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P・クルーグマン教授ブログ、「ウォルマートの10年」とそこに込められたモノ

New York Times電子版のP・クルーグマン教授(Paul Krugman)教授のブログから、『ウォルマートの10年』というタイトルでブログがエントリされていました。タイトルは『ウォルマート…』ですが、実際には欧米の『生産能力の成長』についての話を中心として、『景気循環説』や『生産能力の成長は消費の拡大とは別物』と言うようなお話を織り込んだモノで、『欧州の生産能力の伸びはケチャップ生産に支えられていた』等という、本当なのかジョークなのか解らないお話も挟んであって、軽快な口調ながら(相変わらず)辛辣な指摘に充ちたお話です。

『ウォルマート』と言えば、世界最大の大規模小売店舗で、『ウォルマートが急激に伸びたのは1960年代から70年代、この時期には多くの町がウォルマートの新規出店を熱心に誘致した。しかし1996年にウォルマートの店舗数はピークを迎えた後、減少に転じている。この理由として挙げられるのは、ウォルマートの出店が地元にあまり大きなプラスとはならないことが、それまでの各地の経験から明らかになってきたことである。』

そしてさらには、

『具体的には、上記のような地方の小都市の地元の経済を破壊した上での撤退が相次いでいる事、景観や環境の悪化、他の小売店舗の売り上げへの悪影響、新たに創出される雇用の殆どが時給4ドルから7ドルで健康保険も無い低賃金の販売員の仕事であること、にもかかわらずウォルマートから得られる税収はさほど大きくないこと、利益の多くはウォルマート本部に吸い上げられ、地元のキャッシュ・フローが減少することなど。

また米国内の既存店も売上が伸びず、苦戦している。原因は、従業員の士気の低下によってサービスの質が落ち、顧客満足度が低下していることにあるとされる。

顧客満足度に問題があることは経営陣も認識しているものの、改善には到っていない。』(以上Wiki参)

という経営状況。クルーグマン教授の示された『グラフ』の前までは『よき時代』、『グラフ』に示されている期間からは『問題を抱え始めた時代』です。

なぜ『ウォルマートの10年』というタイトルにされたのか? それは恐らく、『生産性の成長と、消費の伸びとは別物』だと言う事(これは古典派経済学派の『要諦』です。古典派経済学では、「需要は供給によって作られる=セイの法則」が信じられていますから)を実証的に示したかったからかもしれません。

まだまだ、お勉強不足で『理解不能』の部分もありますが、少しずつでも理解できればと思っております。尚、また訳は管理人の拙訳ですので、御容赦と訂正部分があればよろしくお願いいたします。


ウォルマートの10年
January 28, 2011, 7:46 pm

わたしは教科書改訂のために多少の材料をまとめていて、私自身がヨーロッパ人対米国の過去の二十年にわたる生産パフォーマンスを見ているのに気がつきました。わたしはちょっとした事実を知っていましたが、バートバンアーク(pdf)によるこの最近のペーパーは特に明らかにわたしのこのポイントを明らかにしてくれているようでした、そして、わたしは、改定の毎に、彼のモノのいくつかも同時に行っていることに気付いたのです。

ポール・クルーグマン教授 
P・クルーグマン教授

生産性傾向のある程度の感触を得るために、ヴァン・アークは、かなり珍しい統計技術(ホドリック-プレスコットフィルタ)を使っています。しかし、単純な5年の移動平均は、景気循環の影響を取り除くために、同様の操作を行います。ここに米国と「欧州」の、1970年以来の平均的な景気の四局面と定義される生産性の成長率を示してみます:

欧州の生産性は1990年代までは、主にケチャップの生産によってですが、米国より大きく成長しましたが、米国は1990年代後期に成長率を伸ばしました。データはその差がその後横ばいになっているので、これはそれ以前の影響の表れであったことを示唆しているのかもしれません。

それは何を意味するのでしょうか? ヴァン・アークのデータは1995年から2004年にかけての米国における生産性の巨大な成長の波を示しているだけで、それらの生産物の消費について示している訳ではありません。そして、わたしたちはそれがどういうことであるのか解っています:ウォルマートやその他の大規模小売店舗にとってと言うことですが。

わたしは、これらの生産性増加を中傷しているわけではありません。それでも面白のは、あなたが1995年から最近までと比較できるような米国での同じような話をさがしているとして、それはそれ程かけ離れたものではなく、つまりいかなる観点からみても、一つの目新しい物語りと言うよりは、どこにでもある経済的な話だと言うことです — 土地使用規則?— ヨーロッパは、模倣するのが遅かったです。』
(http://krugman.blogs.nytimes.com/ 参)

マンキュー教授の「博士課程教育についての感想」から考える事など

わたしが『経済学』のお勉強を始めるようになってから、注目している経済学者の一人がG・マンキュー博士。現在はハーバード大学教授。マンキュー博士は若手の経済学者ですが、『さらにジョージ・W・ブッシュ大統領の減税政策に早くから支持を表明し、グレン・ハバードの後任として、2003年、米国大統領経済諮問委員会(CEA)委員長に就任』と言う経歴も持っています。

「マンキュー教授は共和党!」

と断定するのは早計です。マンキュー教授は、『古典派とケインズ派』と言う『相反する2つの経済観をひとつに結び付た』と言う経済学全体に対する『大きな貢献』をした学者さんです。
(http://pedia.mapion.co.jp/art/N%E3%83%BBG%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC 参)

でも、確かにP・クルーグマン教授(民主党寄り)に良く『噛み付く』事でも有名ですが…。

そんなG・マンキュー教授はご自身のブログサイトを持たれて、日々『発信』されています(わたしも良く、訪ねさせて頂いております^^)。

そのマンキュー博士のブログに大学教育、特に博士課程教育について書かれているエントリがありました。かなりの長文で、翻訳に手間取りました(その割に稚拙な訳で申し訳ないです。また誤訳もあるかとは思いますが、御容赦とご指摘を頂ければありがたいです)が、「米国の経済学教育、特に、修士、博士教育」に関して、その取り組み方が垣間見られて興味深いので、ここに全文を翻訳して掲載させていただきます。日本と違って「欧米の大学教育は厳しい」とは良く言われますが、その片鱗を感じていただければ…と思います。


博士課程教育についての感想
Sunday, January 23, 2011

わたしはこのブログ読者が、わたしの観るところの経済学博士課程プログラム―そこには私が今月始めにASSAミーティングで行ったいくらかの討論者コメントが含まれます―について書いているのを読んで楽しんでくれていると思っています。まあ、こんな感じでしょうか。

G・マンキュー教授 
G・マンキュー教授

ウェンディAストック、ジョンJ.ジークフリートとT.オールドリッチフィネガンによる「経済学博士プログラムにおける完成率と程度-時間との関係」についてのコメント。

本論文は、1つのこの分野における重要な貢献と言えます。経済学者として、わたしたちはしばしば、政策担当は政策決定にあたって、知られていない仮定よりも、客観的で、経験的な実証分析的研究に基づかなければならない事を思い起すべきです。まだわたしたちが意思決定者であるのであれば、その時こそ、わたしたちは我々自身の教育プログラムを実行する時です、わたしたちは、しばしばほとんどと言って良いほど、わたしたちの判断において基礎をおくべきデータによる分析をしませんから。この種の研究は、時間とともに、より良い教育制度につながらなければなりません。

わたしは、この研究において強調される2つの事実に注意して、とりあえず、それらの事柄が何を意味しているのかと言うことについて議論したい。最初の事実は、学生が経済学の博士号を得ることは非常に長い道のりであるということです。第2の事実は、博士課程プログラムを始めた学生の内の、かなり大きなパーセンテージが博士課程を修めることが出来ずに終わってしまうということです。

これらの事実を解釈すれば、その行き着くところは教育上の失敗の証ということになります。結局、学生たちは博士号を得るために、これらの大学院のプログラムに入ります。もしも成功した学生たちが、修了するのに長期間を要したのであり、そして、その他大勢の学生たちが、まったく彼らの習熟度を上げることが出来ていないのであれば、それは、わたしたちが何かの間違いをしでかしているからだと思われます。

しかし、これらの事実が問題の症状であると言うことは、全くかけ離れたことです。おそらく、修了する者と幾らかの脱落する者にとって、長い時間というのは最適なのでしょう。

完成のための時間を考えてみてください。経済学がまだ若い科学であると言うこと、そして、そこには、わたしたちが知らない事が沢山あるということは疑いのないことです。しかし、研究がわたしたちの知識の蓄積を絶えず増しているという事も疑いのない事実です。おそらく、学生たちは博士号を取得するためにより長い時間を要するでしょう。と言うのも、彼らにはより多くの学ぶべき事柄があるからです。わたしたちが我々の最も高いレベルに達しているという証明を付けて学生たちを世の中に出す前に、5年間よりむしろ6年間を大学院で費やすことはより適切なことでしょう。

もう一つの関連した事実は、彼らが最初のアカデミックな仕事を得るとき、大部分の学生は彼らが博士号を得たところより下のランクの単科大学や総合大学になってしまうということです。なぜ、よりレベルの低い知的環境へ移ることを急ぐ必要があるのでしょうか?
それは専門家としての成長にとって、余分な歳月を費やすのが良いのか大学院に留まるのが良いのかという選択になるでしょう。

多くの学生たちが博士号を取得することなく大学院を中退するという事実を考えてみてください。これらの学生たちの多くがこの結果に失望する一方で、多くの場合、中退を選んだ方が最適であると言うことはありそうです。学生たちは、それが一体どのようなものなのか、それは彼らにお似合いであるのかどうか、完全に理解することなく大学院に入学しました。二年後に、彼らはそこが自分が思い描いていたものではなかったことを悟りました。人生における経路を選ぶとき、固有の不確実性を考慮して、少しくらいの実験はやった方が良いのです。

わたしの人生自体がその適例です。わたしが大学を出たとき、わたしは一体自分がどのような道を選択したいのか、全く何の確信もありませんでした。それで、わたしは二つの大学院プログラムに参加しました-一つはMITの経済学博士課程プログラム、もう一つはハーヴァード・ロー・スクールの法学プログラム-でしたが、或いは両方とも修了しようかとも考えていました。しかし、結局は、わたしは三学期後、ロースクールを中退しました。振り返って、ロースクールに入って見て、そして中退するという決定は、正しい選択でした。わたしは法律家への道が、わたしにとって最高の道であるかもしれないと思って始めましたが、学んでいるうちに、それが自分にとってそうではないということが解り、わたしはその道を進むのを止めたのです。

わたしたちが教育プログラムのデザイナーとして直面するのは、博士号取得までの長い期間と、プログラムを始めた一部の学生たちが、理性的に途中で止めることを選ぶかも知れないという事実を考慮して、どのように教育プログラムを構築するのかという問題です。答えは、現在の博士課程プログラムを2つの塊に分けることになるのかもしれません。最初の塊は、上級コースに進むことを目的とする2年の修士号課程です。2番目の塊-修士の学生さんの中の一部だけが該当する-は、博士号に達することが出来る研究学位のそれになるでしょう。

活動中の多くのプログラムは、すでにそうなっています。しかし、修士号は、あまりにしばしば、博士課程をドロップアウトした学生さんのための敢闘賞として見られています。おそらく、わたしたちは経済修士号が十分に立派な修了程度であるのだと認められるように、人々の見方を変えるようにしなければなりません。さらに、修士号を終えた博士号候補者たちはプロ-最も下級の教職員以下であり、最も上級の学生さん以上としてですが-として扱われるべきでしょう。

大学を離れて行く多くの学生さんたちの多くは、もう少し経済学を学びたがっています。しかし、博士号は彼らのキャリアにとって、欲しがるべきものでも無ければ、必要とするものでもありません。米国の経済学部での修士課程プログラムの拡大は、多くの学生さんに彼らが必要とする踏み石を提供するかもしれません。』
(http://gregmankiw.blogspot.com/ 参)


わたし自身、マンキュー博士ご自身の体験も書かれていて、興味深く読ませていただきました。

日本は『教育改革』『教育改革』(兎に角、日本人は『改革』と言う言葉が好きですが、本当に『改革』が始まると、とたんに『保守派』体質に変質するような気がします。どうも『本気度』が疑われますね)と、叫んでいますが、諸外国の『教育』から学ぶべき事は多いと思います。

日本の教育の『良い所は残し』、諸外国の教育の『良い所を吸収』させて貰う。しかし、教育に限らずですが、何故か日本(政府・官僚)がやると、『つぎはぎだらけの良いトコ取り』になって、

「これなら、やらなかった方が良かった」

と言う結果になってしまいますよね。それは、十分にこなして『自家薬籠中』のものになるところまでシステムとして完成させずに、或いは『(都合の)良いところだけ』真似て、『本当に肝心な所』をすっ飛ばした『改革』(改悪?!)を行うからだと思います。

このような『状況』を許しているのは、やはり突き詰めると「日本国民のお勉強不足」が原因だと思いますが、皆さんはどうお考えになられますか?

