『スパコン、米のクイズ王に圧勝 本100万冊分の知識』を巡って考える事、思い出した事

朝日新聞電子版に『スパコン、米のクイズ王に圧勝 本100万冊分の知識』という記事がエントリされてました。

管理者は、実は『人口知能』にすごく興味があって、専門書も数冊、積ん読しています(少し、余裕ができたら読破したく思っております)。

これで、また「コンピューターの新たな『章』が始まったのだと思います。

「クイズ」の前には「チェス」がありましたよね。

『1997年5月、チェスの世界チャンピオンであるカスパロフとIBM製のチェスコンピューター「ディープブルー」が対戦し、ディープブルーが2勝1敗3引き分けで世界チャンピオンを破』ったと言うのがありましたね。それで、この世界王者カスパロフ氏は「引退」を表明された。

で、今回の「内容」は次の記事の通り。




スパコン、米のクイズ王に圧勝 本100万冊分の知識
2011年2月17日11時51分

 【ワシントン=勝田敏彦】本100万冊分の知識を持ち、人間の言語を理解する米IBM製の人工知能「ワトソン」と、米国の人気クイズ番組「ジョパディ!」の王者2人の対戦の最終結果が16日夜に放送された。結果はワトソンの圧勝。1997年にチェスの王者を破ったスーパーコンピューターが、大幅に進化したうえで新たな「偉業」を成し遂げた。

クイズ王対スーパーコンピューター

 対戦は、同番組で連勝と獲得賞金でそれぞれ記録を持つ王者との間で2試合に分けて行われた。14、15日に放送された第1試合では、前半ではビートルズに関する問題に続々、正答。後半戦では冒頭7問に連続正解して猛ダッシュした。最後の問題で空港名の由来から米国の都市名を問われた質問で、ワトソンが、正解はシカゴなのに、カナダの「トロント」と答える初歩的なミスを犯したりしたものの、王者2人を圧倒した。

 16日放送の第2試合も、前半は王者2人相手に苦戦したが後半で盛り返し、終わってみれば、順位を決める賞金額で2人に5万ドル以上の差を付けた。74連勝の記録を持つケン・ジェニングズさんは最後の問題に解答するとき「結果を尊重します」というメッセージを添え、2人はワトソンに拍手をした。

 ワトソンを開発したIBMが受け取る賞金100万ドル(約8400万円)は、全額が慈善事業に寄付される。

 4年がかりで開発されたスーパーコンピューターのワトソンは、本や映画の脚本、百科事典などから知識を読み込ませてある。司会者の問題の読み上げと同時に送信される問題テキストを受けて、解答を考え、合成音声で答える。あいまいさを含む問題文や文脈を理解し、人間に負けない速さでボタンを押すことが求められるため、2880個の中央演算処理装置(CPU)を同時に動かしている。

 最近のコンピューターの能力向上はめざましく、将棋や囲碁でも人間の能力に迫っている。
(http://www.asahi.com/science/update/0217/TKY201102170169.html 参)




「チェス」の時は、「ディープブルー」、今回の「クイズ」は「ワトソン」。どちらもIBM社のスパコンですね。「チェス」はスパコンのCPUの演算速度で、あらゆる『手』の計算をし、その「ポイント」が高い所に「駒」を進める。その判別は「視覚」情報、と言うことですよね。

でも、「クイズ」はレベルが違いますよね。まず「聴覚」。音声認識をしなくてはなりません。さらに「音声」で出題された「質問の意味」を「理解」しなければならない。ここがもう、レベルが違うところですね。各「単語」の「意味・概念」が「解り」、その上で、「単語」の「繋がり」を「理解」して、「何を質問しているのかを理解」しなければならない。その上で、今度は「その答え」を「検索」し(ここは得意でしょうね)、それを、「言葉」として、またばあいによっては「文章」(文法に合った言葉)にして、「発音」、表現しなければならない。

