の問題が出て来ると思うのだけど。TPPに参加する事は「食料自給率」を更に下げる事になる。まぁ、もう今でも「食料は輸入しなければ生きて行けない国」なんですけどね。

だけど当然すぎるのだけど、注意しなくてはならないのは「食料輸出国」は自国の余剰産物を輸出してるって事。「食品」って「豊作」「不作」の変動があって、もしも「食料輸出国」が「不作」「凶作」になったら、自国民さえ食わすに足らない状況で、輸出してくれるのだろうか? まぁ、余程の楽観論者でもなければそうは考えられないよね。或いは「パン一欠片が数十、数百万円」…もしもその時「マネーに価値」が無くなってたら「パン一欠片が黄金の重さと同じ…」とか(まるで「黙示録」の世界だけどね)。

わたしは、こう考えて居ます「日本は情報で比較優位になるべき」だと…でも、現状「米国の情報のお溢れ頂戴」でしょ。現状「お寒い限り」だよね。でも「情報を制する者が世界を制する」…とまでは言わないけれど、「情報を制する者が生き残る」って事は、今後益々「重みのある事実」になると思う…あらゆる「ところ」に於いて。
スポンサーサイト



プロフィール

Yasutomo-Araki

Author:Yasutomo-Araki
現代の閉塞感のある世界がもう少しだけ住みやすくなれば良いなぁ、などと考えております。今の状況の延長線を自分たちの子供たちや孫たちへバトンを渡すのは余りにも無責任だと思っています。大学は工学系卒。国立K大学の経済学研究科大学院修士。博士課程考慮中…。この国の未来への良きシナリオを描きたいと思いトボトボと歩いてるって感じです。ただ最近は、当方の怠慢のせいでtwitterまとめ、或いは「忘備録」化してます…。しかし、同志さんたち大歓迎です。

なおこのブログではアフィリエイトプログラムを利用しておりますが、実際の商品の購入に関しましては、お客さまとリンク先のホームページ管理人とのお取引になります。お取引に関しまして、当ブログ、並びに管理人は一切の責任を負いかねますので、ご了承下さい。当該商品等のお問い合わせは、お取引先までご連絡下さい。

みんなのプロフィールSP

人気ブログランキングへ

カレンダー
11 | 2012/12 | 01
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最新記事
F2Cアフィリエイト
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
クロック
最新コメント
Flashリバーシ
時間があれば遊んでいってください
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
クリック募金
ワンクリックで救える命がある
リンク
RSSリンクの表示
FC2カウンター
メールフォーム
個人的に連絡したい時はこちらへ

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム
ブロとも募集中で~す!

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
検索フォーム