「オバマ大統領の一般教書演説」を観ながら考える

オバマ米大統領が米東部時間25日夜、『一般教書演説』をされていました。
その概要はTHE WALL STREET JOURNAL 電子版によれば以下の通りです。

でも、とりあえずは、WHITE HOUSEの公開している動画がYOUTUBEにアップされていましたので、それを見て聞いて下さい。かなり長いですけどね。英語のお勉強にもなりますから。





米大統領、安全保障以外の支出凍結を呼びかける見通し-一般教書演説
2011年 1月 26日 5:43 JST

【ワシントン】オバマ米大統領は米東部時間25日夜の一般教書演説で、「財政赤字削減に向けた頭金として」安全保障以外の裁量支出について5年間の凍結を呼びかける見通し。ホワイトハウス当局者の一人が明らかにした。

 ただ、メディケア(高齢者向け医療保険制度)や社会保障、防衛費などの財政上規模の大きな項目のいくつかについては凍結の対象から外す見通し。また、国家安全保障費や海外支援にもこの凍結は適用されない見込み。

  同当局者は、オバマ大統領がその他の分野での「削減と効率性」を追求していくことになると述べた。例えば、大統領は、ロバート・ゲーツ国防長官が構想した 軍事費拡大の減速を目指す5カ年計画を推進する見通し。米当局者らはこれにより、780億ドル(約6兆4130億円)の削減につながると確信している。

 ホワイトハウスの今年度予算案によると、オバマ大統領の計画では向こう5年間で約260億ドルの歳出削減につながる見通し。ただ、下院共和党議員の多くが追求している今年度だけで1000億ドルに上る歳出削減と比較すれば、これはごく小さな規模とみなされる。

 共和党議員らはこの日、オバマ大統領の提案は支出抑制には十分ではないだろうとの見方を示した。

 ジョン・ベイナー下院議長(共和、オハイオ州)の報道官、マイケル・スティール氏は、「財務長官が議会に債務上限の引き上げを求めている最中に、これは全く不適切だ」と述べた。さらに、「雇用崩壊につながった民主党主導の支出三昧の結果を確定するのではなく、われわれは支出について、救済前および景気刺激策採用前の水準に縮小し、事実上の支出上限を設けることを宣言した」と語った。

 政権当局者らは、支出の大幅削減となれば米経済回復を脅かすことになりかねないと述べ、オバマ大統領が望んでいるのは教育とインフラ、調査向けの焦点を絞った支出拡大であるとした上で、これにより米国の競争力が強まるとともに雇用拡大が促進されようと主張している。しかし、共和党議員の多くは、支出は即座に削減される必要があると主張。一部の議員は支出の2008年水準への削減を求めており、これには約1000億ドルの削減が必要になる。また、他の議員らは支出に関して、06年水準までの縮小する必要があると主張している。

 どの程度の支出削減が必要か、また、どのプログラムを削減すべきかという議論は、今年の議会での議論の中心となる公算が大きい。

 大統領が5年間の支出凍結を要請すれば、自身が昨年の一般教書演説で示した提案を2年間延長することを意味する。大統領は昨年の一般教書演説では、安全保障以外の裁量支出について3年間の凍結に関する概要を示した。

 この昨年の大統領提案は民主党議員からも反対を受けた。しかし、議会が今年度の支出案を可決しなかったことから、事実上、この凍結は実行された格好となり、米政府は前年度の支出水準に据え置く暫定的措置を取っている。

 現行の暫定支出措置は3月に期限切れとなる。下院共和当議員らは凍結にとどまらず、今年度の残りについて一段と大幅な支出削減の実行を求めている。

 オバマ大統領は昨年の予算案で、景気てこ入れ策の終了に伴い、安全保障以外の支出を2010年度の4470億ドルから今年度は4410億ドルに縮小するよう提案した。同案によると、支出は12年度と13年度には4460億ドルに拡大する公算。また、14年度と15年度の支出拡大案のため、支出は15年度には再び4720億ドル水準に拡大する見通しだ。
記者: Damian Paletta and Jonathan Weisman 』
( http://jp.wsj.com/US/node_176011 参)


しかし、

「やっぱり、アメリカの議会は日本とは大違いだな~」

って感じますよね。ここで『本当に議員さんたちが議論をして立法しているんだ』って感じますよね。スタンディング・オペレーションがあり、拍手がある。やっぱり『リーダー、議員さんは“言論力”(言葉)だなー』って感じますね。これだけの“演説”、出来る日本の政治家さんって…居ないですよね。もう一目瞭然、完敗ですね。英語の演説ですけど、“クレバー”さが伝わってきますよね。これぞまさしく『政治主導』! ですね。

ただ、全員が拍手している中に、拍手もしない“ブスッ”と不機嫌な人たちの一群が…それは『軍人さん』でした。やっぱり、文官と軍人の間にはかなりの『認識のズレ』があるのでしょうね。オバマ大統領は「財政赤字削減」と言う目標に向けて「安全保障以外の裁量支出について5年間の凍結」をするようですが、そう言いながら、「ロバート・ゲーツ国防長官が構想した 軍事費拡大の減速を目指す5カ年計画を推進する見通し。米当局者らはこれにより、780億ドル(約6兆4130億円)の削減」ですから。世界の軍事バランスが劇的に変化しつつある中で、『軍人さん』はおもしろくないでしょうね。

『国債格下げ巡る「疎い」発言 野党、首相に攻勢の構え』を巡って考えることなど

またまた菅首相は『頼りない』発言をされたようです。それは『日本国債の格付け会社による格下げ』を受けての発言ですが、まず『日本国債の格下げ』から。

東京新聞電子版によると、


日本国債を格下げ S&P、政府財政運営に懸念
2011年1月28日 朝刊

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は二十七日、日本の長期国債格付けを従来の「AA」から「AAマイナス」に一段階引き下げたと発表した。国債の大量発行に依存した菅政権の財政運営に懸念を示した形で、政府に債務問題に対する一貫した戦略が欠けていることも理由とした。 

 同社による日本国債の格下げは二〇〇二年四月以来、約八年九カ月ぶり。中国や台湾などと同じ格付けとなり、財政難で信用不安がくすぶるスペイン(AA)よりも下になった。

 格下げ発表を受けて、東京外国為替市場の円相場は一時一ドル=八三円台に急落。国債市場では売りが優勢となり、利回りが上昇した。

 S&Pは格下げの理由について「日本の財政赤字が今後数年にわたって高止まりし、財政の柔軟性がさらに低下する」と指摘。政府は二〇年度までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する目標を掲げているが、「大規模な財政再建策が実施されない限り、達成できない」とした。

 S&Pは〇一年二月から〇二年四月にかけて、日本国債の格付けを最高ランクの「AAA」から、上から四番目の「AAマイナス」に段階的に引き下げた。

 その後、構造改革が進んでいるとして「AA」に戻していた。

 日本国債をめぐっては、今年に入って債券が債務不履行(デフォルト)などになった場合のリスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で保証料率が上昇するなど、海外投資家が日本の財政を不安視する動きが強まっていた。』
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2011012802000035.html 参)


つまり『S&Pが日本の長期国債格付けを従来の「AA」から「AAマイナス」に一段階引き下げた』と言うことですね。

国債を格下げするとどうなるのか、と言うと、「金融商品として売れにくくなる」と言うことですね。だから、それを「売ろう」とすれば、「国債の金利を上げなければならない」。これは、日本にとっては「金融引き締め」になりますね。

まず一点、これは「だらだら不況の日本にとっては、良くない方向」です。

しかし、サブプライム以前と違って、『格付け会社』への市場の見方は変わって来ていると思います。なにしろ、『金融工学』を駆使して作られた『サブプライムローンを織り込んだ金融商品』にAAA評価をしていたのですから。例えば、OIC(Ogata Investment株式会社)さんの『サブプライムローン』(これは債務能力の無い人向けの『モーケージローン』ですが、ちょっと利口な小学生でも将来破綻することは予測可能だったでしょう)の解説情報では、

『このようなサブプライムローンが組込まれた金融商品をムーディーズやスタンダード&プアーズ(S&P)などの格付け機関がトリプルAランクの評価をつけたことで、世界中の個人投資家・機関投資家・金融機関がサブプライムローンが組込まれた金融商品を購入する事態に至りました』
(http://www.ogatainvestment.com/keieisyanotamenoyougoshyu351.html 参)

と解説されています。これがアメリカの『金融危機』を招き、『リーマンショック』に繋がり、そして。

『2008年の金融危機は、サブプライムローン問題からモノライン危機へと発展し、サブプライムローン問題やモノライン問題とは更に桁違いに大きな問題であるCDSの問題へと発展したことで、金融市場全体に信用不安が広がって、クレッジットクランチ(信用収縮)を引き起こしてしまい、銀行などの金融機関が企業に対して貸し渋りをすることで、資金ショートを起し黒字倒産する不動産業セクターの上場企業も続出し、銀行間の資金の流れまで滞ってしまい、金融市場も暴落して、100年に一度と言われるほどの金融危機に発展しました。』(同上サイト 参)

つまりは、意図的か否かは解りませんが、『格付け会社』は『100年に一度と言われるほどの金融危機』に加担した訳ですね。だから『格付け会社』の『格付け』は(今や?)その程度のモノだと言うことです。そのような経緯を頭に入れて、菅首相の発言記事を見てみましょう。


国債格下げ巡る「疎い」発言 野党、首相に攻勢の構え
2011年1月28日7時0分

菅直人首相が27日、日本国債の格付けが引き下げられたことについて「そういうことに疎いので」と発言し、今後の国会論戦で焦点となるのは必至だ。消費増税と社会保障の一体改革をめざし、財政再建にも意欲を示す首相が国債問題に関する問いかけに「疎い」と述べたことに、野党は攻勢をかける構えだ。

 枝野幸男官房長官は同日夜、首相発言後の記者会見で「総理がどういう趣旨で言ったのか、直接伺っていないのでコメントしようがない」と語った。その上で「総理は国債の信認について強い問題意識を持ち、日ごろからしっかりと情報の収集と分析に当たっている」と強調した。

 首相発言について、周辺は「民間企業の格付けにいちいち大げさな反応はしない」と語る。ただ、首相は同日夕の衆院本会議終了後、周辺から民間会社による国債格付けが引き下げられた情報を伝えられており、首相がこの一報をどのように受け止めたのかも焦点となる。

 格付け会社は日本国債の格下げの理由として、国会が衆参各院で多数派の異なる「ねじれ国会」であることも挙げている。首相も枝野長官も、場合によっては「野党の協力がないので財政再建論議が進まない」などという反論にも使えるこの指摘については、一切反応していない。

 一方、野党では、自民党中堅議員が「今後の衆院予算委員会で国債問題に対する首相の認識に焦点を当てて攻勢をかける」と指摘。自民党幹部の一人も「自ら取り上げた改革が本当にできるのか。首相の発言は信用できない」と述べている。(朝日新聞電子版)』
( http://www.asahi.com/politics/update/0128/TKY201101270553.html 参)


まあ、

「そういうことに疎いので」

と言う発言は、国民にとってはどうしても『頼りなさ』を感じてしまいます。

政治的発言になりますから、言葉を選ばなくてはならないですが、

「過去の経緯から見て、格付け会社の評価はそれ程市場に影響を与えるものではないと思っております」

位の発言が良いのでは…と勝手に思っています。

それよりも、わたしが気になるのは、「最近の(欧)米の日本経済に対する戦術」です。

特にIMFの動きが気になります。それに関する記事が二つあります。一つは日本経済新聞電子版のもので、


IMF幹部、日本に消費税増税促す 「財政赤字削減を」
2011/1/28 7:31

【ワシントン=岩本昌子】国際通貨基金(IMF)のカルロ・コッタレリ財政局長は27日の記者会見で、日本と米国の財政再建について「財政赤字削減のために、緊急に財政運営を見直す必要性が以前よりも高まっている」と指摘した。日本については「消費税がまだ非常に低い。税率を引き上げる余地は十分にある」と語り、税制改革を促した。

IMFは同日、世界各国の財政状況に関する最新報告を発表。先進国の財政再建のペースが2011年に鈍るとの見通しを示した。』
(http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C9381959CE0EAE2E2EB8DE0EAE2E3E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;bm=96958A9C938181E29B8181E3E08DE0EAE2E3E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2 参)


更に、もう一つは、読売新聞電子版の記事で、

IMF局長、日本国債格下げ判断に理解示す

【ワシントン=岡田章裕】国際通貨基金(IMF)のコッタレリ財政局長は27日の記者会見で、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が日本の長期国債の格付けを一段階引き下げたことについて、「日本が中期的に全面的な財政再建を必要としているのは明らかだ」と述べた。

 また、日本国債の9割ほどが国内で保有されていることについて、「財政再建を避ける理由にはならない」と述べ、S&Pの判断に理解を示した。

 同局長は財政再建の実現には、税制改革による歳入増が重要になるとの見方を示した上で、「日本の消費税率はいまだに極めて低く、引き上げ余地は十分にある」と強調した。IMFは同日発表した財政報告書でも、日本の財政再建の遅れを指摘している。
(2011年1月28日10時31分 読売新聞)』
(http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110128-OYT1T00285.htm 参)


IMFとアメリカ財務省がタッグを組んでいることは周知の事実で(J・スティグリッツ教授やP・クルーグマン教授は、彼らの勧める『財政政策』に疑問を呈し続けています)、今回の、『S&Pによる日本国債格下げ』と『連動』しているような気がして仕方がありませんね。

確かに、日本も「今のままの財政運営はマズイ」ことは承知ですが、今、IMFが言うような(そして日本の財務省が進めたがっている)『金融引き締め』を行うと、日本経済の足腰は益々弱くなるでしょう。