まだ、『人工知能』の著書を読んでいないので、自分なりの理解の範囲ですけど、これはスゴイです。しかも、二人の「クイズ王」を断然突き放しての「優勝」です。

これは、どういう『アルゴリズム』を使っているのでしょうか? まあ、「企業秘密」でしょうけどね。教科書には、色んな『アルゴリズム』の解説が載ってますけど。わたしは、これは「ニューラル・ネットワーク」を使っているのではないか? と思っているのですけどね。これは、一昔前に流行った『シーマン』なるゲーム(と言うか、仮想生物を育てる一種のゲーム)がありましたよね。あれは、確か「ニューラル・ネットワーク」を使っているはずです。「ニューラル・ネットワーク」は御存じの方も多いと思いますけど、「学習するコンンピューター」です。だから、『シーマン』(わたしは実は、やった事がないので、実際のところは解らないのですけど)は、最初は「あまり話さない」し「意味不明の事をつぶやく」(らしい)。で、育てていくと、人間の会話に「絶妙な会話をはさむようになる」(らしい)。ただ、この場合は『ゲーム』ですから、少しトンチンカンな会話で、噛み合わなくても「それはそれで面白い」。また「ぴったりの会話」をすれば「更に一層、面白い」ですよね。

本当に、SFの世界が近づいて来ている感じがします。こういう『人工知能』をテーマにした「小説」「漫画・アニメ」「映画」はもう掃いて捨てる程ありますね。それらの中では『人工知能』が「ついに意識を獲得してしまう」モノとか「人間と区別出来ない」モノとかで充満しています。最近(と言っても随分前)なら、そのものズバリ『A・I』って映画がありましたよね。そう言えば、アーサー・C・クラークの『2001年宇宙の旅』では、「HAL」って言うIBMをもじった(つまりそれぞれのアルファベットの前の字を使っている)、スーパー・コンピューターが『意識』を持って、「狂い」、宇宙船の宇宙飛行士を次々に殺していく…と言うのがありましたね。

「果たして、コンピューターは人を超えるのか?」

実は、コレ、わたしが小学校高学年の時の、「国語」の時間に、今で言う「ディベート」させられた「課題」でした。で、わたしは、当然「コンピューターはプログラムを実行するだけで、思考が出来るはずがない」ので、「越えられない」の「グループ」に入りたかったのですけど、運命(先生?)は悲惨なことに、わたしを「越えられる」の「グループ」へ…。

もう、圧倒的に、「越えられない」派が有利。「越えられる」派の生徒たち自体が、

「そんなもの、越えられる訳がない。だって機械に『思考』は無理!」

と思っているのだから、当然ですよね。

ところが、その時、「へそ曲がりのわたしの頭の中に、へそ曲がりの悪魔が、理路整然と」囁きかけてきたのです。さっきまで「越えられない」派だった、わたしは、一気に転向し、立って「越えられない」派(実は、みんな「越えられない」派だったから、全員に)へと向かって、

「今は、まだ『思考』というものが、どう言う仕組みで『出てくる』のか、解っていない。でも、『思考』の『仕組み』が解れば、演算する速さはコンピューターの方が早くなる(それはン十年も前のことで、コンピューターと言うモノがあると言うことが、ようやく知られた頃で、もちろんPCなんて、夢のまた夢。でしたからね)だろうから、コンピューターはいずれ人間を超えることができるでしょう」

って、やったのでした。その結果、

クラスは『沈黙』(先生も含めてだったと思います)状態に…。

「あれー、何かマズかったかな」とわたし。

皆のわたしを見る目が「冷たい」というか「異質」で「理解出来ないモノ」を見るような目になってた。

その後、先生は、適当に「まとめて」、お開きに…。

「大体、国語の時間に、理科みたいな討論(あの頃は、ディベートなんてハイカラ無言もなかった)させるなよ!!」

それからしばらくの間、皆がわたしを見る目が違っているように感じたのは、わたしの思いこみだったのだろうか?
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『鳥の祖先、やっぱり恐竜 前脚の指同じ構成』について想像することなど

今日は、経済のお話から離れて、「古代のロマン」、恐竜についての話題です。

「恐竜の子孫は、爬虫類ではなく鳥類」

と言う説はずいぶん以前からされていました。初めて『鳥類、恐竜起源説』を聞いた時は、結構インパクトがありました。あれからすっと『議論』が続いていたようですが、今日の朝日新聞電子版(朝日新聞朝刊にも)に、