穿った見方をすれば、「日本の財務省が欧米諸国にお願いして、『外圧』応援をお願いしてるのではないか」と思ってしまいます。財務省は「消費税を大幅増税さえできれば、税収が増える。それで現政権が吹っ飛ぼうと知った事ではない。われわれは消え去る事は無く、政権が替わるだけで、操る人形が替わるだけ」と思っているかも知れませんが、それは非常に短絡的な観方のように思えます。まず、大幅増税すると、ますます景気が悪化し、消費が冷え込みます。すると、ますます消費者物価は低下せざるを得ない。つまりはデフレ、更なるデフレですね。するとますます雇用は悪化しますから、失業者が増加する。そして、思ったようには税収は増えない。更にこれらの失業者のうちの多くは『福祉』(生活保護などです)に頼らざるを得なくなるので、国の福祉支出は増加する。しかも、これらの『金融引き締め』の直撃を受けるのは、日本の経済を実質的に支えてきている『中小企業』です。一部の部門(特殊な技術を持っている)中小企業は生き残る事ができるでしょうが、多くの『(下請け)中小企業』は、もう今でもギリギリですから、倒産が増えるでしょう。

わたしは、これは『TPP』とも絡んでいるような気がしています。

TPPの『ターゲット』は日本でしょう。これら一連の動きは、米国による日本のTPP参加に向けての「下地作り」のような気がします。

日本でTPPと言えば、すぐに『農水産業』の話になりますが、TPPはそんなになま優しいモノではありません。その影響は『金融』『資産の移動』『人(労働力)の移動』など、あらゆる分野に及びます。

もちろん悪いことばかりではありません。貿易には『比較優位』の原理が働くからです。日本の『比較優位』産業にとっては歓迎する所かも知れません。ただ、これは比較優位でない(日本では、やはり『農林水産業』が最初にくるのでしょうね)産業に対して、政府が「補助金」等の、「トレード上の不正政策」をどこの参加国も行わない…という前提で成り立ちます。そして、過去の米国の例で言えば、米国は『比較優位』を歪ませる「補助金」をばら撒いてきています。ですから、TPPにおいても、米国にも「弱み」がある訳です。

ところで、IMFの『国家財政再建のパフォーマンスの悪さ』は少し調べれば直ぐに解ります(むしろ、それに従った国の財政悪化状態、従わなかった国の財政健全化実績を調べてみれば良く解ると思います)。『テキーラ危機』や『アジア通貨危機』の時のIMF(や世銀)の対応は、まさに危機に陥った国を更に痛めつける以外の何物でも無く、それは欧米の投資家を守るための介入だった事が解ります。より詳しく知りたい方はJ・スティグリッツ教授やP・クルーグマン教授の一連の著書をお読みになることをお勧めいたします。

「タマネギブランド 危機」 わたしの好きな淡路のタマネギは…

わたしも大好きな『淡路のタマネギ』。その淡路のタマネギが危機状態! という報道が読売新聞電子版の地方ページに掲載されていました。

淡路のタマネギは本当に甘くて美味しいです。個人的には「生き残って欲しい」農産物です。しかも、『明石海峡大橋』が出来たので、家から通勤圏内(^^)です。しかも例の「休日高速道路どこまで乗っても(乗り換えない限り)千円」政策のお陰で、休日に買い出しに行けば、現地ですぐに買えてしまいます。当然と言えば当然ですが、現地で買えば非常に安い!

わたしは経済学的な観点からは、「休日高速道路どこまで乗っても(乗り換えない限り)千円」政策には反対です(これは「ピグー税」を課すべきで、むしろ「負の外部性」を与えているのですから、それ相応の負担は当然だと思います。ただ、以前の片道五千円-だったかな?-と言うのはコスト計算をしてみなければ何とも言えないのですが、欧米先進国の高速道路料金に比べて-他の高速道路料金にも当てはまりますが-高すぎると思います。これも(直観レベルですが)、そこに日本の『宿痾』とも言うべき「過大な官僚的死重損失」が隠れていると感じています(この場合は『国交省』と『道路公団』でしょうね)。これらの「死重損失」は経済を歪め、経済成長の手枷・足枷となります。一言で言えば『異常な非効率』と言うことです。これらの『手枷・足枷』は、経済状況が良い時は、国民はそれほど敏感に感じないでしょうし、今のダラダラとした不景気(リセッション)下においてさえ、殆ど解っていないと思います。

政府(菅政権)は、『TPP』参加を真剣に模索し、農林水産業者さんたちは真剣に反対しています。『TPP』に参加すると、日本の農業は壊滅的状況になる…もしそうなら、わたしの好きな『淡路のタマネギ』も食べられなくなってしまうのかもしれませんね。

『TPP』については、色々と言いたいことが満載なのですが、今回は、それは置いておきます(できれば「別の機会」にしてみたいです)。

『淡路のタマネギ』問題から、気付いたのですが、実は、

「わたしはタマネギ栽培について殆ど何も知らない!!」

今更ながら、「こんな事も知らずに長いこと人間をやってきているな~」と認めざるを得ない状態です^^;

とりあえずは、『タマネギの育て方』をお勉強。
(http://allabout.co.jp/gm/gc/187868/ 等参)

『タマネギは、種をまいてから収穫までの期間がおよそ10ヶ月間と、栽培期間が長い作物のひとつ』

うわっ、のっけから「手間のかかる農産物」だと言う事が判明。でも、

『植え付け時に、たい肥やボカシ肥などの元肥を入れておけば、追肥の必要はありません』

追肥の手間は省けるのですね。

『せっせと栄養を貯蔵している冬期の手入れがポイント。冬期に乾燥しやすい太平洋沿いの地域では、適度な水やりを忘れないようにしましょう。』

えっ、やっぱり大変そうですね~

『すべての苗の茎がバタッと倒れたら、土の乾燥している日を選んで掘り上げます。収穫後は茎を切らずに5~6個ずつ紐で束ね、雨の当たらない風通しのよい場所で乾燥させると、12月頃まで保たすことができます。』

成る程、収穫のタイミングは『すべての苗の茎がバタッと倒れた』時なのですね。

こうして長い時間と手間と労働そして『自然の恵み』の『結晶』があの『美味しい淡路のタマネギ』となって、わたしたちの『食』を支えてくれている訳ですね。

さて、報道の本文ですが、


タマネギブランド 危機

農家高齢化 作業軽いレタスに転作・・・ 

淡路島特産・タマネギの作付面積が激減している。農家の高齢化などで、作業が楽なレタスへの転換が進んだためで、2007年度までの約20年間で半分に。「淡路島たまねぎ」は甘さと軟らかさが評価され、昨年11月に特許庁の地域団体商標に決まったが、約120年の歴史を持つ特産の“危機”に、県やJAは機械化支援など〈ブランド死守〉に懸命だ。(竹上知秀)

 県によると、1985年度に2980ヘクタールだった作付面積は、07年度は1646ヘクタールに減少。レ

殆ど肥料を使わない成井さんのタマネギ畑
殆ど肥料を使わない成井さんのタマネギ畑 すべての苗の茎がバタッと倒れているので収穫時期なのでしょうね

タスは85年度の618ヘクタールから、07年度は1226ヘクタールと倍増した。

「ブランドを守りたいが、きつい作業に体がついていかない」。タマネギ畑50アールを20アールに減らし、レタスに切り替えた南あわじ市の農業竹原清さん(77)は、作業の負担から転作を決断した。

 島内のタマネギ畑の多くは、冬場はタマネギ、夏場には米を作っている。

 タマネギの収穫期は田植え前の半月程度に限られ、作業が集中する。10アール当たりの収穫重量がレタスの2・5トンに比べ、タマネギは6トンと重く、運搬などの負担も大きい。一方で、収益自体はレタスの方が高い。

 さらに、耕地面積が30アール以上など一定規模の農家のうち、60歳以上は約7割(1万733人)を占め、農業従事者の高齢化も減少の一因になっている。

玉葱小屋
これが風物の「玉葱小屋」

 淡路島のタマネギは、1888年に栽培が始まり、生産量は県全体の約9割。県の生産量は現在、全国で3位だが、1965年に大阪府を抜いて1位になったこともある。

 水はけの良い土壌と温暖少雨の条件が独特の「甘み」を生み、日本に初めてインドカリーを紹介した老舗「中村屋」(東京都新宿区)も使う。淡路島産は生産量トップの北海道産より、約3割高値で取引される。

 危機感を強める県は、収穫作業を省力化する機械購入への無利子融資制度を設けるなど、地域ブランドの維持に懸命で、JAも、収穫期に作業要員の派遣をあっせんする。県の担当者は「成分分析でおいしさの科学的根拠も示し、何とかブランドを支えたい」と話す。
(2011年1月23日 読売新聞)』
(http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20110122-OYT8T00950.htm 参)

やはり、農家を支える農業従事者の方々の高齢化、そしてタマネギの『重さ』は、かなり『重要なファクター』のようですね。『農業従事者の方々の高齢化』は農作業の軽労働化を選好するのでしょうね。それでも、個人的には『淡路のブランドタマネギ』には生き残って欲しい。

世界を見渡せば、例えば『オランダ』は

オランダのタマネギ輸出
オランダのタマネギ輸出

『大量の玉ねぎを世界中に輸出している国の一つであり、世界の20%のシェアを握っているほどである。オランダ産の玉ねぎの輸出合計金額は2億ユーロ(約220億円)以上と推計されている。そして、生産した玉ねぎの約90%が、世界中の90カ国に輸出されている』

のですが、その『秘訣』は、

『オランダ農家は高い品質を確保するために、高度な機械や加工技術を利用しているようだ。』
(http://d.hatena.ne.jp/makaru/touch/20100904/1283601366 参)

と言うところに注目したいです。淡路島のタマネギも「日本人独特の細やかな農産物へのこだわり」と言う優位性を維持しながら、「日本得意の高度な機械や加工技術」を使って(つまりは『農業従事者の方々の高齢化』というマイナス面を補い)、世界市場で競争力のある、本当の意味での『ブランドタマネギ』となって、生き残って欲しいです。

『神戸牛』が、世界で高値で取引されるように、『淡路タマネギ』も、「高いけれども、それだけの価値がある」農産物になって欲しいです。

最後に、「『TPP』については、色々と言いたいことが満載なのですが、今回は、それは置いておきます」と書きましたが、私見ですが一言だけ。

「TPPは成り立たない」と思っています。それは(現在『主導的』立場に立っている)米国自身が一番良く解っていると思います。

不遜な言い方ですが、ある意味「日本政府の国際的な政治能力と外交能力を試すには、良い“試金石”」になるかとは思いますが…

『生産能力10倍 「石油」つくる藻類、日本で有望株発見』についての「期待」と「不安」

日本は言うまでもなく「石油輸入大国」。日本は『年間約2億4,300万キロリットル(2006年)という世界第2位の石油輸入国』であり、石油は『産業活動や暮らしにとって依然として大切な資源であり、今後も、その安定的な確保が大きな課題』(JOGMECサイト参)です。また「日本の原油輸入額」は概ね年間9兆円(GDPの約1.7%程度)と巨額です。
日本のエネルギー使用の推移
(http://www.jogmec.go.jp/about_energy/resources_oil/index.html 等参)

世界の歴史は、ある面から観れば『石油確保』を取り巻いたものであった、と言っても言い過ぎではないと思います。日本が第二次世界大戦を戦わざるを得なくなった、その一つの大きな要因は『石油禁輸』措置によって、「自国で石油資源を確保しなければならなくなった」からと言う面を見逃す事はできません。また、それは同時に『石油』という資源は『特別な資源』であるという事を意味しています。『石油』は産業にとっても非常に重要な資源ですが、同時に食料・重要金属と並ぶ重要な『戦略物資』でもあるわけです。『石油』が無ければ「戦車」も「戦闘機」も動かない訳で、幾ら兵器を持っていても、それらを動かすことが出来ない訳で、『軍事力』は意味をなさないでしょう。

まあ、そんな物騒な話は横において置くとして、去年の末に素晴らしいNEWSが朝日新聞電子版で報道されてました。


生産能力10倍 「石油」つくる藻類、日本で有望株発見
2010年12月15日7時0分

藻類に「石油」を作らせる研究で、筑波大のチームが従来より10倍以上も油の生産能力が高いタイプを沖縄の海で発見した。チームは工業利用に向けて特許を申請している。将来は燃料油としての利用が期待され、資源小国の日本にとって朗報となりそうだ。茨城県で開かれた国際会議で14日に発表した。

 筑波大の渡邉信教授、彼谷邦光特任教授らの研究チーム。海水や泥の中などにすむ「オーランチオキトリウム」という単細胞の藻類に注目し、東京湾やベトナムの海などで計150株を採った。これらの性質を調べたところ、沖縄の海で採れた株が極めて高い油の生産能力を持つことが分かった。

藻類「オーランオキトエイウム」の沖縄株=筑波大
藻類「オーランオキトエイウム」の沖縄株=筑波大

 球形で直径は5~15マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。水中の有機物をもとに、化石燃料の重油に相当する炭化水素を作り、細胞内にため込む性質がある。同じ温度条件で培養すると、これまで有望だとされていた藻類のボトリオコッカスに比べて、10~12倍の量の炭化水素を作ることが分かった。

 研究チームの試算では、深さ1メートルのプールで培養すれば面積1ヘクタールあたり年間約1万トン作り出せる。「国内の耕作放棄地などを利用して生産施設を約2万ヘクタールにすれば、日本の石油輸入量に匹敵する生産量になる」としている。

 炭化水素をつくる藻類は複数の種類が知られているが生産効率の低さが課題だった。

 渡邉教授は「大規模なプラントで大量培養すれば、自動車の燃料用に1リットル50円以下で供給できるようになるだろう」と話している。

 また、この藻類は水中の有機物を吸収して増殖するため、生活排水などを浄化しながら油を生産するプラントをつくる一石二鳥の構想もある。(山本智之)』(朝日新聞電子版より)
(http://www.asahi.com/science/update/1214/TKY201012140212.html 参)


ちょっと「残念」なのは、この『オーランチオキトリウム』、

『他のラビリンチュラと同様、葉緑体を持たない従属栄養生物であり、周囲の有機物を吸収して生育する』

と言うことですね。『葉緑体を持たない』と言う事は、光合成をしないという事で、二酸化炭素を吸収してくれない。だから、これでは『地球環境問題』である「二酸化炭素の減量」には貢献して貰えない。確かに研究が進めば、エネルギー問題の解決には繋がるかも知れませんが、それは益々、二酸化炭素の加速的増加を招くかも知れません。

このオーランチオキトリウムが光合成を行う生物であったならば、それは「究極の二酸化炭素リサイクル型エネルギー生産システム」が実現することになると思うのですが…。

しかし、「日本は資源大国になる」と言う話は『メタン・ハイドレート』の時もありましたが、未だに実用化に向かっている様子も見えませんね。この『オーランチオキトリウム』の話は、『メタン・ハイドレート』よりは実現可能性が高いように思えますが、期待しつつ、もう少し様子を見る方が良いのかも知れません(もちろん「それに投資をしたい」という人たちの投資意欲は歓迎するべきだと思います。投資家は『リスク』を負ってくれる訳で、その第一の受益者でもありますが、それが『実用化』された時には、わたしたちも、その“正の外部性”の恩恵を受けますからね)。

もしもこれが『実用化』されると、その政治的・経済的(文化的にも)影響は計り知れないものがあります。おそらく『石油産業』は当然として、あらゆる産業構造へその影響は波及するでしょう。『繁栄』と『混乱』(『争い』)は必至でしょうね。

もう少し「怖い話」と「良いアイデア」があるのですが、ここで書くのは(ケチくさいですけど)止めておきます^^;

「兵庫県内市町の09年度実質成長率 プラスは4市町のみ」から考えること

毎日新聞電子版に兵庫県の「09年度実質成長率」が掲載されていました。結果はやはり「かなりのマイナス成長」でした。米国は自国発の(サブプライム・ローンに端を発する)『リーマン・ショック』、EUはリーマン・ショックとさらには『ギリシア危機』『アイルランド危機』によって、「世界同時不況」状態が継続しているようです。

世界中で、『需要不足』が蔓延している状態ですね。ただ、

「本当に『需要不足』なのか?」

と言う問に関しては、もう少しだけ考えてみる必要があるでしょうね。
わたしは本当に『需要不足』が起こっているのではなく、供給して欲しい(つまりは『需要』要求がある)人たちは(本当に)非常に多く居るのですが、彼らには『購買能力』がないのです。世界中で様々な面で(経済的?)「不協和音」が轟いているようです。

中国は驚異的な経済成長を続けていますが、国内でも「非常な(異常な?)貧富の差」と「土地(と株)バブル」が起こっており、そのファンダメンタルズはまだまだ脆弱性を抱えています。しかも、中国は日本以上に「輸出頼り」経済ですから、今の「世界同時不況」状態は、中国経済の継続的な成長にとっては阻害要因でしょう。しかし、中国は、その『安価な製品(今までは主に労働集約的産業製品)』で優位で、それは欧米(特に米国)の雇用を奪ってきました。しかし『経済』というのは皮肉なもの(と言うか「お互いの利害が絡まっており、ある“ホメオスターシス・レベル”で釣り合うようになっているようです」)で、雇用を奪われたアメリカ人は、実は「安価」な中国製品消費者だったりするのです。雇用を奪われたアメリカ人は、収入が断たれたために、(中国)製品を買えない。或いは、「もっと安価なバングラデッシュ産」の品物を買おうとする。

日本においても、同様に『グローバリズム』と言う名の『ワシントン・コンセンサス』をあまり考えもなく導入したために『金融』『資本』そして『雇用』の自由化が行われました。その中で、わたしたち国民が一番肌身に感じるのは『雇用の自由化』による、日本経済のアメリカ化です。しかも、日本は更に悪い事に「雇用文化」(と一応言ってみます)において(一部、昔からの「雇用文化」が残っており)、企業にとって「良いとこ取り」状態になっています。つまりは米国では「企業を変わって行く」「景気の良い州へ転居して職をさがす」「キャリアやスキル、能力があれば以前よりも良い条件で再就職ができる」という「雇用文化」を持っているようです。ただ、アメリカも最近はそのような「雇用文化」が崩れつつあるようにも見受けられますが…。

さて、日本は失業率が5%程度で、欧米諸国の半部程度(欧米諸国では10%程度)と言われていますが、野口悠紀夫教授が、

『日本の失業率は、米国並みに高く、実は9%くらいなのではないか-』

と発言されて、各方面から(批判的?)反響があったとか伺っていますが、わたしも野口教授と同意見です。日本の場合、昔は「35歳を超えると再就職の口が無い」と言われていました。今はもっと酷いでしょうね。なにせ大学新卒者ですら就職率は70%程、10人のうち3人は就職できていません。『就職超氷河期』などと言われていますね。だから、現状、倒産やリストラで職を失った人たちは、「失業手当」を貰いながら就職活動を余儀なくされます。「ハローワーク」通いをし、毎日、職を求め、最初は「今までの経験を生かせる職場」を希望しますが、見つからない。それで「もう何でも良いですから仕事が欲しい」と訴えますが、結局は大半の人たちは再就職先が見つからない。失業手当が打ち切られ、貯金が底をつき始めると、「もう田舎に帰るか…」となったりします。それでもまだ「帰る田舎のある人」は恵まれています。これはきっちりと『統計』をとるべきですが、そいやって「再就職を諦めた人」「再就職を諦めざるを得ない人」は、『失業率』のカウントから除外されてしまいます(『失業者とは「働く意思と能力があるのに仕事に就けない状態にある人」のことを指すため、病気やケガなどにより仕事に就けない状態でも職場から賃金などを受け取っている人=「休業者」や、仕事探しをあきらめた人=「就業意欲喪失者」などは失業者に含まれない』と言う定義なので、「職を失ってから、何年も職探しをしたけれども、結局、再就職先が見つからず、諦めてしまった人たち」はカウントの中に入らない事になってしまいます)。

ちなみに、野口教授は、

『雇用調整助成金で企業内失業となっている人を失業とカウントすれば、9%を超えて米国と大差がなくなります』

と言われ、『企業内失業』をカウントしたら…という『前提条件』ですが、わたしの見方は、野口教授とは異なります。わたしの『理屈』でいえば、野口教授の『企業内失業』までカウントすると、「日本の(実質)失業率は、欧米よりも酷い」と言う事になります。

だから正確な『統計』をとるべきなのですが、そうなると、日本の(実質)失業率は15%とか20%とかになってもおかしくはない…かも知れません。

しかし、この状況は当然『国』にとって良い訳がなく、「職が無く、貯金も使い果たしてしまった“無一文”の人たちの多くは『生活保護』に頼らざるを得ない」状況になります。そしてそれを賄うのは、当然『税金』(この間の発表-だから09年度?-の『生活保護費』は初の3兆円超えを記録したとか)。つまりは企業や企業に生き残った人たちは「彼らを切って経営を再建し、自分たちの職場を守った」気になっているかも知れませんが、結局は、廻り回って、「切ったはずの人たちの生活の面倒を見なくてはならない」という状態になっているのです。それは、結果的には、「この国の経済の足を引っ張る」ことになってしまいます。

しかし、このような状況の中でも悪い話ばかりではありません。
この状況の中でも、「成長しているところは成長している」のです。

さて、話を元にもどしますが、09年度の地方の成長率は(と言っても、報道されていたのは兵庫県内だけ…それもその中の一部だけですけど)、軒並みマイナス成長だったようです。


兵庫県:市町の09年度実質成長率 プラスは4市町のみ

兵庫県は、県内の市町の09年度実質成長率(速報値)を発表した。全41市町のうちプラスになったのは、1割弱の4市町のみ。対照的に二けた台のマイナスと大幅に落ち込んだ市町も少なくなく、08年秋のリーマン・ショック後から続く不況の波が、いまだに根強く残っていることが浮き彫りになった。

 国のGDP(国内総生産)にあたる09年度の県内総生産は、物価変動分を除いた実質で19兆9215億円。県全体の実質成長率はマイナス6.7%と3年連続のマイナス成長だった。業種別(名目値)では、建設業が前年度比29.1%減と最も落ち込んだほか▽鉱業(前年度比22%減)▽製造業(同17.4%減)▽水産業(同)--なども下げ幅が大きかった。

 実質成長率のマイナス幅が最も大きかったのは、加古川市の26.6%。姫路市14.3%▽明石市12.4%▽稲美町12.3%▽養父市11.6%▽伊丹市11.5%--などと続き、神戸市も2.2%のマイナス成長となった。一方、プラス成長は▽赤穂市4.3%▽播磨町3.2%▽加西市2.6%▽神河町0.2%--だった。

 前年度と比べると、下げ幅が拡大している市町が多い。県統計課は「製造業の盛んな地域の落ち込みが大きい。これまでの『貯金』も使い果たし、不況の影響を大きく受けたのでは」と分析している。【石川貴教】
毎日新聞 2011年1月26日 6時30分』
(http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110126k0000m040146000c.html 参)


わたしが今、「お勉強」しているのは、マクロレベルの経済なので、地方自治体、特に日本の地方自治体財政については(大体『経済学』の教科書は米国の経済学者のモノが多く、それはシステムや文化や国民性、さらには米国は現時点ではドルが基軸通貨である、などの『基本条件』が異なるので、「日本経済」を学習しようと思えば、それを日本に当てはめてみると言う、簡単では無い作業を伴います)、あまり多くを語ることができません。

この記事から言える事は、

『業種別(名目値)では、建設業が前年度比29.1%減と最も落ち込んだほか▽鉱業(前年度比22%減)▽製造業(同17.4%減)▽水産業(同)』

と言う観点から、加古川の落ち込み(これは、自分が直に見る街並みの発展状況からは意外でしたが)は、別府に神戸製鋼の加古川製鋼所がありますが、その業績が悪かったのかと思います(08年度には118,739百万トンあった粗鋼生産量は09年度に87,534百万トンに激減している)(例えば http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5500.html 参 これで見れば解りますが、粗鋼生産はもう完全に中国に食われてしまっていることが解ります)。

姫路市、明石市、稲美町、養父市は農水業の落ち込みも大きかったのかも知れません。姫路市は、もう少し「頑張れる」かと思っていましたが、こちらはその「下落要因」を調べてみる必要があるでしょうね。神戸市はマイナス成長ですが、2.2%に抑えているのは、業種が多様性があるからだと思われます。

むしろ注目すべきなのは、この状況の中でプラス成長をしている赤穂市、播磨町、加西市、神河町でしょう。特に赤穂市と加西市はなぜプラス成長出来たのか(失礼ですけど、赤穂市と加西市は「田舎の市」ってイメージがあるので…それで言えば、神河町もわずかでもプラス成長されたことは同様の感がありますが、良きお手本を提供してくれていると思います)、播磨町は工場誘致が上手く行っており、その『業種』は調べる価値はあると思います。これらのプラス成長を達成した自治体については、その『成長要因』を調査することは、各自治体にとって、「素晴らしい教科書」になると思います。

中国はニクソンへ向かう?