『議論に終止符を打つような発見が、東北大学でされた』

と報道されていました。




鳥の祖先、やっぱり恐竜 前脚の指同じ構成 東北大
2011年2月11日3時28分

鳥の前脚(翼)の指は恐竜と同じ構成でできていたことが、東北大の田村宏治教授らのグループの研究でわかった。恐竜から鳥に進化したとする説を証明する決定打と言える成果だ。米科学誌サイエンス(電子版)に11日、発表する。

鳥の祖先はやはり恐竜

 恐竜の指は、化石の分析などから、薬指と小指が退化して親指からの3本が残ったとわかっている。古生物学的には鳥類の指も形態が似ており恐竜起源説が有力視された。

 一方、発生学的には鳥の前脚にあたる翼の骨にある指は、指の原形ができる位置などから人さし指、中指、薬指の3本と考えられていた。古生物学と発生学の見解の違いから恐竜起源説が有力なものの長年、断定できずにいた。

 田村教授らはニワトリの卵で、受精後3日~3日半の時点から発生の過程や遺伝子の働きなどを調べた。ニワトリの翼の指は発生初期、人さし指、中指、薬指の位置にそれぞれの原形になる細胞の固まりがあり、これがそのまま指になったと考えられていた。だが指が形作られる時期になるとそれぞれ一つずつずれ、恐竜と同じ親指、人さし指、中指の位置で指になっていくことが確認できた。

 田村教授は「『ずれ』を明らかにできたことで、発生学的にも恐竜起源説の矛盾を解決し、恐竜から鳥への進化をスムーズにつなげることができた。最古の鳥類である始祖鳥が見つかって今年で150年。その年に、長年の論争に終止符を打てた」と話す。

 国立科学博物館の真鍋真・研究主幹は「これで恐竜起源説に残っていた最大の課題を解消できた。化石で分からない進化を、発生学的に明らかにした点も大きい」と評価している。(竹石涼子)
朝日新聞電子版
(http://www.asahi.com/science/update/0210/TKY201102100547.html 参)




恐竜は、「6,500万年前にユカタン半島に衝突した直径10kmの大隕石によって絶滅した」と言うのが、現在の有力説です(その他、最近では更にその30万年後にインド西岸沖に直径40kmの巨大隕石の衝突があって、とどめを刺された説もあるようです)
(http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=65951327&expand#title 参)。この巨大隕石によって、大気は塵で太陽光線を通さなくなり、地球は急激に寒冷化、まず、植物が枯れ、草食恐竜が絶滅、そして、その捕食者である肉食恐竜が絶滅(もちろん、巨大隕石の爆発によって死んだ恐竜もおおかったでしょうが)、と言うのが、その「筋書き」です。

ところが、小型の哺乳類の世界になったと言われている、1億5,000万年程前、恐竜は『始祖鳥』と言う、今の『鳥類』と『恐竜』の中間のような姿に進化(環境適応)して生き残り、そしてそれが、多くの古鳥類へと更に進化し、やがて、たしたちが現在見ているような『鳥類』へと変貌を遂げた。それだと、当然、恐竜を始祖鳥へと進化させたのは、「巨大隕石の衝突」ではなくなりますね。「巨大隕石衝突の1億年位前から、恐竜は鳥類への進化を始めている」事になります。

ところで、わたしが何故、今回のエントリを書く気になったのか? それは、一つは「以前から古生物に興味があった」からですし「元々、理科系の血が騒いだ」と言うのもありますが、ここで『ちょっとした疑問』が湧いたからです。それは、

『渡りの起源』への疑問です。

いま(専門外なので数字的な事は解りませんが)、かなりの種類の鳥類が『渡り』をしていますよね。では『始祖鳥』は『渡り』をしていたのだろうか? また他の『古鳥類』は渡りをしていたのだろうか? そして、もっと遡れば『恐竜(の一部?)』は『渡り』をしていたのだろうか? と言う『疑問』です。