1月20日のニューヨーク・タイムズ電子版の『オピニオン・ページ』で、P・クルーグマン教授が、現在の中国経済について書かれていました。タイトルは『China Goes to Nixon』。
どう言う意味なのか解らなかったのですが、下手糞ながら訳してみて、概ね理解することが出来ました。

クルーグマン教授は、中国経済の状況は『成長過程』だけれども、危険性も孕んでいる。その危険性は『金融混乱』にあり、混乱の原因は『根本の原因はその弱い通貨政策』にあると喝破されています。

米国は、「中国の元切り上げ」を望んでいますが、それは『強い元』は「中国の輸出産業の競争力を弱める=米国への輸出が減る」ので、それは米国の益になる…というような矮小な話では無く、世界経済を見た場合、ここまで大きくなった「中国経済」がもしも本当に経済危機に陥ると、その影響は世界経済を襲い、世界的な経済危機に発展するからであることが理解されます。

クルーグマン教授は、所謂『御用学者』ではないと確信していますから(確かに、大統領経済諮問委員会委員、IMF、世界銀行、EC委員会のエコノミストもされていましたが、内部でもかなり批判的な言動をされていたようで、組織内で『浮いて』いたかも知れません。そう言えば、日本に来日された時のTV番組で、御自分で「わたしは組織のリーダーになるタイプではない」とか、日本に来られる前に中国を訪れられ、どうやら嫌われたようで、「日本でも歓迎されないんだろうなー」等と発言されていたのが印象的でした)、その発言は純粋な『エコノミスト』としての発言と受けとめるべきでしょう。

           『 中国はニクソンへ向かう
by Paul Krugman

現在アメリカ合衆国を訪問している胡錦濤(中国の大統領)と、発達する中国の経済力についての話は、至る所にあります。そして、それらの物語は、まったく真実です:中国はまだ貧困国ですが、その成長は速くなっています、そして、その圧倒的なサイズは、経済超大国としてアメリカに追いつく途中と言ってよいでしょう。

しかし、中国が月を追うごとに悪化しつつある金融混乱に転がり込んだということも真実です。さらに、この問題への中国政府の反応-この政策は特別利益に対する敬意、知的な明快さの欠如とゲームを非難することに頼ることによって一見麻痺させられています-中国のリーダーが決定的に、そして、効果的にどのようなことでも行えることをあてにされるという概念で偽って示されます。実際、中国人は、よく、我々のように見えることを嫌がります。

どれくらい酷い所まで行くのでしょう? 中国が世界的な危機を起こすかもしれないと言う一部のアナリストからの警告は、大袈裟なようです。しかし、人々がそのようなことを言っているという事実は、状況が現在の時点でどれくらい制御できないように見えるかという兆しです。

中国の混乱の根本の原因はその弱い通貨政策です。そして、それは人工的に大きな貿易黒字を供給しています。私が過去に強調して来たように、この政策は残りの世界に悪影響を及ぼします。そして、多くの他の国で失業を増やします。そして、それにはアメリカも含まれます。

しかし、ある政策は中国にとっても良いことではなく、我々にとって良くはありません。実際、中国の通貨政策はlose-lose提案です。そして、同時に雇用をここまで落ち込ませた上に、中国自身にも過熱した、インフレーションを起こしやすい経済を引き起こすでしょう。

何が起こっているのか、1つ考えられるのは、インフレーションは人工的な通貨操作を取り消そうとする市場の力学であるということです。中国は、弱い通貨をその賃金と価格をドルによる決済条件下で低く保つために使っていました;市場の力学はそれらの賃金と価格を上げることによって反応しました。そして、その人工的に作られた競争的利点を侵食しました。私が聞いたいくつかの予想では、現在のインフレ率で、中国の過小評価が2または3年-早すぎることはないけれども多くが予想したよりも早く-でなくなることを示唆しています。

中国のリーダーは、しかし、この結果を、輸出者の利益を保護するためではなく、他のどこよりも、中国ではインフレーションが嫌われるので防ごうとしています。1つの大きい理由は、中国がすでに財政的な抑制を通して実質的にその市民を搾取しているからです(他の理由もありますが、ここでは関連していません)。銀行預金の金利はちょうど2.75パーセントに抑えられています。そして、それは公式インフレ率以下にあります-しかも、本当のインフレ率は政府が認めるその率よりも、かなり高いと広く信じられています。

たとえ賃上げによってマッチされるとしても、速く上る価格はこの搾取を非常により悪くするでしょう。中国の市民がインフレーションに怒っていること、そして中国のリーダーがそれを止めたいことは驚きでありません。

しかし、いかなる理由であっても-輸出利益の為であろうと、米国の要求に屈服するように見える如何なることに対しても拒絶以外全く考えることはできないことだけは明らかです-彼らは、根本の原因に対処して、彼らの通貨を上げる気がありません。その代わりに、彼らは金利を上げ、信用を制限することによってインフレーションをコントロールしようとしています。

これは、グローバルな視点から破壊的です:まだ多くの世界経済が落ち込む中で、我々が最も不必要なのは、金融引締政策を進めている一流のプレーヤーです。中国の展望から突っ込んで言えば、しかし、それが働いていないということです。信用制限は実施するのが難しい上に、海外からのホットマネーの流入によって、さらに弱体化されてしまいます。

将来的に値下がりしようとしている経済を冷やす努力で、中国は価格統制-めったにうまくいかない方針-でインフレーションを制限しようとしてきました。特に、それはここ米国で、ニクソン政権の間に、最後に試された時、ぶざまに失敗した政策です。(そして、その通り、これはたった今、中国がニクソンへ向かおうとしていることを意味します。)

それで、何が残されますか? さて、中国は非難遊びの方に目をやりました。そして、連邦準備制度理事会(誤って)をあまりにたくさんのお金を印刷することによって問題を生じさせたとして訴えました。しかし、連邦準備制度理事会を非難している間、中国のリーダーたちは気分が良いかも知れません、がそれは米国の通貨政策を変えませんし、中国のインフレーション怪物を手なずけるようなこともしません。

これの全ては、本当に成熟した危機に変わることができましたか? もしも私が自国の経済史を知らなかったなら、この考えが信じられなかったかも知れません。結局、中国の金融混乱の解決は、単純で明らかです:ちょっと通貨を上げてください、早々に。

しかし、私は自国の経済史を知っています。そして、それは私が政府がどれくらい、時に長年の間、明らかに正常なことをすることを拒否するかについてわかっていることを意味します-そして、特に通貨価値に関する時は。何時も、彼らは人工的に通貨を弱いというよりはむしろ強くしておこうとします;しかし、それはどちらの方法ででも大きい混乱でありえます。

それで、世界全体への副次的損害を伴って、我々の最新経済超大国は、本当に何らかの経済危機へ行く途中にあるかもしれません。我々は、世界経済への波及危機を必要とするでしょうか?』
(http://www.nytimes.com/2011/01/21/opinion/21krugman.html?_r=1&partner=rssnyt&emc=rss 参)

非常に拙い訳で、(自分でも)良く解らない部分がありましたし、かなり「意訳」させて頂きましたので、元の『意味』(教授の書かれていること)と違っている所があると思いますが、概ねの意味が解れば…という事で御容赦してください。また、誤訳があれば、訂正して頂ければありがたいです。

クルーグマン教授は、正しく『中国の過熱経済』、バブル状態の経済を認識されているようです。ニクソンの失敗した『経済政策』が正しくは、どの『経済政策』なのか、良く理解していませんが、恐らくは『ニクソン・ショック』(所謂「金兌換の廃止」によって、プレトンウッズ体制の終了と変動為替相場制への移行)の事だろうと思っています。

『ニクソン・ショックは、その後の1970年代の政策迷走、現代にも残る莫大な貿易赤字という不均衡を生み出すスタート地点となる』(wiki参)からです。

中国経済は順調…ではなかった!?

「中国経済成長はまさに奇跡」
「中国ブームに乗り遅れるな」と言う強風が世界経済に吹いている。

あのジョセフ・J・スティグリッツ教授でさえ、

『わたしは中国経済にかんしては楽観論に与する。中国を訪れると至るところで活気あふれるエネルギーのようなものを感じとれる。数年前までは好景気が実感されたのは上海をはじめとする東側の沿岸地域に限られていた。しかし、わたしがここ2年ほど中国の中央や西部へも足を運んでみた感想では、エネルギッシュでダイナミックな気運が全土にみなぎっていると言っていい。
「中国は目覚めた」――こんな言い方が妥当かもしれない。』(「世界に格差をバラ撒いたグローババリズムを正す」ジョゼフ・J・スティグリッツ 徳間書店刊 p.18)

と、手放しで称賛している。

確かに、今の中国の経済発展は目を見張るものがあります。
「中国投資をするなら今の内」(と言うか、もう乗り遅れている?)

中国は『一国二制度』の下で、その経済力を飛躍的に拡大し、今やGDPは日本を抜いて、世界第2位。『経済特区』を作って外資を呼び込む所から、その発展は始まりました。そして、『北京オリンピック』『上海万博』と二つの『ビッグ・イベント』を呼び込み、インフラも整備されました。

「豊かになれる者から、豊かになれば良い」

と言う、故登小平氏の掛け声と共に、中国の発展は始まったのです。

中国の発展が(他の発展途上国と違って)上手くいったのは、同じくスティグリッツ教授によれば、

『中国はグローバル化を注意深く管理してきた。輸入品に対する市場開放のペースはのろく、現在でも、投機的なホットマネー(短期でのハイリターンを目的とする資金で、楽観論をともなって波のようにどっと押し寄せ、危機の芽生えを感じた瞬間にどっと引いていく)の流入は認めていない。たしかにホットマネーはにわか景気をもたらしてくれるかもしれないが、ホットマネーが引いたあとの景気混迷は、じわじわと経済にダメージを与えるので、にわか景気の儲け分などすぐに吹き飛んでしまう。このことを理解していた中国政府は、東アジアとラテンアメリカの轍を踏まないようバブルの発生と崩壊をたくみに回避しつつ、年率七パーセント以上の経済成長を継続してきたのである』(前掲書 p.43)

更には、

『中国は三〇年間にわたる開発のプロセスを通じ、政策の主眼点を臨機応変に転換してきた。実際、二〇〇六年に採択された第一一次五カ年計画では、世界じゅうで高まる保護貿易の圧力を考慮し、輸出主導から内需主導へと軸足を移している。貯蓄率がGDPの四〇パーセントを超える中国にとって、投資の原資をどこに求めるかはもう問題ではなく、今必要なのは消費を刺激することだ。中国はある時点で、外国人投資家の誘致に主眼をおいていた。そして、目標が達成されると、国内起業家の育成に主眼をおきかえたのだ。』(前掲書 p.97)

スティグリッツ教授程の賢哲学者が、中国に太鼓判を押しているのだ。一般人なら当然、
「一枚かませて欲しい」
と思うのは、当然でしょう。

しかし、ここで疑問はありました。
「なぜ、『北京オリンピック』や『上海万博』などのビッグプロジェクトが終了したのに、景気後退が起こらないのだろう? 過去の歴史をみれば、このようなビッグ・プロジェクトの後には多少のリセッションが起きて当然のはずだけど?」

それらの『疑問』に答えてくれる著書があります。それは、中国問題、日中問題評論家の石平氏の『中国の経済専門家たちが語る ほんとうに危ない! 中国経済』(石平著 海竜社刊)

この著書は、石平氏の「通常の著作法ではない方法で書かれた」本です。それは、
『中国国内の専門家たちの目を借りて、中国の内から中国経済の実態をみてみようとする手法』です。

それが、可能になったのは、
『今の中国は昔の毛沢東時代とは違って、少なくとも経済問題に関しては、自由闊達な議論がほぼ完全にできるような状況となっている。政府の経済政策に対するあからさまな批判までも許されているから、彼ら国内の専門家たちは政治的圧力で自説を曲げる必要もなく、自分が正しいと思う論説を自由自在に吐くことができる』(前掲書 p.2)

からだそうです。さらに驚くことには、党主席や首相までもが、正直に、今、中国が抱えている経済問題について率直に語っていることです。

結論から言うと、
『中国は、二つのバブル経済によって維持』されています。そして、党・政府は『保八』と言う政策(成長率を八パーセント以下には下げない。なぜならば八パーセント成長率を切ると、それは『国家的危機』に繋がる恐れが強いからです。

ですから、スティグリッツ教授程の賢哲学者が、
『バブルの発生と崩壊をたくみに回避しつつ、年率七パーセント以上の経済成長を継続してきた』と言われたのですけど、どうやらそれは実際とは違っているようです。実態は、中国にはバブルが発生しており、しかも(主に)『土地バブル』を維持することによって、中国経済は『驚異の成長率』を維持している(と言うか、維持せざるを得ない)のです。

わたしも、幾ら石平氏(知る人ぞ知る、著名な評論家さんです)と言えども、その記述されている内容の『強烈』さに、疑いを持ってしまうほどですが、しかし、データも揃えられてますし(ただ、それでも「中国のデータだからなぁ」と思いましたが、それが悪い状況を隠すものでは無く、悪いものを悪いと書いている)、「何かを隠そうとしていない」事に非常に信憑性があり、反対に「怖く」なってしまったと言うのが正直なところです。

そこに、次のような報道が、朝日新聞電子版であったので、ますます石平氏の同書の信憑性が増してしまいました。

中国の不動産価格、4カ月連続上昇 規制でも抑えられず
2011年1月17日23時44分

【北京=吉岡桂子】中国国家統計局が17日発表した2010年12月の主な70都市の不動産価格指数は、前月より0.3%上昇、4カ月続けて値上がりした。中国政府は利上げなど金融引き締めに加えて、2軒目からの住宅の購入を制限するなどの規制で価格を抑えようとしているが、上昇は止まらない。

 前年同月比でみると、上昇率は6.4%で、昨年の春先をピークに徐々に下がっている。そのなかで、海南省海口(35.5%)、三亜(43.3%)での値上がりが目立った。

 中国人民銀行の昨年10~12月期の預金者アンケートでも、75.5%が住宅価格を「高すぎる。受け入れがたい」と回答。ここ2年で最悪の結果だった。中国政府は低所得者向けに今年1千万戸の住宅を供給する方針だ。

 一方、地方政府は財政収入の多くを農民から安く買い上げた土地を高く開発業者に売って稼いでいるだけに、不動産の値下がりを嫌う傾向が強い。複数の不動産を持つ富裕層も値上がりを期待している。重慶市は今年、高級な住宅などに対する不動産税の徴収を始める方針を決めたが、北京など多くの都市は見送る見通しだ。 』(朝日新聞電子版)
(http://www.asahi.com/business/update/0117/TKY201101170414.html 参)

石平氏の『中国の経済専門家たちが語る ほんとうに危ない! 中国経済』(石平著 海竜社刊)は、本当に皆さんに一読していただきたい著作です。全てのページが『驚愕』の連続ですが、その一部分を紹介させていただきます。尚、途中からなので「唐突感」を感じられると思いますが、そこは御容赦していただき、興味を持たれた方は是非、一読していただきたいと思います。

『□中国経済の動向は、2009年の経済対策が決定づけた
 以上のように、2008年夏から中国を襲ってきた未曾有の経済危機に直面して、中国政府はこの年の秋から、固定資産投資の拡大を中心とする「4兆元投資計画」と、「集中豪雨式の新規融資放出」という二つの「景気対策」を打ち出して、それを素早く実施に移した。その結果、2009年に入ってからの中国経済は破綻の崖っぷちに立たされていながらも依然として6.1%の成長率を維持することができた、ということである。
 そういう意味では、中国政府の景気対策は確かに「救急」としての効果を大いに発揮することができたともいえよう。
 中国政府としては当然、「6.1%成長率」の達成には満足せず、より高い目標を掲げた。この年の3月に開かれた全国人民代表大会では、温家宝首相は2009年の経済運営の目標を「8%前後の成長率の維持」(中国語では「保八」という)に決め、この数値目標達成のために全力を挙げていくことを誓った。
 それ以来、「保八」という言葉が毎日のように中国のメディアに登場してくるほど、「8%前後の成長率の維持」は中国の経済運営の至上命題となった観があるが、多くの中国の国内専門家が指摘しているように、「4兆元投資計画」と「集中豪雨式の信用供与」という二つの巨大規模の景気対策を実施していけば、「保八」は決して難しい目標ではないはずである。実際、後になってみて分かったように、2009年の中国の経済成長率は結局8.7%となったから、「保八」の目標はむしろ超過達成されたわけである。
 しかし、問題はむしろ別のところにある。
 二つの「景気対策」の実施によって「保八」の数値目標が達成されたことは果たして、中国経済の本当の意味での回復を意味しているのか。この二つの景気対策は果たして、中国経済の抱える根本問題の解決と中国の持続的成長のための基盤作りに寄与しているのだろうか。
 あるいは逆に、長期的な視点からすれば、「救急処置」としての景気対策はむしろ、中国経済の抱える諸々の矛盾や問題点を拡大する方向で動いているのではないか。
 要するに、2009年における中国経済の「奇跡的な回復」の実体は一体何だったのか、ということが問題となっているのである。
 この問題は実は、2010年に入ってからの中国経済が抱える多くの深刻な問題とも深い関わりをもっており、今後の中国経済の行方を占ううえでも大変重要な意味をもつ要素である。ある意味では、2010年の夏季から中国経済に訪れる危機の再来は、その火種をすべて、2010年の「経済回復」の中でまいたものであるといってよい。
 要するに、2010年現在と今後の中国経済を理解するためのカギは、09年の出来事にある、ということである。
 したがって本章は、まさしくこのような問題意識から出発して、多くの中国国内専門家たちの分析や解説を拝借しながら、09年において中国政府の実施した「景気対策」の内実とその限界性をきちんと把握したうえで、「2009年の経済回復とは何だったのか」を見てみようとするものである。』(前掲書 p.86~)

さらにもう二箇所を転載させて頂こうと思っていますが、これ全編が『驚くべき情報』の集合体ですので、是非とも一読をお勧めします。そして、その上で、御自分で判断して頂きたいのです。

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何がなんでも「消費税増税」? なんか順序がまちがってませんか?

自民党を離党し、『たちあがれ日本』に入党、その『共同代表』だった与謝野氏、今度は『たちあがれ日本』も離れ、民主党に入党、そして『閣僚入』。

一本筋を通してきた平沼氏にとって、与謝野氏の『風見鶏』ぶりには腹を立てておられるでしょう。実際、朝日新聞電子版の報道では、

平沼氏「民主政権立て直しは無理」 与謝野氏に不快感
2011年1月13日21時41分

たちあがれ日本は13日、臨時議員総会を開き、与謝野馨共同代表が提出した離党届を受理することを決めた。平沼赳夫代表は記者会見し、「与謝野氏は民主党政権のあり方に大変疑問を持っていた。民主党政権を立て直せるか、私は非常に無理だと思う」と不快感を表明。総会では「除名にするべきだ」という意見が出たことも明らかにした。

 園田博之幹事長は今後の民主党との連携について「我が党は菅政権そのものを信じていない」と、否定的な考えを示した。』
(http://www.asahi.com/politics/update/0113/TKY201101130565.html 参)

と報道されています。
かつて自民党の財務大臣時代には、まさに『財務官僚の代弁者』であった与謝野氏。確か、その頃から『消費税増税』ありきの説を唱えられていたと記憶しております。与謝野氏は著名な祖父・祖母である「与謝野鉄幹・晶子」の孫で、東大法学部卒業後、『母の知人・中曽根康弘の紹介で日本原子力発電に入社』していますから、官僚出身者ではないですが、『中曽根康弘』『日本原子力発電』という“ワード”でもわかる様に、「政治銘柄」であり、「半官僚」のような出自であると思われます。

平沼氏と言えば、小泉内閣の『最重要政策課題』であった『郵政民営化』に最後まで『反対』した『硬骨漢』。なぜ、平沼氏が自らの党である『たちあがれ日本』に与謝野氏を“共同代表”と言うポストで迎えたのかも、はなから『疑問』ではありましたが、(邪推すれば)ここでも中曽根氏が動いたのかも知れませんね。

さて、与謝野氏は『財務省の代弁者』として、一貫して『消費税増税』を唱えてきましたが、少し以前の『民主党』は『脱官僚・政治主導・成長戦略』を謳ってましたから、『与謝野・財務省連合』の受け入れられるところではありませんでしたが、鳩山・小沢両氏の『政治と金』の問題から(つまりは「政権奪取直後」から)、迷走を始め、『菅政権』に至っては、もう以前の『自民党政権』と同様(或いはそれ以上に)『官僚主導政権』になってしまっていますね。あれだけ高く掲げた『脱官僚・政治主導』の旗はどこへ行ってしまったのでしょうか?

菅首相は2010年の参議院選挙で「5%程度の消費税増税を検討」発言をし、自民党からは「我が党のパクリ」批判を受けた上、同選挙で民主党は10議席を失う『惨敗』。その後、菅首相は「わたしの混乱を招くような発言」という事で陳謝した。しかし、『消費税増税』は生き残っていた訳です。

だから、『増税』で、民主党と与謝野氏は「利害が一致」している…という訳ですね。

増税で社会保障、各党の共通認識に…与謝野氏

与謝野経済財政相は16日、NHKの番組に出演し、社会保障と税制の改革について、「ここ5年間ぐらい各党の間では、税を上げても財政再建に使うのは駄目で、社会保障(に充てる)という共通認識が広がっている」と述べ、消費税率を引き上げて社会保障の財源に充てるべきだとの考えを改めて強調した。

さらに、「社会保障制度や税制の改革は、1党ではなかなか難しい」と指摘し、与野党協議が不可欠との考えを示した。

 一方、枝野官房長官は与野党協議について、「窓口は民主党の玄葉政調会長や岡田幹事長にお願いする」と述べた。

 年金制度改革について、「税金でお願いする部分と保険料でお願いする部分と、うまくバランスを取って、時間をかけて理想の形にもっていく。各党の考え方にほとんど違いはない」と述べ、与野党の歩み寄りは可能との認識を示した。
(2011年1月16日20時29分 読売新聞)』
(http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110116-OYT1T00469.htm 参)

まず、『消費税増税』が必ずしも悪いとは思いません、が『タイミング』が悪すぎます。つまりは『順番』が間違っていると思うのです。

確かに今後の超が付く『少子高齢化』社会においては『社会保障』の問題は大問題であり、その『財源』も非常な問題だという事は、間違いの無い事実だと思います。

しかし、まずは「現状のだらだらと20年以上も続いている“不況対策”が先」だと思います。今の日本は“体力の衰えた病人(良くて半病人)”です。そんな『弱った』人から、さらに『お金(税金)』を毟り取ると、病人は「収入(=購買力)がギリギリ」でやってますから、もう「生活が成り立たない」。

まずは、『金融政策』と『財政政策』を使って、病人(半病人)を『健康体』にする事が先決でしょう。『健康』になれば、当然『収入』は増えますから、少々の『負担増』には耐えることができるでしょう。

『病人』状態のままで、さらに「金を毟り取る」と、とんでもない事になると思います。

益々の「リセッション」が当然の如くやってくるでしょう。

まずは、『グローバリズム』と言う名の『ワシントン・コンセンサス』から抜け出す事を考えるべきでしょう(『グローバリズム』には本来の『グローバリズム』と、『グローバリズム』と言う皮を被った『ワシントン・コンセンサス』があります。本来『自由経済』は『グローバル』なものですから、わざわざ『グローバリズム』などと言う必要は無いと思います。ただ、細かく言えば『資本主義』にも様々な『資本主義』がありますから、そこは細心の注意をしながら国家の経済の舵取りをする必要があります)。

まずは、『失われた“中間層”』を復活させる事が大切だと思います。この『中間層』こそが、「安定した負担力を持つ、経済安定の鍵」だと思います。

ココのところは非常に困難(今となっては?)な所なのですが、『大胆な累進課税を行い、資源の再分配』と言う政府が本来担うべき『機能』を発揮するべきだと思います。『格差社会』は経済的には『非常に不安定な社会』を現前させてしまいます。

もちろん、『(ささやき)声の大きなお金持ち=勝ち組』の人たちは「猛反発」すると思います。そして「そんな事をしたら、日本の“国際競争力”が無くなる」という理屈を持ってくるでしょう。しかし、現状の『格差社会』において日本は国際競争力をどんどん失っています。

ただ、彼らの言い分にも『一理』(以上か?)ありますから、それは『時限立法』などの措置をとる。「日本の体力が健康体になれば」それから徐々に『累進度』を『適正範囲』へと持って行く。

この『日本健康体化』を行わなければ、結局は、「貧困家庭への補助」「生活保護対象者の増加」や「治安の悪化に対する財政出費」等々が発生し、その『社会負担』は『時限的な累進課税とその再分配』に要する『社会費用』よりも非常に大きなものになると思います(やはり『日本人』は農耕民族と言うか、歴史的・文化的に『大人しい』民族ですから、『怒り』が外部に向かうより、内部に向かう傾向があり、それで「年間自殺者3万人」が続いているのだと思います。ただ、もしも「それが外部に向かうようになったら」、それは『お金』では計算できないモノとなるでしょうね)。

『倒産件数』を争い、『失業率』や『新卒者の就職率』の低さを争っているような状況では、どうしょうもないでしょう。

日本人はもう(あまりに長引く不況のために)「元気も気力も無い」状態です。『雇用創出』が大事ですが、今の日本人に「元気を出して“起業マインド”を持とう!」などと言っても、そんな「リスクを負う程の“元気”」自体が失われてしまっています。国民は生きて行くために頑張っていますが、このままでは『ジリ貧』です。日本国民から「元気を奪っている」原因の中に『バブル期かバブル崩壊期から著しく成長してしまったモラル・ハザード』と『(発展途上国や第三世界に顕著ですが、先進国にさえ厳然としてある)クローニー・キャピタリズム』と思います。日本の場合はそれ程取り上げられませんが、この国には(隠れた強大な)ソレらがあると感じています(その代表? が『官僚の天下り』でしょうが、それもコレらのほんの一面に過ぎないと感じて居ます)。

将来的には『社会保障』への負担が急激に増加する事は避けられない事実でしょう。ですから、一刻も早くまず『日本経済』(日本の国民の生活)を『国際競争』にも耐えられる、『社会負担の増加』にも耐えられる状態にする必要があると思います。それは「まず最初に消費税増税」ではないでしょう。

しかし、私事ですが、与謝野氏の名前が出る度に、
「御祖父さん、御祖母さんは、素晴らしく気骨のあった方々だったのになぁ」
などと思ってしまうのは、わたしだけでしょうか?
確かに『消費税増税』という一点では「ブレてない」ですけどね^^;

米国も「法人減税」…日本の「法人減税」が引き金?