もしも、『恐竜(時代)』から、(一部の?)『恐竜』に『渡り』の習性があったとすれば、それは「古代環境」についての(少々の)手がかりになるのではないだろうか? と思ったのです。以前は『経済問題』のところで、『地球の二酸化炭素濃度』の変化について書きましたけど、今回は、もしも、CO2が今より遙かに高い、よって、(わたしたちにとっては)『異常な気候』だったとしたら、『渡り』の習性は、『恐竜』時代に(必要性があって)芽生えていたのではないか…と想像するのです。

『渡り』をするには、その『脳内』に『地磁気』を感じ取る『生体磁気』構造が必要です。つまり『脳内(等)に磁性物質』が存在していなければなりません。それらは「渡り鳥」ですとか「サケ等の回遊魚」内に見つけられています。

これを『遺伝子レベル』で調べる事ができれば(と、言っても『ジュラシック・パーク』でもないので『恐竜』の遺伝子なんて手に入らないでしょうけど、鳥類の遺伝子から『遡って』見ることってできないのでしょうか?)また色々な事がわかるような気がします。

追伸
相互リンクさせて頂いている、生命科学の学者さんの松原先生(研究分野はかなり違っているとは思いますが)のご意見を聞いてみたいです。もしも、宜しければ、専門家の立場から、素人の(ひょっとして、突拍子もないかも)想像についてのご意見を頂ければ嬉しいです。

追追伸
こんなところで、松原先生にお願いするのは非常に失礼だとは思いますが、気を悪くされたとすれば、どうそ御寛恕くださるようお願いいたします m(_ _)m

『ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論』

 元々は、わたしは“理科系”出身人間。
 ですが、学校を卒業してからン十年、『数学』らしい『数学』に殆どふれる機会もなく、増してや『新しい分野(わたしにとって)』の『数学』なんて、

「もう縁もゆかりも無い」

と思っていました。

「もうこんなオジサンになって、『新しい数学』なんて、頭にも入らないよなぁ~」

とも。

まして、そんな『数学』から“刺激”を受けたり、“興奮”を覚えることなんて、在り得ないと思って(殆ど“確信”に近く)おりました。

 そんな時、何気なく手に取ったのが

『ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論』(高橋昌一郎著 講談社現代新書)

「不完全性定理? 不確定性原理の事じゃあないのか!?」

と言うのが、正直最初の感想。

“不確定性原理”は知っていましたよ。一応“物理”は得意でしたし、まあ、非常に有名な原理ですから。

“不確定性原理”は、量子力学で出てくる原理ですけど、簡単に言ってしまうと、

非常に小さな粒子を考えた時、

『この粒子の位置を正確に測ろうとするほど対象の運動量が正確に測れなくなり、運動量を正確に測ろうとすれば逆に位置があいまいになってしまい、両者の値を同時に完全に正確に測る事は絶対に出来ない。』(wiki 参)

と言う“原理”。なぜならば、

『位置をより正確に観測する為にはより正確に「見る」必要があるが、極微の世界でより正確に見る為には、波長の短い光が必要であり、波長の短い光はエネルギーが大きいので観測対象へ与える影響が大きくなる為、観測対象の運動量へ影響を与えてしまうからである。』(同上 参)

概ね、そういう理解で良いと思います。この原理には色々と議論があって、わたしの尊敬する物理学者のひとりである、あのA.アインシュタイン博士の名文句でも知られております。

『不確定性原理は1927年にハイゼンベルクによって提唱された。量子力学の基礎原理の一つとされ、その発展に大いに寄与した。 ただし、量子力学の基礎が整備された現在は、他のより基礎的な原理から導かれる「定理」となっている(「意見」や「仮説」ではない)。
粒子の運動量と位置を同時に正確には測ることができないという事実に対し、それは元々決まっていないからだと考えるのが、ボーアなどが提唱したコペンハーゲン解釈であるが、アルベルト・アインシュタインは決まってはいるが人間にはわからないだけだと考えた。この考え方は「隠れた変数理論」と呼ばれている。なお、1926年12月にアインシュタインからマックス・ボルンに送られた手紙の中で、彼は反論に神はサイコロを振らない(独: Der Alte würfelt nicht. 直訳:神は賽を投げない)という言葉を用いた。
この他にも不確定性原理の解釈には多数の解釈がある。これを観測問題という。どの解釈が正しいのかは現在はっきりしていない。ただし、ベルの定理により現在アインシュタインの考えを支持する人はごく僅かである。
不確定性原理が顕在化する現象の例としては、原子(格子)の零点振動(このためヘリウムは、常圧下では絶対零度まで冷却しても固化しない)、その他量子的なゆらぎ(例:遍歴電子系におけるスピン揺らぎ)などが挙げられる。』(同上 参)

この、

『神はサイコロを振らない』

と言うのが、有名なアインシュタイン博士の名文句です。上の記述にもありますが、現在では、残念ながら(?)、アインシュタイン博士の考えは否定的になっております。

 で、奇しくも、このアインシュタイン博士が世話もし、一目置いていたのがゲーデルさんです。丁度、親子程も年齢差があるのですが、アインシュタイン博士の“一般相対性理論”の基本方程式から導き出される重力方程式(互いに独立した二十個のテンソル関数に対する“非線形変微分方程式”です)の一つの『解』を求めたのがゲーデルさん(“非線形微分方程式”はわたしが大学で研究していた方程式で、その『解』を求めるのは非常に困難。今はコンピューターがありますから、力ずくでシュミレートできますけどね。当時は文字通り“天才”の領域だったでしょうね)。それが所謂『ゲーデル解』と呼ばれるものです。この“重力方程式”の『解』は一種類では無く。その後も、様々な『解』が見つかっております。日本人では、佐藤・富松解が有名です。これらの『解』を読み解くと、様々な“宇宙の姿”が解ってきます。例えば、『ゲーデル解』では『宇宙は、空間的には一様だが、等方性は保たず、膨張もなく、回転しいる』という事になります。

 アインシュタイン博士がゲーデルに一目置いていたというのは、晩年の博士が、
「私が研究所(プリンストン高等研究所)に行くのは、ゲーデルと散歩する恩恵に浴するためだ」と述べたと言う逸話からでも解ります。

『本物は本物を見抜く』

の典型的なパターンですかね。

 ゲーデルの『不完全性定理』を本当に数学的に理解しようとすると、“数学基礎論””(数学自体を対象とする学問)の知識が必要になります。で、実物は、

『ゲーデル 不完全性定理』(林 晋/八杉満利子訳・解説 岩波文庫)

って言う著書が出てますから、そちらを読んでいただければと思いますけど、これは、本格的に“数学基礎論を学習しなければ理解出来ないところです。正直、ここまでくると“数学科”でも出ていないと解らないと思います。当然、わたしもそこまでは理解出来ません。

 ただ、その概略は高橋氏の著書で理解が出来ます(そのように書かれた本です)。

 この著書では、アナロジーやパズルを用いて理解をさせてくれます。例えば、

ナイトとネイブのパズル――問題 ある島に、二種類の住人が居住している。ナイト(騎士)は正直であり、彼の発言はすべて真である。ネイブ(ならず者)は嘘つきであり、彼の発言はすべて嘘である。島のすべての住人は、ナイトかネイブのどちらかである。
 島の住人Xと出合ったとする。もしXが「日曜日の翌日は月曜日である」と言えば、彼はナイトであり、「日曜日の翌日は火曜日である」と言えば、彼はネイブである。「2は偶数である」と言えばナイトであり、「2は奇数である」と言えばネイブである。要するに、Xが真実を語ればナイトであり、嘘をつけばネイブである。
 ただし、Xの一言の発言だけから正体を見破ることができるとは限らない。例えば、Xが「私はナイトである」と言ったとする。Xは、自分がナイトだと正直に言うナイトかもしれないが、自分はナイトだと嘘を言うネイブかもしれない。したがって、この発言だけからXの正体を決定することはできない。
 それでは、問題である。ナイトとネイブの島の住人Xが「私はネイブである」と言ったとしよう。Xの正体は何者だろうか。』

この問題は、少し考えればすぐに解りますよね。

ナイトとネイブのパズル――解答
 もしXがナイトであれば、自分をネイブだと偽ることはないから、Xはナイトではない。一方、もしXがネイブであれば、自分はネイブだと正直に言うこともないから、Xはネイブでもない。したがって、ナイトとネイブの島の住人が「私はネイブである」と言うことは不可能である。』