朝日新聞電子版に「米国の法人減税」の報道がされていました。
税制自体非常に難しいのですけど、「法人税」はその中でも非常に難しいです。
以前、我が国(日本)の「法人税減税」について書きましたが、その時にも書いた事ですが、『法人税の帰着問題』は論争がありますが、『その税(法人税)の多くが、現実には、企業の所有者ではなく、消費者と労働者によって負担されている、と多くの経済学者は考えている』そして『企業は法人税を負担していないという点では、経済学者間では意見は一致している』(「公共経済学 下」J・E・スティグリッツ p.825)です。
ですから、「法人税減税」は株主、顧客、労働者にとっては、確かに歓迎するところかもしれません。

米国の実情について実体験的に知っている訳では無いので、良く解りませんが、過去、例えばブッシュJr.政権時に大きな減税を二度行っており『ブッシュ減税』と呼ばれていますが(その内容は、『ブッシュ前大統領が2001、03年に導入した大型減税策。所得減税が中心で、相続税率は現行ゼロだが、打ち切られると最高55%に跳ね上がる。富裕層向けの配当課税率は現行の15%から39・6%に、所得税率は35%から39・6%に軒並み上がる。』というもので、当時、ブッシュ大統領は「減税によって景気が刺激される」と言い、アメリカ国民はそれを信じた。が景気は刺激されなかった)(例えば「スティグリッツ教授の経済教室」ダイヤモンド社刊 参)、それは結局『富裕層殊遇税制』でした。オバマ大統領の「法人減税」がそれと同じとは言いませんが、その税の帰着が「株主」だった場合、やはり富裕層への優遇税制になるような気がします。

『減税を重要視する野党・共和党が下院で多数派を占めており、共和党側の理解も得られやすい』と言うところを見ても、その感は否めないような気がします。ただ、日本の「法人減税」とは異なり、その財源が『各産業向けに設けられている減税措置などの「抜け穴」を少なくする』と言うことなので、我が国の「法人減税」より『公正』なもののように思います。しかし、『抜け穴』は米企業にとって「非常に重要」なものですから(結局は「逃税」しにくくなるため、かえって米経済界は嫌がるような気がします)、それが受け入れられるのか、そして、オバマ政権が目論んでいるような効果があるのかは、良く解りません。

米政権、法人減税表明へ 先行日本に危機感
2011年1月14日3時5分

【ワシントン=尾形聡彦】米オバマ政権が、法人税率の引き下げを提案することがわかった。米政府高官が朝日新聞の取材に明らかにした。日本が新年度の税制改正で法人税率引き下げを決め、米政権や米経済界に危機感が広がっていることが影響しているとみられる。

 政府高官は12日夜、朝日新聞に対し「我々は、法人税率を引き下げ、課税ベースを拡大する考えを経済界などに話すつもりだ」と語った。近くオバマ政権は、経済界に対して税率引き下げを提案する。経済界や議会の反応を探りながら、2月にかけて、オバマ大統領が基本的な方針を明らかにする可能性がある。

 米国の連邦法人税率は現在35%で、州税とあわせた実効税率は、例えばカリフォルニア州で40%強になる。高官の発言は、連邦税率を引き下げる一方で、税収を失わないよう、各産業向けに設けられている減税措置などの「抜け穴」を少なくすることを示したものだ。2010会計年度の財政赤字が約1.3兆ドルと巨額なだけに、財政を悪化させずに、企業活動を支援する狙いがある。

 税率引き下げは、自国企業が海外に出るのを防ぎ、海外企業を呼び込む狙いがある。雇用創出を狙うオバマ政権の目標にもかなう。

 とくに日本が法人実効税率を現在の約41%から5%幅引き下げることを決めたことが、見直しの契機となった模様だ。

 法人税率は主要国では日本と米国が高く、欧州やアジアはおおむね20%台~30%台前半の水準にある。税率の高さが競争力をそいでいるとの不満は経済界に根強く、日本の法人減税が決まったことを受けて、減税を求める声が強まっていた。

 米国では昨年12月、オバマ大統領が設けた超党派の財政責任改革委員会が連邦法人税率を9%幅引き下げて26%とする案を示している。米商工会議所は今月11日、引き下げを求めることを表明。それに呼応するようにガイトナー財務長官も12日、今後検討に入る意向を示していた。

 提案後、議論は議会の場に移ることになる。減税を重要視する野党・共和党が下院で多数派を占めており、共和党側の理解も得られやすいとみられる。米経済界にとっては、税率引き下げと「減税措置の縮小」の組み合わせで、実際にどの程度の「実質減税」となるかが焦点になる。日本に続いて、米国も税率引き下げに踏み切れば、主要国間で引き下げ競争が加速することも考えられる。 』(朝日新聞電子版 より)
(http://www.asahi.com/international/update/0113/TKY201101130607.html 参)

日本よりも米国の景気回復の方が速いので、『市場』としての魅力は米国の方があると思います。「消費性向」も、その国民性から米国の方があるでしょうね。米国の「法人減税」は日本のそれよりは「投資」へのインセンティブはあるように思います。特に、中小企業に対する効果は、日本の「代替収入源」を考えると、米国の方が「良い減税」だと思います。

ただ、「減税による税収減」を『抜け穴』で埋めてしまうと、別の歪み(ある業種or企業は得をするが、別の業種or企業は損をする)を産み出すだけのような気がします。

『税率引き下げは、自国企業が海外に出るのを防ぎ、海外企業を呼び込む狙いがある。雇用創出を狙うオバマ政権の目標にもかなう。』

ですが、企業が海外に出るのは『税制』だけではなく『人件費』が大きいと思いますし、『税制』で言えば、『タックス・ヘブン』もあるし、まだまだ遥かに『法人税』が低い国があるので、それだけで狙い通りになるとは思えません。『雇用創出』についても、「実質減税」かどうか、また例えば「歪」がどういう「歪」になるのか(「資本集約的産業界」が実質減税であれば、雇用創出が見込めるでしょうが、「労働集約的産業」が実質減税だと、思惑と反対の効果になると思います)が問題だと思われます。

『日本に続いて、米国も税率引き下げに踏み切れば、主要国間で引き下げ競争が加速することも考えられる。』

だから、これもかなり疑問です。「代替増税」が無いのであれば、もう少し話は簡単になるのでしょうけど、「減税分、別の増税」では…『引き下げ競争』はその『実際の効果』を見てからでしょうね。しかし、どこの国も財政状況は逼迫していますね。その中での工夫ですから、非常に「微妙」な話です。

「人集まる施策」誓う―人口減少社会の現実ーでも必ず「道は開ける」

 読売新聞電子版の兵庫地域の報道を読んでいたら、役所の『御用始め』の報道が掲載されていた。タイトルは『「人集まる施策」誓う』。
 淡路経済も苦しいのだろうと思います。『少子高齢化』『人口減少』『高齢化や貧困層の増加による福祉費用の急激な増大』と、これからますます『難局』が予測されるからです。

 さらに、国自体が同様の『困難』に直面している訳で、そうなるとますます「国の地方切り捨て」は拍車がかかってくることが予測されます。出来れば、今のうちに、地方は団結し、現在でも不均衡であり、このままだと将来ますます不均衡の増が予想される「国と地方の(仕事量に見合った)財政均衡」を図るための『財源委譲』を要求し、実現することが大切になると思います。

 ただ、現実には、日本の人口予測は(出生中位・死亡中位で)平成24(2012)年で126,605千人。平成32(2020)年で122,735千人、平成42(2030)年では115,224千人。平成52(2040)年では105,695千人。そして平成62(2050)年には95,152千人と1億人を割る予想(『国立社会保障・人口問題研究所』による予測)。
(http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Mainmenu.asp 参)
予測値は様々な『係数』を使って予測されており、最悪の場合から、最良の場合(何が『最悪』で何が『最良』かはわかりませんが…)まで『予測』されており、上に揚げた数字は真ん中の数字です。まずこの真ん中の数字を取るとして、これから日本は『人口減少局面』に入り、2012年に126,605千人の人口が、8年後には387万人減少し、その10年後には更に751万人減少、そして、西暦2050年には1億人を割り込み、9,515万人になるだろうと言うことですね。しかし、凄いことです。2012年から僅か8年後には387万人減少すると言う事は、例えて言えば「横浜市が無くなる」と言う事ですね。兵庫県内で言えば「神戸市が2つ無くなる」。

 人口減少は必ずしも悪い事では無いかもしれませんが、当然『無駄なインフラ』が大量に発生することですし、今後は人口予想に応じた『インフラの(合理的な)縮減計画』が必要となるでしょう。そして、恐らくは、「人口過疎」の地方自治体から「消えて行く」でしょうね。だから、これからは『自治体間での人口確保』の綱引きが発生するでしょう。更に言えば、「福祉予算を食う、高齢者や貧困者は出て行って欲しい」と言うのが各自治体の本音になるでしょう。これはもう『地方財政危機』レベルの問題では無く、地方自治体の生き残りをかけた『戦い』になるでしょうね。そんな「危機感」をもう既に持ち始めているのが、今回の記事に載った『島(淡路島)内3市』でしょうね。

「人集まる施策」誓う
島内3市など仕事始め

仕事始めの4日、淡路島内の3市でも、市長が年頭訓示して通常業務を始めた。
 洲本市役所では、本庁職員約300人と、テレビ会議システムで結んだ五色庁舎職員らに、竹内通弘市長が訓示。「役割分担を果たし、いやな仕事にも率先して取り組んでいこう」と話した。
 南あわじ市の中田勝久市長は市文化体育館で、職員約400人を前に「夢と知恵と元気を出して、前向きに仕事を」と訓示。職員代表の喜田憲康総務部長が「市庁舎建設、あわじ環境未来島構想を<オール市役所>で取り組む」と述べた。
 淡路市役所では、門康彦市長が「人が集まる施策を」と、本庁職員約200人と、同システムで中継された各事務所の職員に呼びかけ。企業誘致や、5年後の地方交付税見直しを見据えた行政改革の必要性を話した。

 県庁では、井戸知事が干支(えと)・ウサギになぞらえ、「大きく跳びはねる時は、いったん沈まないといけない。(県が進める)行財政改革も同じで、単なる倹約に終わるのではなく次の夢を実現するための時期だ」と、幹部職員らに協力を訴えた。
 昨年発足した関西広域連合については、「国の出先機関をどう移譲していくか、国との関係で新しい道筋を付ける年にしたい」と、意気込みを見せた。
 県警本部では、坂明・県警本部長が訓示。今春の統一地方選や暴力団対策などを挙げて、「一人一人が改革を実行することが、社会の安全を守る上で重要だ。選挙の公正の確保や、正念場を迎えた組織犯罪対策などの課題に、立ち向かってほしい」と指示した。
(2011年1月5日 読売新聞)』
(http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20110105-OYT8T00141.htm 参)


 まず、『洲本市』ですが、総務省が発表した2009年度決算の『財政健全化指数』では、全国1750市区町村中、ワースト(悪い方から)209位。実質公債比率18.9%ですね。更に前年度より0.2%の悪化です。

 同様に『南淡路市』はワースト140位。実質公債比率19.8%。これは前年度よりも0.8%改善されています。
 
 さらに『淡路市』は、3市の中では最悪のワースト27位。実質公債比率23.2%。前年度よりは0.3%改善されてはいます。これ、昔の基準(公債比率20%)で言えば『赤字再建団体』ですね。

 さて、これら3市の『人口予測』ですが、『国立社会保障・人口問題研究所』の予測数字は、『日本の人口』程精緻には出されていません(2035年までの予測しか出ていませんし、5年毎の数字しか出されていません)が、

『洲本市』は2010年が47515人。2020年では42113人、2030年には36602人。2035年に33785人。と言う予測です。25年間で約29%の人口減ですね。

『南淡路市』は2010年が49414人。2020年では43437人、2030年には37502人。2035年に34510人。と言う予測です。こちらは25年間で約30%の人口減。

『淡路市』は2010年が46119人。2020年では40175人、2030年には34410人。2035年に31570人。と言う予測。こちらは25年間で約32%の人口減。

 これらの『数字』はあくまで『予測』ですし、以前にも書きましたが、「総務省が発表した2009年度決算の『財政健全化指数』」自体、個人的にはそれほど信用できる『数字』だとは思っていません。

 さらに言えば『人口予測』ですが、これ程『平均的』に人口の減少が起こるとは考えにくいです。と言うのは、「人口が減少し始めると、その市区町村を支える一人当たりの負担が増え、住人は、出来る限り負担の少ない他の自治体へ移動する」からです。まあ、そういう『現象』が起こると、土地や家は『供給過剰』になって、非常に「安価」になる。さらに言えば、実際には「売れない」ですから、『転居』への負の“力”が働くので、実際にはどうなるのかは解りませんが(土地を捨てる人たちも出てくるかも知れませんね)、まず、「早く出たもの勝ち」現象が起こるかも知れません。実例で言えば(再建に努力されている方々には失礼ですが)『夕張市』のような現象があちこちで起こると思われます。その結果、自治体間での『競争』が起こるでしょう(だから「生き残る自治体」と「消滅する自治体」が出てくるでしょうね)。

ただ、この件に関しては、わたしは個人的には「必ず“良い施策”が有る」と思っています(そのために、今さらですが『経済学』漬け状態になって考えています)。でも本当は、わたしなどよりもっと『優秀な方々』が“より良い施策”を考え出してくれると期待しております。

「中国人の日本の森林買収問題」について

年始の『報道番組』(番組名は覚えていませんが…)で、今、全国、特に「北海道の山林」を中国人が買い占めている問題の特番をやっていました。

その某番組の追跡によると、
① 日本の林業従事者は高齢で、継承者も居なく、少しでも老後の生活維持のためになるのであれば、『持ち山』を売却したがっている。

② 最初は、ヴァージン諸島にある『ペーパー・カンパニー』が買収しており、また社名も『現地名(日本の地名)を入れた社名だったので、その『最終の取得者』が特定できなかったが、執拗な追跡取材(これこそ“ジャーナリスト魂だと思います)によって、最終的な『収得者』は中国人(この番組の件では“香港”の電機メーカーの“御曹司”だったです)であった。

③ 「収得目的は?」と言う取材記者の質問に“御曹司”は「僕は、全世界に不動産を収集するのが趣味なんだ」(と言うような内容の回答でした)と答えられていましたが、それは、わたし個人的には『腑に落ちない』回答でした。

④ 番組の解説では「中国は土地所有(財産権)が認められていないので、海外の自分の“土地”資産を持ちたいと言う“願望”がある」と解説されていました。しかし、これも、わたし個人的には「では、なぜ中国人は(現在)資産価値の高い、そして利殖という面からみれば、遙かに合理的な都心の一等地の購入に真っ先に目を付けないのか?」という『疑問』が出てきました。

⑤ この番組では、それ以上の追及はされていませんでしたが、しかも驚くべきことに、地元の自治体は「中国の人がバブル期に頓挫してしまった“リゾート開発”に投資してくれると期待しています」と言うような、かなり「ピントのズレた回答」をされているのに唖然となりました。