そして、ここで重要な事は、

『①ナイトの発言はすべて真である ②ネイブの発言はすべて偽である ③すべての住人がそのどちらかである、という三つの前提に基づいて構成された島のシステムで、住人が「私はネイブである」と発言すること自体が、システムに対する矛盾となる点である。つまり、これが、システムから「飛び出た」発言なのである。
 島の内部では、いかなる真実もナイトが発言できるし、いかなる嘘もネイブが発言できる。それでは、人間社会と同じように、何でも発言できるはずだと思われるかもしれないが、実際には、そうではない。ナイトとネイブの島には、「私はネイブである」という発言は、永遠に存在しないのである』

 なんか、キツネにつままれたような問題ですが、ゲーデルの凄さは、これらの『問題』を“数学的”に証明してしまったことです。それは、わたしの理解出来る範囲では、集合論的に解かれたのだと理解しています。例えば、一次の方程式があったとして、それらは、その一次の直線上の点の集合、数え切れない位の点の集合である訳です。そんな風に、数学的に置き換えられてこれらの『問題』を、数学論理的に解いたという訳です(間違っていたらごめんなさいです)。

 ゲーデルの“不完全性定理”は『プリンキピア・マテマティカおよび関連した体系の形式的に決定不能な命題について』という小論によって発表されました。彼によれば、

数学を形式化しようとすると、それがいかなる形式化であっても、日常言語では理解し表現できるが、形式体系内では表現できない命題が生じる。したがって、ブロウエルが言うように、数学は汲み尽くせないのであって、常に新たに『直感の源泉』から汲み上げる必要がある。つまり、全数学のための普遍的な形式化は不可能であり、全数学のための決定手続きもない』(下線は管理者)

 つまり、“論理の塊”であり『完全性』を備えているはずの『数学』は、実はどのような体系下においても“不完全”なほころびがある“代物”だと証明してしまったのです。

 これは、西欧論理の世界に生きていない私たち、東洋の一国である(幾ら“洋才”を唱えていようと)日本人が受ける『衝撃』以上の『衝撃』を、欧米人(特にキリスト教圏のインテリ層)に与えただろうと想像されます。と言うのは、キリスト教と論理は切っても切れない関係にあるからです(小室直樹氏の著作等を参照して下さい)。
 
 最初は、『プリンキピア・マテマティカ…』が、何を意味するのかさえも、殆ど理解されなかったようです。多くの知性がその意味さえ理解出来なかった。その中で、フォン・ノイマンだけがその重要性に気付いたようです。

 『数学は完全なものではない』『論理は必ずほころびがある』これらは、この世界の完全性=神が創りたもうた世界の完全性=神の完全性 を否定するものとさえ解釈されます。

 実際、この『プリンキピア・マテマティカ…』が発表された1931年に「神は死んだ」と言う学者さんもいらっしゃるようです。

 実際のところ、ゲーデルの『不完全性定理』が“何を証明”し“何を証明していない”のか、わたしの能力ではその確かな所は理解出来ません。ただ、“不確定性原理”にせよ、“不完全性定理”にせよ、

「この世界は、完全には確定されたものではない。だからこそ、そこに“自由意志”が働くスペースがある」

ような気がします。

 わたしの理解できるところはソコまでです。しかし、今までうっすらと名称しか知らなかった『不完全性定理』しかも長年ご無沙汰の“数学”に少しでも触れた事で、久々に“ワクワク感”を得れた事は確かです。


※ 間違って理解しているかも知れませんが、特に“数学科”の方、ド素人にも解るように説明が出来る方は、御教授の程、よろしくお願い致します。
プロフィール

Yasutomo-Araki

Author:Yasutomo-Araki
現代の閉塞感のある世界がもう少しだけ住みやすくなれば良いなぁ、などと考えております。今の状況の延長線を自分たちの子供たちや孫たちへバトンを渡すのは余りにも無責任だと思っています。大学は工学系卒。国立K大学の経済学研究科大学院修士。博士課程考慮中…。この国の未来への良きシナリオを描きたいと思いトボトボと歩いてるって感じです。ただ最近は、当方の怠慢のせいでtwitterまとめ、或いは「忘備録」化してます…。しかし、同志さんたち大歓迎です。

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