⑥ 更に、中国人の買収している山林面積は半端では無く、「ヨーロッパの小国一国分はあるね」などと(この“単件”だけで)言っていました。

まず、わたしが、この時点でピンと来たのが『水資源』です。それは以前から「今後、水資源は最重要資源になる」と言われている事を知っていたからです(『水資源の今後の重要性』については調べたりしていました)。

さらに、「まずい事」は、実は『水資源問題』は『水資源』だけに留まらないことです。それはどういうことかと言えば、
「山は、単に木が生い茂っている場所ではなく、多くの“機能”を持っている」
と言う事です。

① 山林は、その『保水能力』によって、水害の被害から人間を守っている。

② 山林から流れる『栄養塩類』は、海を豊かにし、『海洋資源』(海産物)を豊かに育てる(「山が死ねば海も死ぬ」と言われています)。

山林は、単に『林業』だけの『場』ではなく、『米』が『日本文化』の『象徴』であり、それを育ててきたものとすれば、同等に『日本文化』を担ってきた『場』です。日本人である限りはそのような「山林」を入手したとしても、「最低限の社会的ルール」を守る、或いは『監督官庁の指示』等による『抑制』は効くでしょうけど、『中国人』にはそんな“理屈”は通らないでしょう。

日本政府は、大正時代に「外国人の不動産所得の制限に関する法律」という『法』を規定しており、それは現状でも「生きている」はずですが、実際には「条文だけあって、実行するための法整備は手つかず」の状態のようです。『国会』は『権力のあさり場』(それはいつの時代であっても否定はしませんが)だけの『場』ではないはずです。今は、『バラマキ政策』を論議するよりも、この『国土保全・保障』と『水資源確保問題』の方が、遙かに『喫緊の課題』だと思います。

ところで、このエントリに関してネット検索していたところ、次のような記事がひっかかってきたので紹介させていただきます。

なぜ人気? 中国人、日本の森林を相次いで買収
2010年12月12日(日)14時40分配信

外国人が日本の森林の買収を進めている。この数年、日本の森林の価格は下落を続けており、今が底値と判断した海外投資家が購入するケースが多い。また、水源として利用しようと考える海外企業もあるようだ。

 世界の水の需要状況では、先進国では健康や美容などへの関心の高まりから、良質な水へのニーズが旺盛になりつつある。一方で、発展途上国では人口増加や経済発展によって、生活用水が不足する事態が起きている。

 経済産業省が発表した2008年度の通商白書によると、安全な水の供給を欠いている人口は、世界で11億人とされ、安全な水が無いために、毎日4500人以上の児童が亡くなっているという。水不足は今後更に深刻化するとみられており、2025年には世界で55億人の人間が水不足に陥ると予想されている。

 日本の森林を買収する外国人の中でも、特に中国人の動きが目立っている。中国には長江や黄河などの大河があり、豊富な水を有する国のイメージがある。しかし、中国の年間平均降水量はおよそ660ミリで、1700ミリ近い日本の半分にも満たない。さらに、長江や黄河にはそれにつながる支流が少ないため、大地に水が行き渡りにくいといった欠点もある。そのため、慢性的に水不足の問題を抱えている。また、中国の国土は平地が多いため、河川の水の流れが遅く、汚れた水が滞留しやすい。河川の汚染が進む中国では、汚染が水不足に拍車をかけているといっていい。中国人が日本の森林の買収に動く背景には、こうした事情がある。

 日本は資源のない国だといわれているが、実は森林と水に恵まれた有数の資源国である。そのことに気付いた外国人は、今後も日本の森林の買収を続けるとみられている。

 これに対し林野庁は都道府県にヒアリングを開始し、情報収集に努めているという。しかし、それだけでは買収を止めることはできない。諸外国のように、外国人や外国法人の土地所有について地域を限定したり、事前許可制をとるなどの制限を設ける必要性がありそうだ。
(サイトウ イサム 、 加藤 秀行)』
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101212-00000002-sh_mon-bus_all 参)

諸外国は、既に『外国人や外国法人の土地所有について地域を限定したり、事前許可制をとるなどの制限』を設けて(実際に機能するように法整備がなされている)いるようですし、何より、この『中国と言う“土地の所有権”が持てない国と、“土地の所有権”を自由に売買できる国』との“トレード”はアンフェアーとしか言えません。中国が、日本人による「中国本土の“土地所有”(売却)を認めるのであれば、それは(概ね)フェアー」と言えますが、現状のような『一方通行』のトレードは即刻、『中止』もしくは『規制』『制限』を設けるべきだと思います。

最後に、ひと言、
「今後ますます『水資源問題』は世界中の『大問題』となり、『水資源』の価値は、(驚くほど)高騰する可能性が高い」です。

民主党政権も、このような『問題』に目を向け、「国民にアピール」し「それを断固として実行」すれば、落ち込んでいる『支持率』も(大きく?)回復するとおもいますけど…。

『個人向け国債、利率大幅引き上げ 低迷打開へ7月から』で「えっ!」となる

思わず、
「えっ!」
となったのが『個人向け国債、利率大幅引き上げ 低迷打開へ7月から』という新聞報道。
朝日新聞電子版によれば、

個人向け国債、利率大幅引き上げ 低迷打開へ7月から

財務省は、販売が低迷している個人向け国債のテコ入れ策として、7月に発行する10年満期の国債から利率を大幅に引き上げる。発行残高の約15%にあたる5年満期の4兆円分が今年中に期限を迎えるが、歴史的な低金利の影響で、国債への再投資が大幅に減る可能性があるためだ。

 財務省は満期が10年の個人向け国債の利率について、直近の長期金利から、元本保証分などの手数料として0.8%を差し引いた水準に設定している。いまの金利動向が続けば、7月の初回利率は、大手行の10年定期預金とほぼ等しい0.4%前後になる。

 一方、今年中に満期を迎える国債は、2006年に販売した0.8~1.3%程度の5年債。今回、10年満期の国債に買い替えてもらおうとしても、いまの金利設定の方法では、利率が大幅に下がり、再投資がおぼつかない。このため、計算のやり方を長期金利に0.66をかける仕組みに改める。これだと、初回利率は06年販売の5年債並みの0.8%前後になる。ただ、長期金利が2.35%程度を上回れば、これまでの計算方式の方が有利という側面もある。

 日本の場合、国債の95%は国内で保有しているが、大半は金融機関が持っており、個人の比率は5%程度。同省は、幅広い投資家に国債を持ってもらおうと、個人向けの販売に力を入れており、利率を引き上げることで投資家をつなぎとめたい考えだ。利払いの財源は最終的には税金でまかなわれる。

 個人向け国債は歴史的な低金利で魅力が薄れ、昨年8~10月の販売実績は、史上最低額となる1417億円まで減った。(福田直之) 』(朝日新聞電子版)
(http://www.asahi.com/business/update/0106/TKY201101060420.html 参)

まあ、読んで見れば、
「な~んだ」
レベルのお話…かも知れませんね。
要は、
『個人向けの(国債)販売に力を入れており、利率を引き上げることで投資家をつなぎとめたい』
という事で、このままの『大手行の10年定期預金とほぼ等しい0.4%前後』では売れないので、『初回利率は06年販売の5年債並みの0.8%前後』になると言うお話。つまり、個人所有の国債の『発行残高の約15%にあたる5年満期の4兆円分が今年中に期限を迎える』けれども、これを利率を倍の0.8%にして、継続して保有して欲しいと言うことですね。

しかし、この「僅か」に思える国債金利の上げは、今の日本経済にとっては好ましくないですね(国債を持っている人は“短期的”には歓迎でしょうね)。むしろ、現状の日本経済的には「利下げ」しなければならないでしょう。だらだらとしたデフレ下にある日本経済にとって、名目金利は0.4%ですが、実質金利は1.4%かそれ以上あると思われます。だからさらに0.4%金利を上げると実質金利は2%程度になります。

わたしが「えっ!」となったのは、現FRB議長で『恐慌論』の研究者でもあるベン・バーナンキ議長が、デフレ脱却(リフレ)のために、全く正反対の金融政策を提言されているからです。米国は、政治形態や文化、国民性も異なりますが、一般論として、バーナンキ議長の主張は正当なものです。

『さて、それでは目標利子率、すなわちオーバーナイト・フェデラル・ファンド・レートがゼロに落ちた場合、FRBには何ができるのでしょうか? 現在の手法を比較的簡単に拡張した一つの方法は、財務省証券の期間構造の中で長期金利――すなわち、より長い満期の政府証券の金利――を引き下げて支出の刺激を試みるということでしょう。長期金利の引き下げには少なくとも二つの方法がありますが、それらは補完的な関係にあり、単独もしくは組み合わせて利用することができるでしょう。一つの方法は、この二年間に日本銀行がとった行動と同様のものですが、ある特定の期間、オーバーナイト・レートをゼロに維持することをFRBがコミットするというものです。長期金利は、現在の短期金利と期待される将来の短期金利の平均に期間プレミアムを加えたものですから、短期金利をある期間ゼロに保つというコミットメントは――そのコミットメントに信頼性があるとしてですが――長期金利の下落を誘導します。わたしが個人的に好むもう一つのもっと直接的な方法は、もっと長い満期の財務省証券(たとえば、二年以内に満期が到来する証券)について、FRBが利回りの明確な上限を公表し始めることです。FRBは、満期二年以内の証券を目標利回りと一致した価格で無制限に購入することをコミットすることによって、これらの利子率の上限を守らせることができます。もしこのプログラムが成功すれば、中期財務省証券の利回りが下落するだけでなく、(将来の利子率に対する予想を通じて働くリンクがあるため)より長期の公的および民間債務(たとえばモーケージ証券)の利回りも下がることでしょう。』(『リフレと金融政策』 ベン・バーナンキ著 日本経済新聞社 P19~20参)

つまりは、今、日本が必要とする「金融政策」は利率を「上げる」ことではなく「下げる」ことです。しかも、悪いところは『利払いの財源は最終的には税金でまかなわれる』という事ですね(具体的な“税金”が書かれていないので、もう今から「財源」が心配です)。これは日銀が「買い切りオペ」をするべきでしょう。

それと、気がかりに思うのは、『大手行の10年定期預金とほぼ等しい0.4%』の倍の金利を国債に付けると、市中銀行も(国債の95%を持っている訳ですし)それ以上の金利を定期貯金に付けてくると思います。そうなると、これはもう『金融引き締め』ですよね。今、日本が最もしてはならない金融政策でしょうね。

さらに、バーナンキ議長が仰るように、『コミットメント』が大切だと言うことですね。政府や日銀が信頼されており、その『意志』が「断固たるもの」であれば、市場はその『意志』を真剣に受け止めます。『市場』はわたしたちが思っている以上に予測・予想が大きな影響力を持っています。『そのコミットメントに信頼性があるとしてですが』ですけれども。

近視眼的に、『国債への再投資が大幅に減る可能性があるため』に『利率大幅引き上げ』というのは、間違えば大きなリスクになりえると思います。

あけましておめでとうございます&今年こそ不況脱出スタートの年になりますように

新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

と、言いながら、今年は年末も年始も関係なく『経済学』のお勉強をしております。
もう、頭が痛くなるわ、吐気はキツくなるわ…そんな状態ですが、目が覚めれば経済学の書籍を読んで、考えて、おせち料理をつまみながらも、傍らには経済書が…。

「今更何をやってるんだろ?」

と自問しながら、それでもやっています。

ここに来て、P・クルーグマン教授(多分)が、

「経済政策は、政治政策に大きく左右される」

と言うようなことを書かれているところに出くわしてしまいました(多分『格差はつくられた』早川書房刊 の中だったと思います)。

つまりは、経済原理は政治によって『大きく歪めることが可能』という事ですよね。これは、当然と言えば当然なのですけど、「経済によって社会を良くできないか」と素朴に考えていた者にとっては、結構「イタイ」ですね。

まあ、確かに、『市場の過ち』を『金融・財政政策等々』と言う、『政治的介入』によって『是正』し、経済の健康を回復することができる訳ですから、『逆も真なり』ですね。

市場が上手くやっていても、政治が間違うと、市場は大きく歪み、最悪の場合は一国の経済(現在では経済は複雑に絡み合い、グローバル化していますから、一国の経済では済まなくなるでしょうね)を、つまりは国民生活を悪くしてしまう。

でも、見方を変えれば、『経済学』と言う(完全ではないが、有力な)手法を充分に熟知した人が『経済政策』を立てれば、そして実行すれば、経済は好転させる事は可能…という事になります。

さて、ですから『政治主導』は間違いではありません。ただ、その『政治主導』は“より正しい主導”でなければなりません。

今年こそは、そういう『正しい政治主導』による、長い長いだらだらしたデフレ不況から脱出するスタートの年にして欲しいと思います。
プロフィール

Yasutomo-Araki

Author:Yasutomo-Araki
現代の閉塞感のある世界がもう少しだけ住みやすくなれば良いなぁ、などと考えております。今の状況の延長線を自分たちの子供たちや孫たちへバトンを渡すのは余りにも無責任だと思っています。大学は工学系卒。国立K大学の経済学研究科大学院修士。博士課程考慮中…。この国の未来への良きシナリオを描きたいと思いトボトボと歩いてるって感じです。ただ最近は、当方の怠慢のせいでtwitterまとめ、或いは「忘備録」化してます…。しかし、同志さんたち大歓迎です。

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